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第九話 妹の話と広場デビュー

 う~ん…。冒頭がダメダメな気がします…。

 私の名前はマルナ・リヴォース、現在二児の母である。

 つい先日、私は二人目の子供を出産した。

 その子は女の子で、名前をミルフィーナと言う。

 私は今、一つの疑問を抱いている。

 それは、出産までの期間が長かった事だ。

 この事は、周りの人にも心配された。

 本来なら、妊娠が発覚してから最低でも、1年以内には生まれると言われた。

 これは、ダインの時もそうだった。

 実は、あのモンスターの軍勢と戦う少し前に、私は妊娠していたが、この事はライアスには黙っていた。

 何故ならば、彼を心配させたく無かったのと、まだ結婚もしていなかった事が挙げられる。

 本当なら、直ぐに言うべきだったのかも知れないが…。


 幸い、あの戦いの前に、結婚を申し込まれた。

 それから戦いが終わり、結婚して、何度も愛を確かめ合った。

 ある時、私のお腹が急に大きくなった。

 この事は、普通に起こる事だったようで、私は安心した。

 その日からだ、日常的に、体内魔力も僅かながらだが、消費している感覚があった。

 この事を、ライアスに相談してみた事があったが、これも普通に起こる事のようだった。

 それからしばらくし、お腹が更に大きくなった。

 この時は既に、妊娠発覚から、一年が過ぎようとしていた。


 周りの人も、ライアスも、ディクスさんも、皆心配していた…。


 日差しが暖かい、ある日の事だ。

 私は突然、産気付いたのだ。

 初めての出産、初めての感覚、とても苦しかった、そして辛かった、痛い思いもした。

 だけど、生まれてきた赤ん坊は、とても珍しい黒の魔結晶を持って生まれてきた。

 私は嬉しさの余り、全ての苦痛が、消えて行く感じがした。

 この時も、ミルフィーナの時と同じく、モーゼル先生と、産婆のリトリスさんが来てくれた。

 この時のモーゼル先生と、リトリスさんの驚き様は凄かった。

 ライアスなんかは、余りの嬉しさに、小躍りしていた位だ。

 とても懐かしい…。


 さて、ミルフィーナの事だ。

 もしかしたら、ダインと同じように、珍しい魔結晶を持って生まれるのではないか?

 そう思ったが、娘の魔結晶は青だった。

 息子は黒だったから、特別な色だったから、出産までに、時間が掛かったのではないか? と思っていた。

 でも、そうでは無かった。

 娘も、同じ位時間が掛かったのだ。

 どう言う事なのか? 全く見当が付かない。

 だから今、自分の体が不思議でならない。

 普通では無いのかも知れないが、息子のような、凄い体内魔力も無い。

 もしかしたら、ライアスが関係しているのだろうか? そう思った事もある。

 だけど、考えても解らない。

 今は…。考えないようにしようと、そう思った…。


 ■■■


 今日、俺に妹が出来た、ぶっちゃけ嬉しい。

 妹の魔結晶は青だった、普通の色らしい。

 俺は今、一つの疑問に駆られている。

 それは、この世界の人々と、魔粒子の関係についてだ。

 妹の臍の緒を除去する時、モーゼル先生が、何かしらの魔法を行使していた。

 臍の緒を、魔粒子に還元していたのだ。

 どういう原理でそう言う事が出来るのか? 或いは出来たのか? 非常に興味深かったが、その時は聞けなかった。それ所じゃ無かったからな。

 俺の憶測だが、妹は母体であるマルナから、臍の緒を通じ、体内魔力を僅かながらだが、供給されていたのではないか? そう思った。

 何故そう思ったのか? それは、カディウスさんが言っていた事にある。

 この世界から、魔粒子が枯渇すると、人類は死滅してしまうと、そう言っていた。

 となると、魔粒子は人体の形を形成し、維持する力も持っているのではないか? と推測出来る。

 まぁ、俺の想像だが、間違ってはいないと思う。

 しかし、操作される力である、魔粒子は一体何なのか? 操作する力である、体内魔力とは一体何なのか?

 謎は深まる一方だが、今は考えないようにしようと思う。

 知らない方が、幸せな事もあるしな。

 ま、今日はもう寝よう、明日からが戦争だろうからな、別の意味で。


 次の日からは、本当に戦争だった。子育て的な意味でね。

 毎日、毎日、大忙しである。

 俺は前世の記憶があり、精神が大人だったので、夜鳴きや、癇癪、粗相を起こすことは無かったが。

 ミルフィーナは、この世界の理に基づき誕生した生命だ、大変になる事は創造に難くない。

 もしかしたら、転生者かも知れないと俺は思ったが、普通の赤ん坊と同じように泣いている様から、その考えは払拭された。

 妹は毎日元気に泣いている。

 ここ最近、マルナとライアスが俺を見ながら、口を揃えてこう言っている。


「お前の時は…。あんなに楽だったのに…」


 まぁ、これが本来あるべき赤ん坊の姿だ、俺が理から外れた存在に過ぎないのだからな。

 また最近では、俺の体内魔力も去年からに比べ、グンと伸びも良くなっていた。

 その証拠に、魔力球の生成限界距離だった筈の距離、10メートルがグーんと伸びて、30メートルになり、その距離で魔力球を維持できる時間も、ここ最近では2時間を越えるようになっていた。

 試しに、エナジーハンドの限界距離も調べてみが…。半径15メートル圏内なら、自由に出すことが出来るようだった。

 それ以上の距離になると、人の手の形を保てず、通常の魔力球に戻ってしまう。

 そしてエナジーハンドも、近距離(半径1メートル圏内)なら一日8時間程なら、常時発動出来るようになっていた。

 妹世話に、体内魔力の鍛錬、魔道具の管理や、紋記号魔法の勉強と、俺も毎日大忙しである。


 そんなこんなで、更に1年が過ぎ、俺は5歳になり、ミルフィーナは1歳になった。

 ミルフィーナは家族から、ミーナという愛称で呼ばれるようになっていた。

 妹のミーナも、すくすくと成長している。

 初めは、何のサインの泣き声なのか分からなかった泣き声も、日を追うに連れ、段々と分かるようになったのだろう、マルナも母として、また一段と逞しくなった様に見える。

 ライアスは最近俺に。


「お前も5歳だ、西門の近くに在る広場で遊んで来なさい」


 と言っているので、近い内に、その広場に出向こうと思う。

 この世界の、所謂公園デビューである。どんな事が起こる事やら…。


 そう思った日から数日後…。

 何時もの様に朝食を済まし、俺とマルナ、マルナに抱っこされた、妹のミーナの3人で、ライアスを見送る。

 ライアスもここ最近、隊に復帰したようだ。

 俺の魔道具の稼ぎもあるが、やはり一家の大黒柱だ。


「何時までも、隊を開けておく訳にはいかないから、隊に復帰する」


 と力強く言っていたのが印象的だった。

 と、そんなこんなで、俺はこの日、公園デビューを果たすべく、ミーナを抱いたマルナに連れられて、外を歩く事暫し…。

 そこには、元気な声で走り回る、子供達の姿があった。

 その広場は、50メートルプールが、4つはすっぽりと収まりそうな程に広い、広大な空き地だった。

 広場の周りには、少し高めのレンガの壁、入り口には少し小さめの門。

 そして入り口の近くには、見やり小屋のような物が在った。

 地面は綺麗に舗装され、規則正しく石板が組まれている。

 実に見事だ! ある意味、芸術だと思ったね。

 その空き地では、4大種族の子供達が、それぞれにグループを作り、何やらやっているのが目に入る。

 あるグループは走り回り、あるグループは地面に何か書いている。

 三者三様の遊びが、そこで繰り広げられている。

 そう思っていると、マルナが俺に手を触れる。


「ダイン、早くお友達を作るのよ」


 そう言われましても、今まで散々インドアな生活をしてきたし、この世界の遊びも全然しらないのだが…。

 まぁ良い、当たって砕けろだ!

 俺は意を決して返事をし、その広大な空き地の入り口に立つ。


「うん! 頑張ってみる!」


 何を頑張るのか? 自分で言っても意味不明だったが、マルナは納得したよに頷き、ミーナを抱えながら俺の頭を撫でた。


「よし! 良い返事ね。母さんとミーナは帰るけど、遅くならないようにダインも帰ってくるのよ」


 そんな事は解っておりますとも! 夕食前には絶対に帰ります。


「は~い」


 その後、マルナは一度手を振り、自宅へと帰って行った。

 俺は一人取り残されたが、意を決して入り口を抜け、広場に入る。

 辺りを見渡すと、他の子供たちは皆、それぞれのグループを作り、何やらやっているので、近づき辛かった。日本人の悲しい性だね。

 俺は話しかける事が出来ず、この広大な広場を、マラソンする事にした。

 将来の事も考えて、魔力球を他の子供達の目に入らないように、俺の頭上20メートルの位置に生成する。

 この魔力球は、俺の頭上斜め上45度の角度で、俺に追尾するようにする。

 そして徐に、マラソンする俺…。

 なんか悲しい…! 一人浮いている気がする…。

 そんな事は分かってる! だが、声を掛け辛いのだから仕方が無いだろ?


 そして広場を半周もした頃、周りの子供達の動きが、止まっている事に気が付いた。

 皆、何やら同じ方向を向いている。

 俺も釣られて、その方向を向いてみると…。俺の作った魔力球が在るではないか!

 俺は悟られぬように、マラソンを再会し、ゆっくりと、魔力球を限界距離に持ち上げる。

 そして、これまたゆっくりと、自然に消えて行ったように見せかける為、魔力球をゆっくりと魔粒子に還元する。

 すると周りの子供達は、上げていた目線を戻し、各グループ毎に何やら話している。

 聞き耳を立てながらマラソンをしていると、こんな会話が聞こえてきた。


「おい、今の黒くて丸いの何だったんだ?」

「しらねーよ…。自然に消えたし」

「だよな~。それよりも、早く続きをやろうぜ!」

「そうね、そうしましょう」


 ふぅ~、どうやら気付かれなかった様で一安心である。

 俺はそのままマラソンを続け、広場を一周し、元の入り口の付近に戻る。

 すると、一人の女の子がそこに佇んでいた。

 何故女の子だと判ったかって? そんなの勘だよ! 勘! パッと見そう見えたんだ!

 特徴は、ロングストレートな髪の色は、薄い桃色をし、瞳も薄い桃色の女の子。

 将来は可愛くなるだろうな~、と思いつつ、俺はその女の子を見つめていた。

 耳も尖ってないし、額には魔結晶も無く、背丈も俺と同じ位であろう事から、この女の子もマルーノなのだろうと推測する。

 そんな事を思っていると、女の子と目が合ってしまった。


「あ、あの 君も今日からココに来たの?」


 突然話し掛けられて、俺は少し動揺してしまう。


「俺?」


 俺は、自分を指差しながらそう答えた。


「う、うん…」


 少しモジモジしながら聞いてくるその姿は、保護欲を刺激されてしまう。

 ロリコンではないが、佇まいが思いっきり俺好みだ。

 俺は、今出来る最大の笑顔で答える。


「そうだよ! 俺も今日から此処に来たんだ!」


 女の子は嬉しそうにしていた。

 ここは始めて同士、仲良くしようと思う。

 やはり、男である俺が、エスコートしなくてはならないだろう。

 そう思い、俺は自己紹介をする事にした。


「そうだな、まずは自己紹介させてくれ。俺はダイン、ダイン・リヴォースだ、よろしくな! それで君は?」


 女の子は少し恥ずかしそうに、モジモジしている。

 オジサン発狂しちゃうよ?

 イカン! イカン! 俺はロリコンではないのだ!


「あ、あたしは… リディスって言うの」


 モジモジしている感じがたまらん! がしかし…。

 どうやら、まだファミリーネームは言えないようだな、ついでに歳も聞いておくか?

 この場合は俺からだな。基本的に。


「俺は今5歳だ、君は何歳なんだ?」


 少しビックリしたように、丸めた右手を口に当ている。

 しかも、少し頬が赤い。


「え!? えっとね… あたしも5歳」


 マジで!? 期せずして、同い年の幼馴染ゲットだぜ!

 と思いつつ、俺はある疑問を口にする。


「そうか、俺と同じ歳なんだな」

「うん、そうみたい」

「ところでさ、どんな事して遊ぶ?」

「えっとね、うんとね…」


 ウヒョー! カワエエのぉ~! その初めて感、マジで保護欲を刺激する。

 まるで●●に、これから色々いたす時のような、そんな興奮を覚えるが。

 相手は幼女だ、此処はしっかりと自我を保たねばならない!

 俺が、そんな葛藤にある事も露知らず。

 リディスと名乗った女の子は、少しの逡巡の後、口を開く。


「あたしも知らないの…。ダイン君? 教えて?」


 小首をかしげながら聞いてくる様は、美少女アニメのヒロインさながらである。

 それは良いとして、俺もこの世界の遊びは知らないな…。

 さて、どうしたものかと思っていると。

 突然声を掛けられた。


「おい、お前ら、今日からか?」


 俺はその声に振り向くと、そこには3人の子供が並んでいた。

 声を掛けたと思しき人物は、赤い肌で、赤い逆立った短髪、赤い瞳をしたデモニックの男の子。

 そのデモニックの男の子の左横に、銀髪で長めのポニーテール、瞳は緑で、元気の良さそうなエルフの女の子。

 最後は、デモニックの男の子の後ろに隠れるように、俺とリディスを見ている。

 その子は、茶髪のボサボサヘヤー、茶色の瞳をした、ズングリムックリのドワーフの男の子。

 この3名が今、俺の目の前に並んでいる。

 リディスは、俺の後ろに隠れているが…。

 そんな事より、俺はその問いに答えるべく、声をかける。


「ああ、そうだ。良かったら俺とこの子に、遊び方を教えてくれないか?」

 

 すると、その3名は、お互いに顔を見合わせ、三者三様に頷き、声を掛けてきたと思しき、デモニックの男の子が答えてくれた。


「そうか! なら今から、遊び方を教えてやるよ。俺はマークだ、よろしくな!」


 やたらと高圧的だが、気にしたら負けだ、俺は自己紹介をする。


「ありがとな、俺はダインだ」


 俺の自己紹介に促されたのか、俺の後ろにいたリディスが、あせったように自己紹介をする。


「あ、あたしはリディス!」


 その後に、銀髪ポニーテールのエルフの女の子と、ウジウジしているドワーフの男の子が、続けて自己紹介してきた。


「わたしはシンシア! よろしくね!」

「ボクはダストン…」


 エルフの娘は元気一杯だったが、ドワーフの男の子は、元気が無いというかなんというか、はっきりしない性格のようだ。

 親の教育の影響なのだろうか? 将来根暗にならなければ良いのだが…。

 俺はこの日、広場デビューを果たしのだった。

 と言うか…。どんな遊びをするんだろうか?

 とりあえず、キャラ増加です。

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