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第15話



「屈伸!いっちにーさんし!いっちにーさんしー!」


現在、水泳部の部活動見学に来ている俺とアリサは入水前の準備運動をしていた


プールでいきなり足がつったりしないように、入念に筋肉をほぐしておく必要がある

(命に関わる大事なことなので皆さんも準備運動は欠かさずに)


「よし、それじゃあウォームアップに100mタイム測るよ!」


準備運動が終わると水泳部員が指示を出してきた


言われた通りに俺はスタート台に立つ


「100m、つまり2往復か… うーむ」


この時の俺にはある魂胆があった


別に水泳部のエースを目指して見学にきたわけじゃないのだが、どうせなら1年坊主に2年生帰宅部の凄さを見せてやろうと思っていた


…というのは建前で、真の狙いはサクッとタイム1位を勝ち取ってアリサからアドバンテージを取りたかっただけである


水泳では俺が上だということを証明して卓球で負けた分のハーゲン●ッツを奢らせてやるんだ


「じゃあまずは男子5人から 位置について…よーい どん」


アイスとプライドをかけて全力で泳いだ


のだが……




結果は3位と目標から大きくズレてしまった


しかも2位とはかなりのタイム差がついていた模様


というか2往復ってこんなにキツイんですか!?


50mの時点でもう体力の8割が無くなっていた気がする


何が、2年生帰宅部の凄さを見せつけるだよ…

見せつけたのは平凡さ、否、みっともなさじゃないか


ビリでは無かったが、ろくなタイムが出てないんじゃ話にならない


「Well well… Good job for you hahaha[まぁまぁ アンタにしては良くやったわアハハハ]」


プールサイドに上がると、予想通りといった顔でアリサが小馬鹿にしてきた


このロリ巨乳をなんとかして負かしたい


俺はアリサのタイムが俺より遅い可能性を捨てていなかったので


「Then can you go under my time?[じゃあアリサは俺のタイムを切れるのか?]」


と、勢い余って勝負をふっかけてしまった


のちに冷静さを欠いた挑戦を後悔することになるのは言わずともわかるだろう


アリサの泳ぎは、例えるならマーメイドのように美しかった


上手な競泳選手は波や泡をあまり立てずに綺麗に泳ぐことが出来ると聞いたことがあったが、まさに目の前でそれが起こっている


俺を含めた他の見学者や水泳部員もアリサの泳ぎに夢中だった


そして残り25mになったところで、一気に速度を増していくマーメイド


結果として海の美女マーメイドに勝てる生徒はおらず、女子の中ではアリサが1位だった


もちろんタイムは俺より速かった


「ははっ 完敗だよ」


思わず1人でそう呟いてしまった


まあ自分の泳ぎと比べたら負けを認めざるを得ない


アリサはゴーグルとキャップを外して、長い金髪に水を滴らせながらこちらを勝ち誇った顔で見てきた


水の水滴1つ1つが光の反射で煌めいていて綺麗だ


称賛を込めてグッドサインを送ったが、すでにアリサはこちらを見てなかった


めっちゃ恥ずッ!!!

誰も見てなかったことを祈ろう


そんなこんなで、全員のアップが終わったところで次の指示が入った


「よし、毎年恒例の水球をやるぞ〜」


どうやら水泳部では、部活動見学の際は毎年水球をやるのが伝統らしい


チームはクジ引きで決めるようだ


「俺は赤チームで… そっちは?」


「ブルーね」


俺とアリサは、別々のチームになった


「3位のお荷物が1人減って楽だわ」


言ってくれるじゃねえかと思い


「その発言後悔するぞ 勝負だ!負けねえからな」


と、堂々勝利宣言をした


今回は俺個人の力だけじゃないからな、ワンチャンあるかもしれない


それにアリサには言語の壁があるからチームプレイは機能しない筈だ


しかしその宣言を、後悔することになるのは(以下略)


試合は予想外の展開となった


青チームはアリサにボールを回しまくって点を稼ぐ作戦で挑んできたが、これが厄介なのだ


アリサがシュートを打とうとするたびに、彼女の胸が強調されてしまい、視線誘導でボールがどこにあるのかわからなくなる


あと、純粋にアリサが上手なのでGKに女子を置いても普通に決められてしまう


だがシュートを打たれる前に止めようとしても、マーメイドのよう巧みにすり抜けていくので止められない


不運なことに男子が殆どだった赤チームは守備が機能していなかった


逆に機能しないと思っていた青チームのチームプレイは完璧だったわけで…


結果は青チームの圧勝で終わったのだった


--------------


「…で なんで2個買えと?」


見学の帰りにアリサは、勝負で勝ったからアイスを買えと申し出てきた


それはいいんだけど、なぜか2個に増えているのだ


「決まってるでしょ 競泳と水球で2個」


指で2をこちらに示すアリサ

お前バカなのかみたいな顔でこっちを見ている


そういうことか

水球は個人技じゃないのでカウントしてなかった


だが、両方ともまごうことなき敗北を喫したので従うことにする


「アンタもバカよね 下手に挑発にのって勝負なんか挑むからこうなるのよ」


痛いところを突いてくるなコイツ


だから俺も突いてやることにした


「アイス欲しさに素直に勝負を挑めないアリサに変わって挑んでやってんだよ」


前回は初回の流れでアイスを要求できたのだろうけど、2回目以降に「アイスをかけて勝負なさい」なんて言えるキャラじゃないでしょこの人


「はっ!? 何言ってんのよ、アイスはあくまで副産物でしかないわ… そう、副産物!私は全てのスポーツでアンタに勝る証明をしないといけないのよ」


割と図星だったみたいだ


そういや全てのスポーツで勝るとか言ってたな


これで3種目が終わったわけだが、先はまだ長そうだぞ


だが、残念だったなアリサ


「アリサ、世の中には俺に絶対勝てないスポーツが存在する」


「……負け犬の遠吠えは聞きたくないわ さっさと買ってきてよ」


なんのスポーツか気になるようだったが、アイスが待てないご様子だ


「へいへい、待ってな」


俺はコンビニにハーゲン●ッツを買いにいった

短い上に低クオですみません


更新頻度は大切かと思った次第です

早く体調とスランプ直します


せめて次話はもうちょい長いやつ書きたいな

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