その203、ゆみかの恋愛相談?
更新忘れていていました……。
その後もモンスター召喚テロは未遂も含めて続いた。
だが、被害そのものはどんどん減ってきている。
ベルタエルフやサキュバスたちによって次々に発見され、処理されているからだ。
「コツさえつかめば簡単なモノよ」
と、サキュバスたちが言っている。もっとも、それだけ高度なサーチ魔法なのである。
そんな日々の中、ようやくある程度平穏になりかけた学校生活中――
「困ってるんです」
私はいきなりゆみかに相談されてしまった。
「困るって、何が?」
嫌な予感がしつつも、とりあえず聞いてみる。
「いえ、私じゃなくって。友達のユズルくんのことなんですけど……」
「あああ。彼ね、ああ、彼。あはは……」
やっぱり、来るべきものが来てしまったのだろうか。
「最近、ある女の子から告白されてるそうなんです」
「ふーん」
「かなり熱心に迫られてるみたいで、話を聞いてると相手も本気らしいんです」
「……なるほど」
「でも、ユズルくんは付き合う気はないって……。相手も真剣みたいだし、一度くらいデートしてみてもいいんじゃないかなって、思うんですよ」
「……あなたは、応援したいわけだ」
「ええ、小さい時からの友達だし。ひいき目に見てもけっこう素敵な子だって思うんです」
「……まあ、きれいな顔だよね」
「けど、ユズルくんその気はないって。ちょっと勿体ないと思うんですよねー」
「そうね。今時それだけ真剣に思われるってのは希少だわ」
「でしょ? 私もそう言ったんですけど、あの子変に頑固というか、意固地で……」
そう言うゆみかの態度は、完全に弟を心配する姉みたいだった。
一途さは愛らしいと思うけど、気のない相手に入れ込み続けるのは不毛だろう。
という風に、あの美少年も妥協とかできたらいいんだろうが……。
できないんだろーなー。
「ユズルくんって、ホントにそうで。優しいし勉強できるし、小学とか中学のころからかなりモテてたんですよ! なのに、どうもそういうことにシャイというか臆病で」
ちょっと興奮気味に説明するゆみか。目がキラキラしている。
「もっと自信持っていってもいいのに。そこが歯がゆいっていうか……」
あ、なんかちょっとイラっと来た。モテ女の無自覚な自慢みたい。
「他に好きな女の子がいるんじゃない。男の子かもしれないけどさ」
なので、私はつい意地の悪いことを言ってしまう。元が悪役令嬢だしな!
「ええ!? ユズルくんって……え? そっち!?」
ゆみかはえらく驚いて、しかし、半分好奇心を燃え上がらせている。
まさか、腐った趣味に目覚めたりせんだろうな?
「だから、例えばよ。好きな子がいるって言うならありえるでしょ」
「なるほど。それも、そうですよねえ……。そっかあ、それでねえ」
ゆみかはうなずきながら、ちょっとおかしな笑い。
やはり、姉というか保護者目線だな、これは……。
「笑ってるけど、あなたかもしれないでしょ」
「ええ? わ、私ですか? ないない、それはないですよ」
指摘してやると、また驚いた。しかし、笑って否定。
「なんで?」
「だって、幼稚園から一緒にいるし、ほとんど姉弟みたいなものだから。ないですって」
どうやら……本気でそう思っているらしいわ。想像すらしたことないってか。
っていうか、自分がそうだから長年一緒の男の子もそうだって思ってるわけかな。
やれやれ。これは本気で彼が不憫になってきたぞ……。
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