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175/301

その175、より良い方法と彼女らは言う


 最初の男子避難が完了してから、ヅカテ氏はダイノヘイムに帰っていった。


 これは、松上少年の要望からだ。



「向こうで、魔女党に協力してる連中がいないか、調べてほしい。そして、できれば他種族の協力者を増やしたい――。お願いしますぞ」


「厄介な仕事だな……。だが、まあいいさ。乗りかかった舟だ」



 そして、ヅカテ氏は去り、代わるようにして日本にはベルタエルフたちが訪れ出す。


 彼女たちの支援で男子避難は2弾、3弾も成功させられた。



 テロによる攻撃もあったけど、どうにか防いでいる。


 事件に起こる前に、襲撃計画を潰せることも珍しくなくなった。


 ただまあ、余計なものも蠢動してはいるけれど。



 男子排除のデモは、散発的に全国で起こっていた。


 その対象は男子校だったり、あるいは普通の小学校だったり。


 中には自分からなのか、それとも親に言われたのか、



『劣悪な男の排除をお願いします』



 という横断幕を持った女子小学生がデモをする信じがたい光景もあった。



 メディアでも面白おかしく取り上げていて、ほとんど見世物。


 テレビのコメンテーターもひどいものだった。



<テロから守るためって言いますけどね? 男でしょ? 普通だったら女性の盾になって自ら立ち向かっていくべきなんじゃないですか? 子供のうちからそんな軟弱なことでどうするんですか!? 喝を入れたいね!!>



 と、オッサンのコメンテーターが偉そうなことを言っている。



 また女性のコメンテーターも、



<男子よりも、まずは最優先で女性を保護すべきじゃないでしょうか? なのに女性の避難は行われていないんですよ? これってとんでもない差別、ヘイトでしょう。政府は一刻も早く女性の安全を確保すべきです!>



 魔女党の標的は男なのだが、そんなことはお構いなしのようだ。



 ……みんな、楽しそうだな。色んな意味で。



 また、日本で活動しているベルタエルフに接触する女性団体もあった。


 魔法の技術と共にできた女性……卵子だけで子供を造れる技術。


 それを彼女らに提供したいと言って――



「これであなたたちも女性だけで赤ちゃんを作れます!」


「そんなものはいらない。私は今まで通りのやり方で子孫を作る」


「いや、それが前近代的で閉塞的な考えなんです! もう男から解放される時です! 勇気を出して前に進みましょう!」


「私たちは誰にも支配されていない」


「自分では気づいていないんです! 今にわかります!」


「……あんたらは喧嘩を売りに来たのか?」


「私たちはより良い方法を提示しているんです!」


「もういい、帰れ!」


「帰れなんて無礼でしょう! それじゃあなたたちは裏切り者だ!」


「いつお前らと仲間になった?」


「何です! その態度は!? 私たちがどれだけ苦労して男の支配から抜け出した思っているんです! その努力を侮辱する気ですか!」


「……!」


「――! ――――!!」



 以降聞くに堪えない罵声を吐きまくって、結局団体の女性は警察に連れていかれた。


 最終的には魔法を使って暴れたようだ。



 また、ネットでもベルタエルフに対して差別用語で吠える者が増えたらしい。


 せっかく順調にいっているのに、なんちゅう頭の痛いことだろう。



 松上少年に話しても、疲れた顔で首を振るだけだった。


 まさか、このままテロ賛同者が増えたりせんだろうな……?








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