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135/301

その135、そして混沌はやってくる

このところ体調不良気味でした……。






「やってくれましたねえ……」


「やってくれたわ……」



 私と松上少年は頭を突き合わせて考え込んでいた。



「まさか、ここまで思い切ったことをするとはねえ……」


「魔女党はかなりの数が逮捕されたんでしょ。中枢部はほぼ全滅のはず……」


「ええ、でも末端党員はまだ水面下で活動し続けているようです」


「なんでそんな……」


「まあだいぶ社会的地位は失墜したようですが、犯罪に関わってなかった人間も多いですし」


「はあ……」


「ナチスの残党狩りみたいにはいきませんよ」



 経過を調べてみると、結構な数の人間がまだ魔女党を支持しているようだった。


 まあ、魔女党は女性にはかなり優遇政策を取っていたからな。



 ただし、それは無理があったもののようで。


 魔女党が裏でメチャクチャをしていたのも、優遇を維持するためでもあったらしい。



『女性に優しい進んだ社会!』



 が、スローガンであったかな。



 もっとも、女同士といっても所詮は欲のある人間同士のことだ。


 かなり内ゲバを繰り返していたらしい。



 だから、長い目で見てみると魔女党の政策は色々迷走しているところが多かった。


 じゃあ、現在の与党がマシかというと、まあ、マシではある。



 ウンコ味のウンコと、ウンコ味のカレーくらいの差だろうか。


 少なくとも、後者は一応食べ物ではあるのだから。



 警察などもかなり警戒しているが、なかなか進展していない。



「何しろ、民間協力者がいるあちこちいる状態ですから」



 こないだ、男子校に出たオウルベアにしても……。


 どうやら手引きしたのは、女性教師であったあらしい。



「抑圧された女性たちの解放のため!」



 と、犯人は警察で叫んでいるらしいが――



 調べてみると、前政権時は好き勝手をやって左遷されたヤツだった。



「今の政権はおかしい!」


「女性の権利が侵害されている!」



 とネットで吠えている声も多いけど。



 今までがほぼ放置状態だったのから、しょうがない。



 というか、アホみたいな優遇を取り消そうとしている段階でしかないのに。


 ヤタガラスも隊員の動向を探らないといけないだろう。



 下手をすると、工作員が紛れ込んでいるかもしれない。


 てなことを考えていたら……。



<報告。近隣に召喚型魔法陣発生――>



 いきなり嫌なニュースが飛んできたのだった。


 確認すると、何と我が母校の近くで大型のモンスターが出現。



「っていうか、この場所……」


「あ。田中さんの学校ですな」



 何と、田中くんとこの高校……その校庭に魔法陣が発生して、モンスターが出たようだ。


 灰色をした巨体の、3つの首を持つ獰悪な顔つきの犬。



「ケルベロスか……」



 割と有名どころのモンスターだ。


 ギリシャ神話ではヘラクレスの難業に登場する、地獄の番犬である。


 3つの首から瘴気を吐き、蛇の尾をくねらせながら、ケルベロスは闊歩している。



「近所だし……いかなきゃならんか……」



 私が久しぶりにワンドを出した時だった。


 黒い影が、ケルベロスの巨体を殴り飛ばす――スーツとヘルメットの、田中くんだ!







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