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105/301

その105、プロペラとカブトムシ

前から考えていたアイテムがやっと登場できました。




<ジンさん、今のうちに逃げて――>



 カブトムシ仮面は魔法通信で話しかけてきた。


 聞き覚えのある声……。


 まさか、ひょっとして、これは。



<田中くん?>


<いかにも>



 応えながら、カブトムシ仮面はその全身で警察の攻撃を受け切っている。


 だが、まるで堪えた様子はない。恐ろしいほどの防御力だ。



<わかった……。今は任せるわ>


<了解!!>



 ともかく。



 私はその場を田中くんに任せ、秘密基地に逃げ込んだ。


 息をつきながら、まずは佐藤を降ろす。


 佐藤の顔は、いつの間にか普通のものに戻っていた。


 ただ、魔力は微弱になっている。心臓の音もだ。



<生命反応あり。魔力反応低下中――>



 一応、すぐに起きて暴れることはなさそうだが……。


 しかしまあ、念のため。


 私は魔法で佐藤を拘束してから、回復魔法に専念した。



 それにしても、まったく。こんな目にあうとはな……。


 今すぐにシャワーでも浴びて眠りたい。



 だが、そういうわけにもいなかった。



<映像接続――>



 今現場はどうなっているのか。



 確認してみると、田中くんが盾となって魔導警官の相手をしている。


 魔弾も、格闘も、何も受け付けずに大暴れ。


 飛びかかる警官をちぎっては投げ、ちぎっては投げ、である。



 とにかく、何をされても平気の平左だ。


 やがて、警官を統率している蜂仮面がサーベルを振るって飛びかかった。


 それを腕の装甲で受け止める田中くん。



 あ、折れた。



 魔力で強化されているはずの武器も、あっさり破損させるとは。


 硬さがすごいのか、向こうがへぼいのか。それとも両方か。



 やがて、警官たちは後退し始めた頃だった。


 何やら、秘密基地の格納庫で大きな音が。



 走っていくと、格納から黒い飛行機のようなものが飛び出してくる。


 っていうか……マジでプロペラ機?!



 大昔の零戦みたいな戦闘機が、勢いよく発進していくのだった。


 機体には、金色のカブトムシマークが光っている。



 そして、入り口を通って外へと飛び出す。



 カブトムシの、プロペラ機……ね。はははは。



 現場に飛び込んだプロペラ機は機銃を合成獣に撃ちまくる。


 これも魔弾で、威力は鳥型とのそう変わらないようだ。


 だが、そろそろ鳥型ツールは燃料切れだな……。



<鳥型ツール、活動限界まで残り1分――>



 ほら、きた。



 結局入れ替わるような形になってしまったな。



 プロペラ機は旋回しながら合成獣を攻撃、翻弄する。


 合成獣は主がダウンしているせいか、ただ闇雲に暴れまわっていた。


 蟹型のレーザーを喰らっても、しつこく毒霧を吐いている。



 ああ、もう公園はグッチャグチャだよ……。







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