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その199、憂鬱な気分の中逆ナンを見ること



 やはり、事態は重苦しいようだった。


 色んなメディアで、日本中で起きたモンスターテロが論議されている。



 しかし……。



 新聞やテレビの多くは、この期に及んでもまだ魔女党を擁護しているのだった。


 進歩的文化人と呼ばれる人々も同じ。



「本当にダイノヘイムとの友好を妨げているのはジャップオスだ!!」



 などと騒ぐ声もネットで見られる。


 まあ、アレだ。無茶苦茶な話だった。



 しかし、吠えている連中からすれば天地のことわりほどに確かなモノらしい。



 で、さらにすごいのは、



「ダイノヘイムに逃げたジャップオスを全部殺処分すべき!!」



 と、ベルタエルフに提言した団体もあった。



 当然拒絶されて、荒れる。荒れる。荒れる……。



「彼女たちは騙されているんだ! 進歩的思考を受け入れるべき!!」



 拒否されればますます、『善意』と『正義感』をこじらせて吠える。


 それに賛同する声もあるから、ますます手がつけられない。



 どうにもうこうも……な状態だった。


 とはいえ、泣いてばかりもいられないわけで。



 私は疲れた体を押して、学校に行った。


 登校してみると、生徒数はさらに激減している。



 やはり、学校どころではなくなってしまったのだろうか……。


 まあ、そういうことなんだろうな。



 しかし、復学したと思ったら、この有様とは。


 私は色んな意味で情けなかったが、できることはそう多くない。



 今や協力者のサキュバスやベルタエルフは次のテロを防ぐべく、全国に散っている。


 男子の避難もまだ途中なのに、先に進めそうもなかった。



 まきめは家の事情ではしばし休みになったそうで、エミリもモンスター騒動で入院した。


 といっても、かすり傷のようなものだったらしく、



「今退院したところ。明日は学校行くね」



 と、気楽な連絡が来た。



 学校も半日で終わり、私は何とも言えない気分のまま、昼過ぎの街を飛ぶのだった。


 このまま、日本そのものが崩壊なんてことにならんだろーな……。


 そうならないために……私に何ができるのか……。



 憂鬱な気持ちで飛んでいると、下のほうで騒ぐ声が聞こえてきた。


 声というより、気配というべきものだったかもしれない。


 まさか、またモンスターか?



 ワンドを握りつつ近づいてみると、



「いいから、来いよう。ケチケチすんなって」


「だから、嫌だって……!」


「嫌よ嫌よも、好きのうちだろ。好きなんだろう?」



 ……。



 何だか、大昔のチンピラが女性にからんでいるような内容だが。


 からまれているのは、高校生男子だった。



 で、からんでいるのは肉感的な美女……。いや。美少女。


 背中にコウモリに似た半透明の翼がはえ、尖った耳と尻尾。頭に可愛い角。



 すなわち、サキュバスが男子高校生を逆ナンしているわけだ。


 下手すれば、そのままホテルに連れ込みそうな雰囲気である。



 ……うーん。どうしたものか。まあ、止めたほうがいいんだろうけど。


 しかし、からまれている男の子は、可愛い系というか、女装が似合いそうっちゅうか。



 ……って。あいつは!?



 アニメの不憫キャラというか、破滅フラグつきの……岡田ユズルやんけ!?








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