その159、訓練を重ねてレベルアップまたアップ
本日は2回目です。
色々試行錯誤して、がんばってみた。けど、結果としては惨敗に終わる……。
私は魔力の使い過ぎでよろけたところをゴーレムに叩き落とされた。
そのまま地面でバウンドして訓練は強制終了。
「基礎力がまだ足らないようだな」
私を住居に運びながら、管理人はそんなことを言っていた。
それから、回復魔法をかけられて、数時間睡眠。
起きて食事をとった後は、また訓練だった。
だんだんと、苦痛にさえ感じなくなっていく。ただ、やることをやってるだけという感じ。
基礎に格闘、それから瞑想。
グルグルとおんなじことばかり繰り返す毎日だった。
そんなことでも、変化は日々生じてくるわけで――
「ふんぬ……!!」
魔力をまとった螺旋状の攻撃。
そいつがぶつかった瞬間、ゴーレムは揺らいで倒れた。
長い間繰り返していると、相手の弱いところもけっこうわかるものらしい。
倒れたところに、魔力弾を撃ち込む。
これも、以前のような散弾・放射型ではない。
狙った個所に一点集中して撃ち続けるのだ。
できるだけ同じ場所を狙い、間断なく撃つ、撃つ、撃つ……!
そうするうちに、わずかだがゴーレムに亀裂が生じた。
思えば、初めて与えたダメージらしいダメージと言える。
だが、そこで、私は吹っ飛ばされて気絶してしまった。
後で撮られていた映像を見ると、ゴーレムの腕がロケットのように飛んできたのだ。
それをまともに喰らい、鼻はグッチャグッチャになった……。
すぐ魔法で元通りに治ったけれど、一撃で気絶して良かったとつくづく思う。
こんなことがあっても、また訓練は続いた。
そして、ある日、ある時。
ビシリ……!
という心地よい音がハッキリと聞こえた。
ゴーレムの表面に、大きなひび割れが走ったのだ。 やった……!
と、思わずガッツポーズをしそうになった瞬間、指からの魔力ビーム。
そいつをかわすと、今度は腕が飛んできた。
安堵していると、かわした腕から――その指から魔力ビームが飛んでくる、くる。
だが、ここで訓練の成果を実感できた。
私は寸前でかわし、ひび割れたゴーレムの表面に爆裂弾をありったけ撃ち込む。
爆発の中でゴーレムは砕け、半壊していった。
ついでに、飛び回る腕のほうも破壊する。
完全にゴーレムが停止したところで、ようやく私は勝利したのだとわかる。
いや、違う。
正確にはその後の食事と睡眠を終えたところで。
それから、また何度もゴーレムと戦ったが、もう負けることがなかった。
「うん。良くなった、良くなった」
格闘訓練で私をいなしながら、管理人は本気かどうかもわからない賛辞。
まあ、確かに前よりは動きを把握できるようになり、気絶する回数も減った。
ゴーレム以外にも色んなモンスターと戦う。そりゃもう、ゴチャゴチャ色々と。
ある時は集団戦。ある時は巨大な怪獣みたいなやつ。
数で負けたり、体格で圧倒されること数限りなし。
それでも、基礎を重ねて魔力をよくうまく操れるようになっていくごとに、勝った。
「地球時間にして、2年ほど経ったね」
いつもの訓練。私の放った拳を受け止めて、管理人は言った。
「まあ、時間は関係ないけど、程よくレベルアップしたようだし、もういいんでないの?」
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