その16、巨大な蜘蛛に大ピンチ?
雑魚的の他にも中ボス的なやつが?
「******!!」
魔女狩りはすぐに私を敵と判断したらしい。
声をあげ、校舎に撃っていた弾丸を向けてくる。
それをかわしながら、私は近くの一体を蹴り飛ばした。
と、別の一体が飛びかかってくる。
一番最初に蹴飛ばしたヤツだ。
爪が、スーツを切り裂いた……ように思った。
衝撃を受ける。
私はぐらつき、一瞬我に返ったみたいに怖くなる。
でも、それはすぐにどっかに失せてしまい、逆に頭が熱くなった。
頭に血が昇ったというべきだろうか。
そのまま、魔女狩りのとがった嘴みたいな部分をぶん殴る。
バキン!!
そんな、気持ちの良い音と共に砕ける嘴。
砕けた個所からは、シューシューと黒い蒸気みたいなものが噴き出た。
「******……!!」
悶絶する魔女狩りに、私はとどめの一撃。
両腕から飛び出す黒い刃。
一瞬後には、×の字に魔女狩りを切り裂いていた。
バラバラになった魔女狩りは落下しながら、黒い靄となって消えていく。
他の魔女狩りはかかってこない……。
「へへへ……。脅えてやがるぜ、こいつらは……」
古いアニメの真似なんかして、チンピラ口調になってみた。
ある意味自分を誤魔化す手段。
こうやってモードを切り替えなきゃ、やってられないのだ。
と。
――後方。危険。
そんなイメージが浮かび、私は即座に後ろを蹴っていた。
吹っ飛んだのは、別の魔女狩り。
まだいたのか……!?
周囲を警戒すると、他にもわらわら魔女狩りが現れる。
どうやら、すでに校舎内に入っていた連中もいたらしい。
もっと親切なレーダー魔法でもあれば良かったのに……。
そう思っていると、魔女狩りに異変が。
集まった魔女狩りが一か所に集まり、何か変化していく。
巨大な膨れ上がったそれは、飛行能力を失ったのか、地面に落下。
そこにいたのは、巨大な蜘蛛みたいな化け物だった。
うげえ……。虫は苦手なのに……。
私がげんなりしていると、巨大な黒蜘蛛は巨大な顎から糸のようなものを吐き出してくる!
蜘蛛なら、糸はお尻からでしょうが!?
私はあわてて回避。
しかし、糸の弾丸が休まずに飛んでくる。
そして、リズムが狂ったところに命中してしまった……。
たちまち粘着質の糸に動きを封じられてしまう。
やばい!
それと同時に、グラッと一瞬気が遠くなる。
――魔力消費大。長期は危険。
浮かんでくる単語に、私は焦った。
早急に何とかしなきゃ、蜘蛛のおやつにされてしまう……!
こうなりゃ、残った魔力でフルにして決着を……。
そう思った時、再び魔法のイメージが浮かんだ。