その104、タイムオーバーか?
今後の展開に色々困ること多しです。
そして、ついに佐藤は頭から倒れた。
顔面を地面へ叩きつけるように崩れ、動かない。
<生命反応あり。魔力微弱――……>
どうやら、燃料切れらしかった。
生きるか死ぬかはわからないが、少なくともすぐには立ち上がれまい。
振り返ると、鳥型ツールと蟹型は互いに連携しながら合成獣を追い込んでいた。
防御は基本松上少年が専念し、ツールたちを守っている。
あの攻撃を防ぐには、かなりの高いレベル魔法、大きな魔力を使うはず。
私には無理な相談だった。
もう一度佐藤を確認してから、私は傷を押さえて歩き出す。
飛行するのは少々堪えた。今はできるだけ、回復に魔力を使いたい。
専門ではないため、ゲームのようにすぐに回復とはいかないが……。
それでも、痛みを緩和したり出血を抑えることはできる。
松上少年に加勢したいが、回復するまではまだ時間がかかりそうだ。
少しを膝をつき、休憩をとるしかなかった。
<魔力反応複数確認。接近中――>
だが、回復の途中で探知に引っかかるものが。
<視界拡大――>
装甲車のような飛行パトカーが近づいてくる。
数はそれほど多くないけど……。
どうやら、少し時間をかけすぎたか――
<松上くん。警察が来る>
<まいったな……。撤退できるようにしておくので、あなたは先に逃げてください>
<そうしたいところだけど……>
私はチラッと倒れている佐藤を見た。
このまま、放置しておくのは憚られる。
警察に捕まったら、どういう利用のされ方をするかわかったもんじゃあない。
<接近中、接近中――>
ヘルメット内部にアラームが鳴っている。
やむを得ないか。
私は佐藤を担ぎ上げ、秘密基地への入り口を開く。
……開こうとするが、魔力消費が大きかったらしい。
視界がくらみ、うまく魔法を使えなかった。本格的にまずいな……。
<魔力弾確認。警報、警報――>
どうやら来てしまったようだ。しかも発砲……。
私は気力を振り絞って、もう一度挑戦。
開いた。
だが、急激に足から力が抜けていく。
佐藤を担いだまま、私は膝をついてしまった。
まずい!! これは、本気でやばい……!!
魔力弾が来るのを感じる。防がないと。しかし、意識が。
私は、被弾を覚悟するしかなかった。
が。
予想していた時間を過ぎても、弾は当たらなかった。
気づけば、私の前に誰か立っている。
誰?
黒い人影が壁のように私の前に立ちはだかって、盾となっていた。
いや、ホント誰???
松上少年……ではない。
黒い、装甲で覆われたライダースーツの服。
松上少年のものに似たフルヘルメットのマスクには、カブトムシのマークが。
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