その192、でも行くんだよ
色々先の展開で詰まったり悩むことも多いです。
ご意見などはありがたい限り。
「やあ、おはよう」
私は内心の動揺を抑えつつ、ラブ子に挨拶してみた。
「ふん」
ラブ子は私をチラリと睨むと、飛んでいってしまう。
絡まれるかと思ったが、杞憂だったようだ。
しかし、面倒なのは今後だな……。
確かラミア族は恋愛面でも執念深いと聞く。
「こっちでヤンデレっていうのか? それになるヤツが結構多いんだな、これが」
以前ヅカテ氏もそんなことを言っていたようだ。
とはいえ、私にできることもないし、やりたくもない。
やっぱり恋愛沙汰のゴタゴタなんてごめんなのである。
私は寒い予感を振り払うように、急いで学校を目指すのだった。
いざ着いてみると、特に何事もなく昼休みとなっていく。
ラブ子も特に何も言わずに普通通りに見えた。
ゆみかに絡んでいくようなこともないようだ。
何にしても、こっちの範囲内で揉め事を起こさないのなら歓迎である。
私が学食で昼食後のお茶をゆっくり楽しんでいると――
窓の外を、変身したゆみかが飛んでいくのが見えた。
「え?」
一瞬ギョッとしたが、ハッと思いつき、松上少年に連絡を入れてみる。
<何でしょう?>
<……何か起こったんじゃないの?>
私が問うと、松上少年はしばし無言だったが、
<四国にある高校がモンスター襲われています。男子校ですね>
<オオゥ……>
まさに標的になりやすい場所だ。
<スケルトンの大群が押し寄せているので、生徒も教師も外に出られないんですよ>
<……まるでゾンビ映画ね>
<学校どころか、町全体がパニックに……ちょっと待ってください?>
松上少年があわて出した頃、私の携帯にも事件を報せるメールが来た。
学校に押し寄せる骸骨集団の動画付き。
変身できなくなっても、連絡がきてしまうわけだな。
どうも、このメールもらった変身アイテムとセットらしい。
スケルトンならば強いモンスターではないが、数が問題だなあ……。
行きたくはないが、やはり行かざる得ないか?
私が悩んでいると、またもメール。
何だこれ……。全国のあちこちで事件……。しかし、どれも小規模というか……。
個人レベルのヤツになってないか?
と思っていたら、どこかの市役所や企業などにもモンスターテロが。
鳥型モンスターに掴まれて空中に連れ去られる男性警官の姿も……。
警察まで標的にし始めたか。
っていうか、若い男の子だけじゃなくって、もう男なら何でもアリか?
魔法の資質もない相手を?
いよいよテロは凶悪化してきたらしい。
もはや、変身できないとか、言っている場合じゃないのか。
ああ、しかし嫌だな……。
とはいえ、小児も老人も関係なしでは、ほっとくわけに、いかないか。
しかし、生身というか、素顔もなあ。
私は少し考えた後、思いついて近くのヤタガラス関係の施設へ跳んだ。
そこならば、自由に出入りできる。
私は顔見知りの職員に頼んで、ヤタガラスのスーツを一着貸してもらった。
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