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201/301

その201、アマゾネス怒って鉄球を振るう


サブ連載で歴史SF的なものを書きました。

こちらのほうもよろしく。

https://ncode.syosetu.com/n9219gd/





「野郎、ぶっ殺してやる!!!」


「私はヤローじゃない!」



 私は、朝から盛大に喧嘩を売られていた。



 学校がしばし休みになり、ちょいと八郎くんの顔でも見てこようと思ったので。


 研究施設『7番』へと出向いたのであるが――



 いきなり、切れたアマゾネス・ケライノが鉄球を振るって襲いかかってきた。



「一体何の冗談よ!?」


「冗談だと!? てめえは冗談でオレの男をサキュバスに喰わせたのか!?」


「あ」



 先日、岡田ユズルの代わりに田中くんを差し出してしまった件。



「おかげで北吉は一日腑抜けになったぞ!?」


「なんだ、一日ですんだの」


「何日も続いてたまるか!」



 はあ……。サキュバスが手加減したのか、それとも彼のタフさゆえか。


 どっちにしろ、予想通り性的不能になるようなことはなかったらしい。



「このままサキュバスがりついたらどうしてくれるんだ!!」


「他の男探せば? 強い遺伝子があればいいんでしょ?」


「ふざけんな! この地球であいつ並のヤツがそうそういるか!」


「そうなんだ」



 タフだとは思っていたけど、田中くんは希少価値もあったらしい。



「あの場合は仕方なかったの。ごめんなさい」


「ごめんですめば、魔法はいらねえ!!」



 ケライノは怒鳴って鉄球をぶん投げてくる。


 私はそれを障壁で防ぎ、逃げ出す。



「待ちやがれ!」


「待てないよ!」



 アホなやり取りだが、このままだと1000日くらい続きそうだ。


 ちょっとコラまずいなあ……と思っていると、



「ふぎゃ!?」



 いきなりケライノは鉄球を落としてぶっ倒れた。


 見ると、指先に小さな魔法陣を展開させたヅカテ氏が立っている。



「この施設を壊す気か、君らは……」



 呆れた顔で私を見るヅカテ氏。



「スミマセン……」


「まあ、話はさっきのやり取りで聞いたけど……。彼を差し出すとはなあ。一体どういうことなんだか? 詳しく聞きたいね」


「実はこれこれしかじか……」



 私はしょうがなく、事の経緯を話したのだった。



「はあ、身代わりにねえ……。彼も運が良いのか悪いのか……」


「悪いんですか」


「そりゃまあ……。一応相手は魔族だからなあ。とはいえ、そうでもしなけりゃ、納得させるのも難しかったか……。今日本に来ているのは、人間を好むサキュバスだろうしな」


「あ。やっぱ、好みがあるんですか」


「そりゃ当然あるよ。でなかったら、わざわざ日本まで来やしない」



 ヅカテ氏は頭を掻いて、嘆息。



「ははは……」


「しかし、サキュバスたちもテロ対策に追われて忙しい。そしてピリピリしてるだろうから。自然と餌を求めだすようになるわけか……。こりゃ面倒だ」


「ふうむ。ベルタエルフと奪い合いになるとか……」


「ありえるわなあ。とはいえ、ある程度の棲み分けができるだろう。問題は人間の女だなあ。またぞろ、テロに賛同するのが増えなきゃいいが……」









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