表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/301

その177、アマゾネス登場



「よう」



 そう言って気安く入ってきたのは――ショートパンツに半袖シャツを着た筋肉娘。


 アマゾネスの、ケライノ……。



「お前か……」



 汗をタオルを拭いていた田中くんは微妙な顔をする。



「そう嫌な顔することないだろ、お前の訓練に付き合ってやるんだぜ」


「僕が呼んだんです」


「なんですと?」



 松上少年の言葉に、田中くんは目を見開いた。



「君相手に魔法と格闘訓練ができる相手だからね。筋トレばかりでも困るし」


「そりゃあ、助かるけど……」


「お前、頑丈さはピカイチだけど、技のほうは力任せだからな」


「高校の授業で柔道を習ってたぞ」



 ケライノに反論する田中くんだが、そんなものじゃ足しになるまい。


 事実戦闘の際に、柔道の技なんて欠片も出なかったし。


 とはいえ、このアマゾネスの力任せの脳筋であるのは同様だが。



 しかし、これをきっかけにコネができれば助かるな……。



「では、休憩の後さっそくにやってみてください」


「ええ?」


「早いほうがいいでしょ」


「そうだけど……」



 松上少年がせかすが、田中くんは気の進まないようだった。



「何だ、オレとじゃ不満か?」


「やりにくいネ」



 ケライノが挑発するように言うと、ストレートに返す田中くん。



「おいおい。まさかオレが人間の女と同じみたいにやわだって思ってんのか」


「そういう問題じゃない」


「はァん?」



 ハッキリしない田中くんに、ケライノは急にニタリと笑うと、



「おし。じゃあ、オレが夜のほうで相手してやる。経験しとけばやりにくいとか、青臭いこと言わなくなるだろ」


「……夜?」


「とぼけんなよ」



 ケライノは田中くんに腕を絡ませ、その胸を押し当ていった。



 おいおいおい……。



 私は思わず松上少年を見る。



「学生の身分で問題あるんじゃない……?」


「アマゾネスの彼女なら、万が一の時も責任うんぬんは言いませんよ」


「そういう問題かなー」



 松上少年はあっけらかんとしている。まあ、中身はオッサンだしな……。



 しかし、この二人がくっつくと……。


 まあ、それ自体は問題じゃないか? ないな。



「じゃあ、訓練とか任せるので、二人でがんばってください」


「あんまり羽目外さないようにねー?」



 松上少年はさっさと退室していくので、私も後に続く。



「ちょ、ちょっとちょっと!?」


「いーだろ、仲良くしよーや? 悪いようにはしないって」



 あわてる田名くんをケライノはガシッと捕まえる。



「ちょ、当たる当たる!」


「当ててんだよ、タコ」



 アホな会話を聞き流し、私たちはトレーニングルームから去るのだった。









よろしければ、感想や評価ポイント、ブクマをお願いします!

感想は一言でも歓迎!

あなたの応援が励みになります!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ