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141/301

その141、怪物キマイラ



 私が最初に選んだ相手は、キマイラだった。


 対峙してみると、かなりでかい。



 ライオン、ヤギ、ドラゴンの3つの首に、その特徴を併せ持つ胴体。


 幸いなのは翼を持たないために、飛行能力がないことだろう。


 個体とか種類によっては有翼のやつもいるらしいが……。それはどうでも良い。



 内在する魔力はかなり濃い。けっこう面倒だな。


 と、思っていると、いきなり火炎のブレスを吐いてきた。


 私は障壁を展開しながらギリギリでかわす。


 放置しとけば、たちまち火災を引き起こすからな。速攻で対処せねば。



<魔力展開。集中、散弾>



 私は上空から資格を狙って、魔力弾を撃ちまくる。


 だが、3つの首を持つ怪物はなかなかどうして隙が無い。


 それでも細かく撃つ魔力弾に翻弄され、やたらに吠えようとする。



 もっとも。



 相手を委縮させる咆哮も、こっちにとってはチャンスだ。


 あるいは、ブレスを吐こうとしたのだろうか?


 ドラゴンの口が開いたところに――



<魔力集中。爆裂>



 新技の爆裂弾を打ち込んでやった。


 魔力弾を素直に飲み込み、一瞬怪物はキョトンとするが、すぐさま悲鳴をあげる。


 いや、体内で弾が爆発したのだ。



 ギリシャ神話では、ブレスの時に鉛の塊を放り込まれて殺されたという。


 地球の神話が、異世界の怪物にどこまで通じるかは知らない。



 けど、効果はあった。



 2度目だし、警戒するかと思ったが、ライオンの首にも同じ戦法が通じる。


 最後のヤギの首も同じだった。


 もしかして、そういう習性のようなものがあるのだろうか?


 資料には、喉の奥が急所だとはあったが……。



 咳き込んで悶える怪物を、私はまたも散弾で撃った。


 これはとどめというよりも、挑発するためのもの。



 案の定、怪物はまたもカッと口を開いた。


 そこを狙って、



<魔力集中。長槍ロングランス



 高濃度の魔力で構成した長槍を振りかざし、思い切り投擲した。


 文字通り串刺しとなって、怪物は道路に縫いつけられる。



 これで即座には動けない。



<魔力集中、圧縮。圧縮。圧縮。強化――開放>



「でいやああああああああああああああああ!!!」


 ストレスを吐き出すように、私は魔力でフルブーストしながらキックを叩きこんだ。


 そのまま怪物の体をえぐり、大きな穴をあけて反対側まで飛び出す。



 振り返ると、キマイラは半分吹っ飛んだ姿でドウッと倒れこむ。



<まずはキマイラを仕留めました。後処理よろしく!>



 今までなら、これで終わり。帰投できるのだが、今回はそうはいかない。


 私はそのまま飛行して、探知魔法を使い周辺をさぐる。



<魔力反応。複数発見>



 見ると、空中を数羽の鳥みたいなものが飛び交っている。


 ヘルメット内で拡大表示すると、鶴……というか古代の翼竜みたいな牙のある鳥。



 通称・ステュムパリデスの怪鳥。


 これもギリシャ神話に出てくるモンスターだ。


 強靭な詰めや嘴を持ち、さらには毒性の糞便をまき散らすという嫌な相手だ。



 だが、さほど耐久性はないとデータにはある。なら、すぐさま片づけるまで……!!









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