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129/301

その129、もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな?

寒くなってから体調不良気味です。

皆様もご自愛のほどを。



「ふう……」



 低空で飛びながら、私は呼吸を整える。


 そうこうしているうちに、トカゲ型魔女狩りが見えてきた。


 地響きというべきか、足音というべきか。それとも鼓動?


 馬鹿でかい魔力が波動になって響いてくるようだ。



 こりゃきつい。



 実物に対すると、いよいよその強大さがわかる。


 あのブレスがなくっても、歩くだけで恐ろしい被害を出す怪物だ。



<八郎くん、大丈夫?>


<ええ、でかいですね>



 通信を送ると、硬い声だが比較的落ちついた様子で八郎くんは応えた。


 目を離すわけにはいかない。



 仮に失敗したとしても、この子を死なすわけにはいかないのだ。


 稀有な人材であり、それをのけてもまだ14、5歳の子供である。


 精神年齢はええ年こいたオバンのせいで死なせてはならぬ。



 私は舌を飛ぶ鳥型ツールの情報を確認しながら、息を吐いた。


 低燃費モードなら、けっこうな時間を活動できるのはありがたい。



<では、いよいよ敵の範囲内に入ります。各自用意を――>



 松上少年からの通信。



<八郎くん、教えた通りシールドを張ってください>


<了解……!>



 魔女狩りを前にして、八郎くんは指示通り魔法障壁シールドを展開させた。


 円盤型のシールドは見る間に巨大化していき、直径20メートル超えとなる。


 私なら、数分維持できるかわからないような代物だ。



 だが、八郎くんのバイタルは正常だった。


 魔力数値は安定し、強靭なシールドを苦も無く維持している。



<シールド展開後、魔力弾用意!>


<了解した!>



 指示が飛ぶと、円形シールドの周囲に、丸い光が円陣となって囲んでいく。


 一つ一つが魔力の砲弾だ。



<射撃用意……発射!!>



 号令と共に、魔女狩りの無防備な背中に、魔力弾が雨となって降り注いだ。


 叫び声があがり、肉や魔力が飛び散り、黒い蒸気と化して舞う。



 これは、案外簡単にいく……?!



 だが、そうはならなかった。



 魔女狩りは撃たれながらもぐいっと首を持ち上げ、私たちを睨む。


 瞳のない真っ黒な目が、不気味に輝いた。



 そして、いきなり巨大な顎から球形のブレスが飛ぶ。


 私は魔力の波に吹き飛ばされそうになりながらも、どうにか耐えた。



 ブレスは、まともに八郎くんのシールドにぶち当たる。


 魔力の爆発が起こった。


 私はシールドを多重展開させ、さらに鳥型ツールを盾にして爆風を防ぐ。



<黒羽さん、僕の後ろに!>



 八郎くんが張りのある声で通信してきたので、それに従った。


 続いて第2のブレスが来るが、それも八郎くんのシールドが防ぐ。


 八郎くんの後ろにいると、衝撃も爆風も全くこなかった。



<すごいな……>



 私は感嘆するしかなかった。


 というか、これ八郎くんだけでいいんじゃないかな?


 私の出番は全くないようだ。



 続いてくる第3・第4のブレスも全て防ぎ切り、八郎くんは再び魔弾の用意をした。







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