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その144、話が通じない


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 正直、こんなところでグズグズしていたくない。


 だいぶ減らしたけれど、まだまだ他にもモンスターはいるのだ。



「仕方ないか――」



 私は今まで温存していた鳥型ツールを呼び出した。


 蔦の攻撃も、毒針も、金属の肌には通用しない。



 鳥型が魔弾を撃ちながら突っ込んでいくと、乗っていた蜂仮面は転がり落ちた。


 さすがに地面に落下することなく、空中で踏みとどまるが。



 だが、私としてはそのまま見逃すつもりはなかった。



「は!」



 隙を見せた蜂仮面を蹴り飛ばし、合成怪物から引き離す。


 主が離れると、怪物の動きは精彩を欠くものになった。


 乗っかっていたのは、離れると操作に支障をきたすからか。


 あるいは、魔力の補充ができなくなるのかもしれない。



「き、貴様!!」



 転がるように地面に降り立った蜂仮面は、ヨロヨロしながらサーベルを抜いた。


 私も、手足の装甲を強化して着陸する。


 何となく妙な気分だが、できるだけ早く気絶ぐらいはしてもらおう。



 蜂仮面はブンと刃を振るって魔力の刃を飛ばしてきた。


 切れ味は良いようだ。


 だが、その分破壊力に欠ける……というか、硬いものを斬るのが苦手みたい。



 私は攻撃を装甲で受け止め、あるいは受け流し、距離を縮める。



「おとなしくしろ!」


「誰が!」



 一応言ってみるが、反発されただけだった。まあ、仕方ないところか。


 そのまま、もつれるように格闘戦になってしまう。



 蜂仮面の斬撃は魔法で強化された私にはそう脅威ではなかった。


 幾度か戦ってわかってみたが、こいつはあまり実戦経験がないのかもしれない。



 というか、元々現場に向かうタイプではなかったのか。


 後方で指示を出すことばかりしていたのかな?



 それでも、一応元・警官だけあって格闘や剣道は堂に入ったものだった。


 素の状態ならどうなっていたかわからない。



 でも、魔女狩りをはじめモンスター相手の修羅場と比較すれば……。


 やはり怖い相手ではなかった。


 ただ、殺さないように気を使わなければならないのが面倒だ。



 しばらくすると、相手の息が上がり出したのがわかった。


 スタミナはあまりないらしい。



「これまでだな。投降しろ」


「だ、黙れ!!」



 蜂仮面はマスクをしていてもわかるほど、表情を歪めて叫んだ。



「貴様が……貴様らがあああああああああ!!」



 サーベルに魔力を集中させて、無茶苦茶に切り込んでくる。


 間合いも呼吸もあったものじゃない。



 真正面から打ち下ろしてきたサーベルを横へかわし、私は蹴りこんだ。


 脇腹を強打され、蜂仮面は横にすっ飛んでいく。



 そのまま、近くの電柱にぶち当たり、声もなく悶絶した。


 ああ、ホント話の通じない相手というのは……。疲れる。



 少しため息を吐いていると、



<目標撃破。残骸を分析中――>



 上空で合成怪物を倒した鳥型ツールから報告が来る。


 見ると、ボトボト地面に怪物の破片が落下して、道を汚していた。



 本当に……色んな意味で、迷惑だよなあ。







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