表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/301

その158、戦闘訓練の時間

今日は朝に投稿です。






「この野郎おおおおおおおおおおおおお!!!」



 私は魔力を全開にして、管理人に殴りかかっていた。


 全身の魔力を腕に一点集中――以前なら後でえらいことになっていたろう……。


 それが、今ですっかり慣れた。使えると便利な極点集中攻撃。



 なのだけど。



「はい、無駄に力まない。動きが雑、無駄が多いので疲れる」



 管理人には軽くかわされ、横から蹴飛ばされた。



 殴りかかったから、すでに横にいた、みたいな?


 これがワープ魔法ではなく、すばやく動いただけだという……。



 吹っ飛ばされて大の字になりながら、私は雑多に思考する。



 蹴られた衝撃ダメージは強く、しばらく起き上がれない。


 これでもマシになったほうで、最初は回復魔法をかけられて、一日寝ていたことも。



 管理人相手の組手?……は、とにかくしんどい。


 何しろ型も何もないし、投げ飛ばし、蹴飛ばし、首絞め、何でもあり。


 まあ、実戦じゃ確かに型とかないけどさ。モンスター相手には意味ないし。



「うん。けっこうレベル上がってきましたなあ」



 組んだ手を後ろに回しながら、管理人はのほほんと言う。



「……おほめに預かり、光栄ですわね。ホホホ……」



 私は倒れたまま、漫画のお嬢様みたいに笑った。 


 まあ、現実の私もお嬢様だけど。一応。



「ちょうど区切りもいい、次からモンスター相手の訓練もやりますかね」



 と、管理人は言った。



「モンスターね……」



 起き上がりながら、私は応える。



「そう。色々と経験済みでしょうが、ここでも色々やっておくといいぞ?」


「まあ……」


「特に、苦手な部分の克服とかね」



 と、まあそういうことになったわけだが。



 だが。だが。



「……なんじゃ、こりゃ」



 私は痛む拳を抑えながら、目の前の相手を睨んだ。意味ないけど。



 相手だといって、管理人が魔法陣から出してきたのは、5メートルくらいのゴーレム。


 ファンタジーRPGでお馴染みのアレ。


 ゴツゴツとした、大昔の悪役ロボットみたいな姿のそいつは……。



 とにかく、頑丈で重たい。



 魔力弾も意味がなく、爆裂弾も効果なし。魔力を伴っての打撃も効かなかった。


 つまり、何をしてもダメな相手なのである。



「本気でまいったね、これ……」



 その場に立ち尽くすゴーレムは、いきなり開いた手をこちらに向けてくる。



 魔力を探知――!?



 なんだ……!?



 と、人間と同じ五本の指先から、魔力の帯がほとばしった……!


 ほとんどロボットアニメのビーム攻撃ではないか。



 私はかわしながら、相手の足を中心に魔力弾を撃ちまくる。


 でかくて重い相手は足元が弱点……ってね。


 効果はアリで、ゴーレムはグラグラ揺れていく。



 おうし、と思っていると、



「うぎゃああああああああ!?」



 思わず、尻尾を踏まれた猫みたいな悲鳴を出してしまう。 


 油断していると、魔力ビームを喰らうわけか。……ギリギリかわしたけど。


 で。魔力弾も牽制する気じゃ意味ないのに気づく。ぶっ壊すつもりじゃないと……。







よろしければ、感想や評価ポイント、ブクマをお願いします!

感想は一言でも歓迎!

あなたの応援が励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ