プロローグ2
私たちは何のために産まれてきたのだろう。
死んでいった彼女たちの人生は何だったのだろうか。
みんな死んでしまった。
生き残ったのは皮肉なことに失敗作と呼ばれ馬鹿にされていた私たち4人だけだ。
126人。
全員死んだ。
彼女たちは犠牲になったのだ。
人類のために。
一番年上だったa部隊の隊長のライカ。彼女でさえ18歳だった。
彼女たちの命は本当に報われるのだろうか?
この作戦の先に。
人類の未来の栄光により救われるのだろうか?
いや、それよりもこれは本当に私たちの勝利なのだろうか?
あたりに転がる誰のかもうわからない肉片を避けながら歩く。
目標の撃破に伴い、あたりは静寂に包まれている。
他の3人も同じところを目指し歩き出す。
私たち、いや、人類の敵の遺体へと向け。
断末魔の絶叫ののち対象は沈黙した。
そして、その体が崩れ落ちるとその頭部が裂け怪しい光が溢れ出した。
その不思議な光へと向かい進む。
危険は感じない。
だが、嫌な予感を感じる。
明日が来ないような漠然とした不安。
「これ、何かわかるか?」
「魔力?いや、それにしても不思議な感覚だ。危険はないのか?」
「本部へ通信しています。」
3人が話し合っている。
まだ終わりじゃないのだろうか?
私たちの戦いはまだ続くのだろうか?
「どうやら次元に干渉するワームホールの類のようです。おそらく、[女神]がいた世界に繋がってるのではないかと推測されます。[女神]と[竜]の出現当時のエネルギー派数と同じだそうです。」
「まさか、これに飛び込めなんて言わないよね?」
「そのまさかですよ。このままだと敵はまた復活します。根元を断つために現地へと赴き、手がかりを探れ、だそうですよ。」
「本気で言ってるのか?こんなものに飛び込んで戻れる保証がどこにある?」
「一応、秘策はあるようです。出撃の時に渡された端末に緊急用の仕掛けがあるらしいです。どうやら本部はここまで推測していたようですね。」
「126人死ぬことまでも?」
皮肉を込めて言葉にする。
4人しか残っていないのだ。
たったこれだけの人数で異世界へ探索を行けと?
こんな化け物のいた世界へ。
「どうせ私たちに選択肢はないさ。いいさ、行こう。こうなれば4人で行けるところまで行こう。私たちでこの災厄を終わらせてやろうじゃないか。」
私たちは足を踏み入れる。
多くの犠牲の上に。
自分たちの命を代償に。
人類のために。
ふざけた言葉だ。
だけど、それが私たちの存在意義なのだ。
だからそれに殉ぜよう。