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「どこだ、ここは」
周りを見渡すと鬱蒼とした森が広がる。
木々の隙間から僅かに光が漏れているので夜ではなさそうだ。
「あいててて…」
ゆっくり身を起こして自分の状況を調べる。
若干、頭痛はするが目立った外傷はないようだ。
次に自分の記憶を探る。
俺の名前は、月山二郎。歳は25。先日、勤めていた会社が倒産。
おぉう…あまり思い出したくないな。いやいや、それで俺はなんで森の中にいるんだ?
頭をふり目を閉じて今日の行動を思いだす。
えーと、たしか今日は昼すぎに起きて…
そうだ!腹が減ったから近所のコンビニに行ったんだった。
それで、目に付いた雑誌をパラパラと…って………
あああああぁぁぁぁあ!!!
そうだよ!思い出した!!
俺が雑誌を見てたら急に激しい衝撃と窓の割れる音、そして悲鳴が。
顔を上げると車がコンビニのガラス突き破って自分に突進してくるのが見えて…あ、アクセルとブレーキ間違えやがったなこのやろうって思った瞬間に光が…
「……」
どうやら俺は流行りの異世界転移を果たしたようである。
運が無さそうな主人公です(o'ω'o)