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第17話

リアルが忙しすぎて更新がぁぁ


週1ペースででも兎に角がんばるぞい!!

「〜♪♪♪ 昼ドラなんて観るの何年ぶりだろうな」


時刻は13:20


テレビのチャンネルを変えながら、目についたのは、いわゆる昼ドラというやつだ


「しっかし、平日の昼間に家に居るなんて案外暇すぎて死にそうだ」


お前学生でしょ?学校は?思われるだろう


ただ残念なことに、青峰幸真は現在、謹慎処分につき自宅で慎ましく猛省の日々を過ごしております… なお現在3日目の模様


というのは表向きの発言で、謹慎といえど実際は2週間学校が休みになっただけである


要するに痛くも痒くも無いのだ


家族には、あの現場であった本当のことを話して事の顛末を理解してもらったから、家にいて気まずいなんてことはない


だから平日の昼間から家でダラダラできるだけの期間になってしまった


昨日までは父がいたけど、もう有給が終わるからと言って、今日からまた仕事に飛び立ったようだ


妹はもちろん学校で、家に話し相手もいないから、暇を持て余していた


散歩に行こうと思ったが、自宅謹慎である以上ルールに反すると思い、断念


することも無いのでテレビを見ていた



…のに全く集中できない


謹慎3日目になっても俺の頭からアリサのことが離れることはなかった


恋愛か?と思われるかもしれないが、そういうわけではないようだ


多分何も言わずに目の前から去ったことが心残りだったのだろうと思う


それから、朝通学をする約束も守れなかったことも1つある


アイツにとっては大したことじゃ無いのかもしれないけど、小さい約束でも守っていくのが俺のやり方だ


あと、学園生活だってアリサ1人で大丈夫なのかと不安でしょうがない


アイツのことだから、うっかり日本語喋んないといいけど…


「…って俺はアイツの親かよ」


俺は1人で軽く噴き出してしまった


今日は図書室で1人で漢字ドリルでもやるのだろうか


部活は結局どうするんだろうか


アリサのことが絶えず頭に湧いては消えていく毎日だ


「はぁ… 消そ」


期待外れのつまらない昼ドラを見るのをやめ、ソファに横になる


心を無にするために目を瞑り、今朝見た夢を思い出す


あの夢の続きだった


暗闇の中で少女はやはり泣いていた


孤独で、ただ泣くだけ


俺は、ただ泣くだけの少女に疑問を持つことは無かった


そして一つ、今朝の夢には決定的な変化があった


それは俺も少女になっていたということだ


いやいや、妄想とかじゃなくて夢の中だからね?


別に俺が女子小学生になりたい願望があるわけじゃないからな!!


…話を戻すが、俺は夢の中で少女の姿で立ち尽くすことしかしていなかった


していなかったというより、そうすることしか出来ずにいた


だって夢は見るものだから


見る以上のことは出来ない


ただ泣いてる少女だってそうだ


ただ泣いている夢を見ているなら、それを見ることしかできない


だけどこれが現実なら?と考えたんだ


現実で人間は、意志を持って動く


能動者も受動者も意志を持ってそれを為す


傍観者だって意志を持って傍観する


夢と現実の違いは意志の有無だ


夢は現実の意志で変えていけばいい


向こうならこの夢以上のことができるはずだ


『そう 現実なら… …きっと…ね』


誰?


どこかで声がしたような気がしたが、俺の意識は深い闇に閉じ込められたままだった


返事もしないまま、俺は深い眠りについていた


-----------


〈ピーンポーン〉


いつのまにか寝ていた俺が目を覚ました原因はインターフォンの音だ


今朝の夢を遡っていたら寝ていたらしい


「こんな時間に配達物あったっけ…?」


もう17時を過ぎていた 雪奈か?


でも雪奈なら鍵を持ってるはずだ


眠い目をこすりながら、モニターを見るとアイツがそこにいた


「はーい… はいぃぃぃぃ??」


なんでなの?


てかどうやってここを突き止めた?


てか何しにきた??


さまざまな疑問が頭の中を交差する


『あの… 青峰さんの家でよろしいでしょうか…?』


青峰さん!? よろしいでしょうかァ!?


言葉遣いが、俺に対するソレではない


アイツ、俺だとわかってないのか?


だが、その可能性はある


機械越しの声とリアルの声が違うのはよくある話だ


「あぁ… とりあえず開けにいく 待ってろ」


『はい ありがとうございま… じゃなかった 早くしなさい』


どうやら俺だと気付いたようだ


だけど様子とイントネーションが変だぞ


〈ガチャ〉


腑に落ちないなにかを抱えながら玄関を開けると、アリサのようなアリサがいた


「よう…」


なんとも言えない挨拶を送った


父の時もそうだったが、もっと気の利いた挨拶ができるようになりたいものだ


聞きたいことは山ほどあるが、それはお互い様だろうから、今は留めておく


アリサのようなアリサは、不満げな様子もなく、澄まし顔でこう言った


「あっ えっと… お、お邪魔するわ」


やっぱりなにか引っかかる


遅い!とか色々言ってくるところじゃないのか


「あぁ… ほら、上がりな」


ひとまずリビングへ案内する


「この前は…ありがとうね 大丈夫なの?」


「俺は平気さ、礼には及ばねえよ あれから大丈夫なのか?」


「まあいつも通りね あ、陽平くん心配してた」


「そっか あいつに後でLINEしとかなきゃな 」


アリサに対する違和感は拭えないまま、話を進める


「あとこれ…」


それから手に出されていたのは、アイスの代金だった


「いや、いいよそんな」


奢った金だから、受け取る気は無かったが


「そう、じゃあ今度別の形でお返しするわね」


と、あっけなく受け入れられた


こいつこんな簡単に引き下がるタイプか?とも思ったが思い過ごしだろうと思いスルーする


それからしばらく近況を報告していると


「ねえ」


アリサが問いかけてきた


「…?」


いつもと雰囲気の違うアリサは、冷静で落ち着いた瞳でこちらを覗いている


「…やっぱりなんでもない… 忘れて」


「え……」


なんだ今の間は


俺は今のアリサが、普段のアリサとは別人のような気がしてならなかった


なぜなら会話のテンションが至ってシンプルで、口調も落ち着いており、いつもの毒舌も無かったからだ


日による気分の差である可能性も否定できないので、あなた誰ですか?二重人格?なんて聞けず、神に縋るように心の中で唱えるしか出来なかった


神様仏様今すぐ教えてください、と


日本語ペラペラ美少女留学生アリサの皮を被ったこの人は一体絶対誰なのかを

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