表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
188/301

その188、ゆみか対黒いヴァルキリー



「無事ですか?」


「なんとかね。助かったよ……」



 私のそばに来たゆみかは、ホッとしたような顔で少し笑う。



「その姿だと、やっぱりそのしゃべりかたなんですね」


「ん? あー……。そうだね」



 今までの習慣みたいなものだろうか?


 この変身スーツを着ている時は男性的な口調をついしてしまう。


 まあ、公式の場で正体ばらしたわけでもないしな。ネット情報でも謎のままだし。



「新手……」



 黒い女は魔力の槍を構えて、ゆみかを見た。



「スーツの具合が悪い。全力で戦えなくなってる」


「……わかりました。私に任せて?」



 ゆみかはうなずくと、杖を構えて黒い女と対峙した。


 猫耳魔法少女と、真っ黒な戦乙女ヴァルキリー――何ともシュールな光景だ。



 そして、魔法合戦が始まった。



魔爪クロー!!」



 ゆみかは魔力で杖を包んで虎の手みたいな形にした。


 そして、黒い女とぶつかり合う。


 何度も打ち合っては離れ、離れては打ち合う。



散弾ショットガン!!」


「ち!!」


 ゆみかの魔力弾は精度が高く、威力もあるようだ。


 大して黒い女の魔力弓は狙いをつけるのに時間がかかる模様。


 と、いってもゆみかのそれと比べての話だけど。



 女はついに弾を受ける体勢で突っ込み、強引に接近戦に持ち込もうとする。



 黒い女……いや、少女とするほうが正しいのかな?


 どうやら年齢は、少なくとも外見年齢は若いようだ。



 高校生、あるいは中学生くらいかもしれない。


 そんな少女があれだけの魔法を駆使できるのということは……。


 よほどの才能を持ち、かつ訓練を積み重ねてきたに違いない。



 そう思っていると、ゆみかが槍で弾かれ、押され始めた。


 おっと、いかん。見てる場合じゃない



<魔力弾。連続発射――>



 私は魔力弾をできるだけ狙いすまして連射した。



「くっ!」



 黒い少女はすばやくかわして、こっちに槍を投げてきた。



 危なっ……!!



 私がかわすと、魔力の槍は下まで飛んでいき、下の道路を貫通して地中に消えた。


 やっぱ、かなりの威力だな……。物騒な相手だこと。



魔砲キャノン!!」



 しかし、私の割り込みは無駄ではなかったようで。


 その間にゆみかは魔力を充填して、大技を繰り出した。



「……!!」



 魔力の砲撃を浴びて、黒い少女は声のない叫びをあげて吹っ飛んでいく。



 やったか?



 いや……。黒い翼を大きく羽ばたかせ、少女は停止した。


 そして、巨大な魔力の矢を放ってきたものである。



 待てよ……? 違う。これは……でかいんじゃない!?



 魔力の矢は途中で分散して、無数の細かい矢となって襲いかかってくる。 


 私はあわてて魔力の盾でそれを防ぐ。


 ゆみかも障壁を張っているが、矢は地上にも降り注ぎ、さらに被害を大きくした……。








よろしければ、感想や評価ポイント、ブクマをお願いします!

感想は一言でも歓迎!

あなたの応援が励みになります!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ