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第13話

昨日1/23、ジャンル別日間ランキング12位に載ってました

今日は更新をお休みする予定でしたが

嬉しかったので書きました


ではお楽しみください

今日の朝はいつもと違い、父に見送られて家を出た


毎度の如く満員電車に揺られて通学し

午前の授業を終えて今は昼休みだ


なんでこの前のようにアリサと通学しないのかって?


何故なら俺はあくまでサポート役であり、アイツの付き人ではない


通学までサポートしてたら正直、迷惑だろうから、そんな必要は無いと思っている


それに高校生の男女が毎朝通学を共にしてるなんて、付き合ってるんじゃないか、とか変な噂が立ったら面倒だ


故にこの前のはただの気まぐれというわけだ


「幸真〜 飯だ飯」


陽平がニコニコと弁当を持って俺の席にやってきた


「あぁ それじゃ、いただきますか」


今日(というかほぼ毎日)の俺のお昼はコンビニ飯だ


購買で買うパンも美味しいのだが、いかんせん人が多すぎる


あれでは買いに行く気になれない


もっと人手を増やすべきなのにそれが出来ないのは、日本が抱える人手不足問題のしわ寄せが原因だ


というのは冗談で、単なる経費削減だろう


「幸真って、ほぼ毎日コンビニだよな 身体に少しは気を使えよ?」


気配りというか気遣いというか、そういうところがこの男はよく出来る


まあ彼女がいる所以もそんなところだろうなとつくづく思わされる


調子に乗って地雷を踏むことは多々あるが…


「もちろん健康に配慮した商品バランスを考えている 見ろ、サラダチキンだ」


サラダチキン最強説信者ですから


あいつら脂質ほとんど無いのに美味しい

その上、腹にもたまる


まさに神だ

ありふれた常識だが、ダイエッターにもオススメである


「ってお前そればっかじゃねえか!」


陽平のツッコミを無視してサラダチキンに手をつけようとした、その時、背後から声が聞こえて来た


「陽平くん一緒にいいかしら」


声の主は佐原だった


しかしなんとその隣には、日本語ペラペラ美少女留学生アリサミルフォードが居た


「綾音か いいぞいいぞ ミルフォードちゃんも遠慮しないで さぁさぁ!」


アリサは苦笑いしている


「陽平くん、アーちゃん日本語通じないでしょ」


悪いな佐原 おそらくアリサは全て聞き取れてるんだよ


それから、アーちゃんってなんだ?

めちゃくちゃ仲良くなってるじゃないか


俺も今度呼んでみようかな、アーちゃん


うん、佐原と俺を比較してボロクソに俺を批判する未来が見えた


「Come on. Join us.[こっちにおいでよ]」


俺の呼びかけに応じたアリサと佐原が加わったところで、俺はサラダチキンの享受を再開した


「もぐもぐ… うん 美味しいな アリサは何食ってんだろ」


アリサの昼ご飯は小さな弁当箱に入ったサンドウィッチのようだった


「へぇ〜 これミルフォードちゃん手作り?」


俺だけでなく、陽平もアリサのランチボックスに興味を持ったようだ


陽平の言葉を英訳して伝えると


アリサが英語で返事をした


「Yeah. This is Katsu Sandwich, and these are normal ham sandwiches. I have checked the Katsu recipes on the internet. [ええ これがカツサンドでこれらは普通のハムサンドよ カツのレシピをネットで調べたの]」


俺はそれをもう一度日本語に直す


陽平は感心したように


「へぇ〜 美味しそうだなあ 俺にも作ってくれよ!」


と言い放った


マズイと思ったがその言葉を聞いたころには、もう手遅れだった


佐原のヤンデレスイッチがオンになってしまったのだ


「そんなに手作り弁当が食べたいなら私が作って来てあげるわよ陽平くん? 次の日、いや、早ければその日の午後、あなたがどうなっているかは知らないけど」


この女、彼氏への手作り弁当に一体何を盛るつもりだ


「ちょっと!?綾音サン!?なんか怖いんですけど???俺は下心のつもりで言ったんじゃアイタタタ!?」


陽平は必死に弁解するが、綾音は陽平の耳をぎゅっと握っている


痴話喧嘩の騒がしさで注目を浴びるのは御免だ


だが場を収める策が思いつかない


コイツの普段の性格から下心など全くない発言だったのは理解しているが、彼女の目の前で他の女に弁当作ってくれっていうのは俺も擁護のしようがなかったからだ


場の収め方を考えようとあたふたしている俺とは対照的に、アリサは陽平と佐原を見てクスクスと笑っていた


2人もそれに気付いたようで、何故笑ってんだという風な顔をしていた


「Oh ゴメンナサイ. I just thought you guys are perfect match. Not joking. [ただちょっといいカップルだなって思っただけよ 冗談抜きでね]」


何を言いだすかと思えば、このカップルを褒めたのだ


2人は目を丸め、静止したままになった


場を収めるためのお世辞なのか、本心からの言葉なのかはわからないが、いずれにせよ痴話喧嘩が落ち着いたので結果オーライだ


「ぱーふぇくとまっち? それって俺たちのことか?」


とっさに通訳すると、アリサはこくんと頷いた


慣れない英語を通して伝わった内容にぽかんとする陽平


その横には顔を赤らめてモジモジする佐原


なんだその初々しい反応は

見てるこっちが恥ずかしい


「そうだろうよ 喧嘩するほど仲が良いっていうぐらいだしな」


「あはは そうかもな… なあ綾音 さっきのことは抜きにしてさ、弁当作ってきてくれないか? お前の作ったの食べたいんだ」


「陽平くん… 私、嬉しいよ とびきり美味しいの作ってくるから楽しみにしててね」


「あぁ そうだ 明日も一緒にお昼食べよっか」


「そのつもりよ 晴れてたら中庭で食べるなんてどう?」


「お、いいな それ」


「でしょ?」


「……」


目の前でイチャイチャタイムが始まったので、俺は完全アウェー状態だ


ここは俺の席、つまりはテリトリーなのに

この2人ときたら領域侵犯もいいところだ


人のテリトリーでイチャコラしやがるなんて、非リア保護法第13条に違反するんだぞ 覚えとけ


まぁそんなものは存在しないのだが


結局俺は耐えかねて、その場から離れる口実としてアリサを連れて自販機にコーヒーを買いに行くことにした


-----------


「あの2人、本当に仲が良いのね」


「あれ本気で言ってたのか」


アリサと2人、人通りの少ない自販機横のベンチに座って食後の一杯を嗜んでいた


「優等生が口から出まかせを言うとでも思ってるの? だとしたら浅はかな思考ね? 本気に決まってるじゃない!ところで知ってるかしら?本気と書いてマジと読むの だからマジとも言えるわ」


あーそういえば自称優等生でしたね


最後らへんは何が言いたいのかわからなかったが、恐らく漢字の勉強中に得た知識をひけらかしたいだけだと思う


割と誰でも知ってることをドヤ顔で語られるのだから、反応に困る


「そっかマジだったか それにしたって俺も彼女が欲しいなあ」


言ってすぐに後悔した


アリサの前で彼女が欲しいだなんて呟いたら、罵詈雑言のネタにされるだけだ


「ハァ? アンタにガールフレンドですって?夢でも見てるのかしら 顔が特別ハンサムなわけじゃない上に、傲慢で身勝手、そして変態妄想日常茶飯事男よ?ガールフレンド作るなんて無茶よ」


「なっ…」


マシンガントークに押されてしまう


そこにアリサは畳み掛けるように続ける


「そうね…少なくともボイジャー2号が宇宙人とコンタクトをとるまでは無理よ まあその頃にアンタが生きてるかどうかなんて知らないけど、要するに私から見たらアンタに…… その、彼女はあり得ないわ」


最後の間はよく分からんが案の定コテンパンにされた


ハッキリ無理と言われるとどうしようもない


それからボイジャー2号、一刻も早く地球外生命体の反応を見つけてくださいお願いします


「ハンサムじゃないのは認めるが、俺の性格はそこまで捻くれてないぞ…」


かつてない気分だ


本当に無理なのかもしれない


「ま、まぁ…秘密はちゃんと守ったり、パンを奢ってくれたり、一緒に定期を探してくれたり、私の為を考えてくれたりして… そ、その… 私の召使いとしては上出来よ…!」


それは、果たして褒めてるのか?


いや上出来とは少なくともプラスの意味だろう


普段なら全くフォローにならないはずの言葉さえ、今の俺には嬉しくさえ思えた


あれだけ鞭のような暴言吐かれても飴を与えられれば喜ぶ俺っていよいよドMかもしれない


「そりゃどーも 召使いでもなんでも俺は頼まれた依頼をやるだけだ」


そう言ってアリサの顔を見ると、少しだけ曇った表情をしていた


「なんだ?どうしたんだ」


「そうよね…依頼…」


考え事でもしているのだろうか

なんて言ってるかは聞こえない


こんな表情のアリサは初めて見る


「な、なんでもないわ… アンタまさか私で破廉恥な妄想してたんじゃないでしょうね」


俺は何も言ってないんだが…

急に破廉恥とか どうしたんだコイツ


「自過剰すぎだ それより様子が変だぞ?」


「そ、そうよね……」


煮え切らない様子のアリサ


気になるので尋ねてみる


「何かあったのか?」


深呼吸を1つしてアリサは俺に告げる


「召使いのアンタに命令よ 明日から私と登校しなさい」





全く予想外な発言の衝撃で暫く時が止まった気がした

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