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世界創造者  作者: エタロリ
邂逅と真実
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第四話 相棒と腕試し

 目当ての武器を作ってもらい、宿へ帰ろうと思ったその時、見知らぬ女の子に声を掛けられた。


 その子の名前は”ウィンダ・アルニス”、深緑色の髪に翡翠色の綺麗な瞳、薄茶色のコートに白色のスモックブラウス、焦げ茶色のハーフパンツを着た、15,6歳ぐらいの可愛い女の子だ。


 「えっと、ウィンダさんって言ったっけ? 一緒にクエスト行くのはいいんだけど……もう夕方だし、明日でもいいかな?」

 「すみません、私は大丈夫ですよ。明日受注店前の噴水で待ってますね。それと呼び捨てでいいですよ」


 「わかった、じゃあまた明日噴水の所で。おやすみウィンダ」

 「はい、おやすみなさいクリスさん」


 軽く会釈し、ウィンダと別れる。

 俺は宿に向かう前に、道中にあった酒場で夕食を済ませた。


 宿屋に着いた俺は、手を広げてベッドに後ろから倒れ込む。


 「はぁ……まさか女の子から声掛けられるとは思わなかった」


 天井を見つめながら、右手に1枚の写真を具現化させた。

 それを目の前に持ってきて、写真に焦点を合わせる。


 写真には3人の女の子が写っていた。


 「まさか、この中の1人がさっき会った子ですか? 師匠」




 しばらく写真を見つめた後、腕を下ろして写真を消失させる。

 身体を起こし、部屋に設置されたシャワー室で汗を流した後、眠りについた。


 翌朝、宿を出た俺は近くの喫茶店で朝食を済ませ、ウィンダと約束した噴水へ向かう。


 待ち合わせ場所に着くと、辺りは多くの人で賑わっていた。


 その中に、噴水の縁に座るキレイな深緑色の髪の女の子が目に止まる。

 ウィンダだ。


 彼女に近づき、声を掛ける。

 「おはようウィンダ、早いな」


 ウィンダが俺に気付きこちらを振り向く。

 「おはようございます、クリスさん。今日はよろしくお願いします!」

 「あぁ、こちらこそよろしく」



 「俺は先に朝食済ませちゃったけど、ウィンダはまだだったりする?」

 「いえ私は、ここでクリスさんを待ちながらサンドイッチを食べましたので大丈夫ですよ」

 ウィンダは笑みを浮かべながら答える。



 「そうか、なら良かった。とりあえずクエスト行く前にお互いのステータスを確認しておきたいんだけど、いいかな?」

 「はい、もちろん大丈夫ですよ、私もそのつもりでしたし」


 冒険者同士のステータスの確認は防犯対策の一環だ。


 この世界でもやはり悪は存在する。

 その中でも厄介なのが冒険者を狙った犯罪行為だ。


 街中で武器を抜いても相手を傷つける事すら出来ないが、1歩街を出ると相手を殺すこともできてしまう。

 その仕組みを利用され、クエストに同行した際に戦利品や、金品を奪う強盗、殺人、異性を狙った性犯罪などが横行している。


 そのため、冒険者たちはお互いのステータスを自己紹介の代わりに確認し合う。


 そして相手のスキルなどを確認した時に、犯罪行為でよく使われるスキルを持っていた場合、同行を断ったり、使用目的などの確認をとったりする事が出来る。




 「まずは俺から『ステータス、オープン』」


______________

名前:クリス・レジンス

性別:男

生歴:18

姿年齢:20


レベル:35

体力:4396

魔力:3580


攻撃力:5698

防御力:2368

腕力:4500

魔法攻撃力:238

魔法防御力:4538

素早さ:3785


得意武器:太刀、大剣

苦手武器:ハンマー

特化攻撃:突属性

所持武器:太刀、大剣、魔力銃、大鎌


【称号】

 大剣マスター

 Cランク冒険者


【武器スキル】

 太刀 Lv3

 大剣 LvMAX

 銃  Lv1

 大鎌 Lv1


【基礎スキル】

 回避 Lv4

 素手 Lv2

 治癒 Lv2

 護衛 Lv1


【攻撃スキル】

 ブレイドインパクト LvMAX

 パワースタンプ   Lv4

 剣舞   Lv2

 華の舞  Lv2

 疾風迅雷 Lv4


【補助スキル】

 神速 Lv3

 パラディン Lv1


【自作スキル】

 連携   Lv2

 投擲   Lv3

 属性付属 Lv2


【授受スキル】

 無し


【称号スキル】

 大剣マスター LvMAX

______________


 「クリスさんも魔力銃持ってるんですね」

 「あぁ、師匠からもらったんだけど、実はあんまり使ってないんだよね」


 魔力銃とはその名の通り、魔力を弾にして撃ち出す銃の事だ。

 ダメージは魔法攻撃力に依存しているため、数値が低い俺には向いていない。

 もちろん、実弾銃も存在する。



 「次は私の番ですね。『ステータス、オープン』」 


______________

名前:ウィンダ・アルニス

性別:女

生歴:15

姿年齢:20

 

レベル:33

体力:3598

魔力:6827


攻撃力:1863

防御力:3275

腕力:2000

魔法攻撃力:5165

魔法防御力:4358

素早さ:3586


得意武器:魔力狙撃銃

苦手武器:近接武器

特化攻撃:斬属性

所持武器:魔力狙撃銃


【称号】

 銃マスター

 狙撃の名手

 百発百中

 Cランク冒険者


【武器スキル】

 銃 LvMAX


【基本スキル】

 狙撃 LvMAX

 速射 Lv4

 隠密 Lv3

 回避 Lv2

 索敵 Lv3

 防御 Lv1


【自作スキル】

 無し


【授受スキル】

 無し


【称号スキル】

 銃マスター LvMAX

 狙撃の名手 LvMAX

 百発百中  LvMAX

______________



 「ウィンダと姿年齢は一緒なんだな、もう少し下かと思った」

 「それは私の顔が幼いって言いたいんですか?」


 「いや、そういう訳じゃないんだけど……ごめん」

 「フフッ、怒ってはないですよ、むしろ嬉しいです」

 ウィンダが微笑む。




 この世界の人間は歳を取らない、理由は全知全能の図書で調べても分からなかった。というより、図書の答えが”不明”と表示されたのだ。


 歳を取らない理由は分からなかったが、このステータス表示に出ている”生歴”と”姿年齢”については調べる事が出来た。


 生歴とは、産まれてからの年数、つまり実年齢だ。

 この世界では15歳から成人と見なされ、親の同意無しで年齢を変えることが出来る。


 そして姿年齢とは、そのままの意味だが外見の年齢の事だ。

 歳を取らなくなった人間は、魔法によって好きな年齢のまま居られるという、夢のような生活を手に入れた。


 だが、冒険者からすれば多少なりとも戦闘などに影響が出てくる。

 例えばレベルアップ時のステータス上昇が年齢によって伸び幅が前後する。

 若い年齢だと体力や素早さが伸びやすいが、防御や魔力は伸びにくい。

 逆に年配だと、魔力や攻撃、防御等が伸びやすいが、体力や素早さは伸びにくくなる。


 そのため、必ずしも若い年齢の方が良いという訳ではない。




 お互いステータスを確認した俺たちは、ステータス画面を消失させる。


 「とりあえず、受注店の目の前で集まったし、今ここでクエスト受けていくか」

 「そうですね、また戻ってくるのも面倒ですし」


 「だな……後、1個ごめん。ウィンダも出来れば、敬語とさん付けはやめてほしい」

 「え? いいんですか?」


 「うん、あんまり歳離れてないし、姿年齢は一緒だから敬語で話されると、なんか違和感を覚えるというかなんというか……」

 「そっか……うん、わかった! じゃあ敬語はやめるね。後は呼び方をどうしよっか?」


 「なんでもいいぞ、呼び捨てでもいいし」

 「呼び捨てはまだちょっと気が引けるから……クリス君って呼んでもいい?」

 こちらを見ながら首を傾げるウィンダにドキッとする。


 「あ、あぁ……それでいいぞ」

 「やった、じゃあこれからよろしくねクリス君」


 「こちらこそよろしく」


 噴水の縁に座っていたウィンダが立ち上がり、揃って受注店に入っていく。




 受注店内は早朝にも関わらず沢山の人で賑わっていた。


 「そういえば、1個気になったんだけど。どうして俺に声を掛けたんだ?」

 「あぁ、その事ね。……なんでだったかなぁ?」

 ウィンダは人差し指を顎に当て、視線を天井に向ける。


 「あ、思い出した。クリス君の後ろ姿がなんかお父さんに似てるなぁと思ったからだよ」

 「お父さん?」


 「うん、3年ぐらい前に行方不明になっちゃって、去年の今ぐらいに戦死体で帰ってきたの……。行方不明になる前まではお父さんから狙撃銃の事教わってたから、クリス君を見かけた時、一瞬お父さんかと思ちゃった」

 「そう……だったんだ」


 ウィンダの目は少し潤んでいた。


 「ご、ごめんね、こんな暗い話」

 「いや、俺が聞いたから……」


 「それよりも早くクエスト選ぼ。良いの取られちゃうかもしれないし」

 「あぁ、そうだな」


 ウィンダと二手に分かれて、壁に貼られた依頼票を確認しに行く。


 俺とウィンダはどっちもCランクだから、黄色の依頼票でお互いの実力がわかりやすく証明できるのは―――。


 見つけた依頼票を持ってウィンダと合流する。


 「ウィンダの方はなんか良いのあったか?」

 「私が選んだのはこれ、Cランクのサンドワームの討伐依頼」


 「サンドワームか……俺が選んだのは同じくCランクでレッドサイクロプスの討伐依頼だ」

 「あ、クリス君が選んだ方が良さそう」


 「良いのか?」

 「うん、砂上戦だと足元悪いし、見晴らしはいいけど狙撃手としては戦いづらいからね」


 「なら、なんで選んだんだ……」

 「んー、他に行きたいクエストが無かったから?」

 ウィンダが冗談っぽく返す。


 「まぁ、レッドサイクロプスの方行くか」

 「うん!」


 その後、俺達は依頼の受付を済ませ受注店を出た後、近くの雑貨屋に立ち寄り、戦闘アイテムを補充してクエストへと出発した。

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― 新着の感想 ―
あかりちゃんと瓜二つのウィンダちゃん、まさか記憶失くした転移体じゃ……と思ったけど、読み返したら『自死した者を創造主に勧誘する』だったから考え過ぎでした♨
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