その113、馬鹿同士は勝手にしろ
昨晩、寝落ちして更新忘れました……。スミマセン。
<緊急速報――>
話の途中、いきなりまた呼び出し音みたいな音。
そして、松上少年の前にウィンドウが開かれた。
<魔法使い同士の戦闘です>
機械音は無感動にそう告げてきた。
「なにごとなの?」
「喧嘩のようです」
「けんかぁ?」
映る映像は、黒いスーツとエロアーマーが戦っているアレなものだった。
<ひゃっはっはっは!! お前気にいったよ!!>
<こっちは気にいらねーー!!!>
鉄球を振り回すのはアマゾネスのケライノだ。
で、戦っている相手は……。
「田中くん……!?」
「の、ようですなあ」
「若いアマゾネスか。こりゃあ面倒ごとだ」
横から覗くヅカテ氏は呆れたような困った顔。
「何で、こんなことになっちゃってるわけ?」
「どうやら魔女狩りを駆除した後、いきなり戦闘を仕掛けられたようです」
「だから、なんで?」
「よくわからんですが、抱くとか抱かないとか、結婚とか婿とか叫んでますね、彼女」
と、松上少年は興味なさそうに画面を指す。
「……若いアマゾネスは、自分の結婚相手を積極的に探す。その対象は強い男……というのはまあ有名な話だな」
自分の首を撫でながら、ヅカテ氏はため息みたいな声。
「強い男ねえ……」
まあ、確かに田中くんは強いようだ。
理不尽な暴力を振るうケライノ相手に、互角以上に勝負している。
でも、見た感じそれが余計にケライノをエキサイトさせてるようだ。
「周りは何してんの?」
「みんな離れて見てるだけですね。あ、避難指示はしてるのか」
「止める気はないと?」
「下手に巻き添えは喰いたくないでしょうしねえ」
画面が変わり、ヤタガラス装備の警備員や魔法少女の姿が映る。
「ついでに言うと、今応戦している仮面の彼が、候補生の一人です」
松上少年は田中くんをアップにして、ヅカテ氏を見た。
「粗削りだなあ。魔法使いというよりは戦士向きだね、こりゃ」
「モンスター対策には有用な人材だと思います」
「そりゃ同感。補助や強化の魔法を集中的に教えたら成長するだろうね」
「感想は結構ですが、いい加減に止めないとまずいんじゃありません?」
私はかなり気がかりである。
こんなことで、しょうもないことになったら目も当てられん。
「ですが、そろそろ決着つきそうですよ」
「なんと?」
言われてみれば、戦いはいつしか正面から殴り合いになっていた。
少年漫画か!?
田名君はスーツの装甲もヘルメットもボロボロだ。
ヘルメットにいたってはすっかりひび割れて、半分顔がのぞいている。
ケライノも全身痣だらけで鼻血を出していた。
やがて田中くんはヘルメットを脱ぎ捨てて突貫。それにケライノも応じる。
何か、もう勝手にすれば……?
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