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第三話 体内魔力の特訓始めました!

 今回は、描写の足りなかった部分を補足すべく、色々盛り込みました。

 まさか魔法を使うと、ぶっ倒れるとは思わなかった。

 異世界物のラノベで良くある現象だが、実際に体験するとは思わなかった。

 俺がぶっ倒れてどの位の時間が経ったのか解らないが、太陽が少し傾いていた。

 今俺は、自分のベットに横たわっている。

 色々と思考する事はあるが、先ずは母であるマルナに、元気な姿を見せて安心させねばな。

 俺はムクっと起き上がるが、体がダルい。

 体内魔力が減るとかなり疲れるようだな…。まるで長距離マラソンをした後みたいだ。

 俺はダルい体を気合で動かし、マルナに元気な姿を見せに行った。

 移動中も辛かったが、マルナの安心た顔を見ると、なんだかその疲れも吹き飛んだ気がした。

 その時マルナに…。


「体内魔力を使い果たすと、最悪死んじゃうんだから、絶対に無理しちゃダメよ!」


 と何度も注意された。

 とても心配してくれたようで、俺はとても嬉しかった。

 しかし、体内魔力を使い果たすと、この世界では死んでしまうようだな…。

 今後は気をつけねばなるまい。

 俺は散々注意を受けた後、自室に戻り、魔法教本を開き、魔法の勉強を始めた。


 俺は思考する、そもそも魔粒子とは何なのか?

 俺が推測するに、魔粒子とは操作されるエネルギーではないのか? と考えている。

 あながち間違ってはいないだろうが、確定するには早すぎるし、もしかしたら、今後知る機会もあるかもしれない。

 次に体内魔力だ、この力は魔粒子を操作する力であると推測される。

 こちらも俺の想像だが、この理論も言い得ているはずだ。確証は無いがな。

 

 そうだな、ついでだから、ここで俺の家族の紹介をしよう、詳しく言ってなかった気がするし。

 まずは父のライアスからだ。

 彼はこのルキリスの街の最上層にある、ルキリア城で王国軍に所属している。

 ただの兵隊や兵士では無く、突撃部隊の部隊長だ。

 母と出会ったときはまだ副隊長だったようだが、モンスターの大群がこの街を目指して侵攻していた事件での活躍から功績を認められ、突撃部隊の隊長に昇進したようだ。

 因みに、彼の父親と母親は既に他界していると、ライアス本人が言っていた。

 二人共王国軍に所属していて、任務中に危険度の高いモンスターに命を奪われてしまったらしい。

 その時に彼を引き取り、育ての親となったのが、ルキリア王国軍総司令の、ディクス・グルガンだ。

 言ってみれば、俺のお爺ちゃんだが、無論、血は繋がっていない。

 ディクスじいちゃんは年に一回か二回はこの家を訪れる。

 やたらと俺に甘いのは、難病で亡くなったお孫さんを俺に被せているのだろう。

 誕生日には、なにやら大量にプレゼントを運んでくる。

 アレを運ぶ兵士さんに敬礼したい。

 話が逸れた、ライアスの話に戻そう。

 引き取られたライアスは、ディクスじいちゃんに槍の特訓を受けたらしい。じいちゃんも槍の名手で、王国軍でもトップの実力者だ。

 その事は、ライアスが自慢げに話してくれた。

 ライアスが引き取られたのは5歳の頃だそうで、それからずっと成人するまで面倒を見てくれていたと聞いた。

 学園にも通わせてくれたとも言っていたな。

 あぁ~、俺もまた学生やってみたいな。

 私情が入ったが、軒並みそんな感じだ。

 スパルタ教育では無かったらしいので、良かったと思う。


 さて、次は母であるマルナだ。

 彼女は、カルリア大陸の西部を治めるインパスア共和国の片田舎に在る小さな村の出身だ。

 たびたび食事中に、村に居た頃の昔話をしている。

 15歳となった日に、親の反対を押し切って冒険者になる為、カルリア大陸最大の街、ルキリスに単身出向いたそうだ。

 その時見送ってくれたのは、彼女の祖父だけだったらしい。

 なんでも、彼女の祖父は大層腕の立つ剣士だという、世界でも指折りの剣豪だと良く自慢している。


 そして、俺の両親はルキリスの街で出会い、恋をし、二人は結婚、そして俺が誕生した。


 以上が俺の家族構成だ、まだマルナの両親にも、祖父にもあった事はない、マルナは村に帰るつもりは無いらしい。

 ただ、祖父には顔を見せたいと、たまに言っている。

 色々と事情があるんだろうな。

 だが、その剣豪な祖父には会ってみたいな、俺が成長したら会いに行ってみよう。


 さてさて、そろそろ夕刻だ、この後は家族3人で楽しい食事である。

 この日の食事の席で、俺が魔力球の生成に初めて成功した話題となり、話が盛り上がった。

 ライアスは大層驚いていたが、俺がぶっ倒れた事を聞くと、心配そうな顔で、マルナと同じく再三注意された。

 今後は無理は禁物である、両親を心配させる訳にはいかない。

 その後も会話は続き、そして日が暮れ、夜になり、俺はこの日、初めて一人で眠るのだった。


 次の日。


 昨日の疲れはどこに行ったのか? すっきり目が覚めた。

 体のダルさも抜けていて、寧ろ昨日よりも調子が良い。

 不思議な気分だったが思考を切り替え、朝食の時間だったので居間に向かう。

 今日は麦パンと、何の肉か解らないが肉のスープと、野菜の盛り合わせの朝食を済ませた後。

 俺に割り当てられた自室にて、魔法の教本を読んで勉強中である。

 娯楽の少ないこの世界では、前世では考えられ無い位に勉強も楽しく感じてしまう。

 なんと言っても、時間が潰せないのだ。

 この2年と数ヶ月は、言語の習得に重きを置いて来たが、ある程度の言語が理解出来るようになった今なら、ちょっと小難しい本を読めるようになってきた。

 その中の一つに、この世界の種族に関する事が書かれた書物がある。

 そこには、各種族には特有の言語が在ると記されている、判明しているだけで6種類の言語があるようだ。

 種族的にマルーノが多いようで、マルーノ語が世界共通言語になっているようだ。

 このマルーノ語の文字の構文自体は、日本語と英語を足して2で割ったようなものだった。文字は全くの別物だがね。

 単語同士を、動詞や助動詞、修飾語などで繋げている。人称なんかも存在する。

 そして、俺も今はマルーノ語を話し、書く事も出来る。

 恐らく、この世界の普通の2歳児は絶対にしないだろう。

 他の5種類の紹介をしよう。

 エルフの使うエルフ語、ドワーフの使うドワーフ語、デモニックが使うデモニック語、そして、人類と区分されていない、獣人系のビーステイルが使うビーステイル語、妖精が使うピクシエル語が存在している。

 まだ文字や発音は知らない、今後機会が在れば、それらも習得したいと思う。

 両親は語らなかったが、港層の闇の部分では、ビーステイルを奴隷として売っているようだ。

 この事は、俺の部屋の本棚にある[誰でもわかるルキリア王国案内]って書籍書いてあった。

 ビーステイルは長らく他種族に迫害され、今では奴隷専用の種族としての価値しか無いと記載されていた。

 その最たる理由として挙げられるのが、魔結晶が無い事である。

 その為、ビーステイルは魔獣としてカテゴライズされている。

 しかし、猫耳や犬耳のお姉さんは見てみたいな、成長したら見に行こうと今決めた。

 因みに、この世界の人類の成人は15歳からである、平均寿命も60歳位らしい。

 

 魔獣と魔物の話もしておこう。

 魔獣とは、魔結晶を体に持たない害獣の事である。

 魔獣の代表格には、ゴブリン等も居るらしい。

 実物を見てみたいが、実際にその時になると、あまりの迫力にビビッてしまうかもしれない。

 魔物とは、魔獣が突然変異し、歪な形の魔結晶を体内もしくは体外に持つようになり、その姿形も変形した魔獣の事である。

 代表格は、リザードが突然変異し、ドラゴンに成る、と言うのが挙げられる。

 この知識も本で得たものだ。

 前にも話したが、俺達人類の魔結晶の形はビー玉のように小さく丸い。


 さて、色々説明してしまったが、今読んでいる魔法教本の話をしよう。

 教本に書かれた内容によると、体内魔力は基本的に年齢と共に大きくなっていくらしい。

 年齢による体内魔力の成長とは別に、鍛え方も書かれている。

 鍛え方は、毎日魔力切れが起こる寸前まで魔力を使い、しっかり食べて、しっかり寝て、次の日に疲れを残さない事らしい…。まるっきりスポーツじゃないか!


 俺が読書に励んでいると、マルナからお昼の声が掛かる。

 自分の部屋から出てリビングに向かい、マルナと一緒に昼食を食べる。

 今日の昼食は、朝の残りの肉のスープと、マルナ特性の野菜パイだ。

 この野菜パイ、実に色々な具が入っていて非常に美味しい、2歳児でなければ1ホール丸々食べそうだ。

 この昼食時に、さっき教本を読んだ内容を話してみる。

 マルナの反応だが、やっぱり驚きながら色々な顔をする。やはり器用だ。

 それにしても美人である、ライアスめ…。絶対一目惚れだっただろうな…。


 昼食後、マルナは家事に精を出していた。

 前世では、自宅の事は全て自分でやっていた俺的には非常に心苦しいが、身長も筋力も足りないので、自分の食器を流し台の近くまで持っていくので精一杯だ。

 もう少し大きくなったら手伝いますよ、本当だよ。

 そして俺は、勉強と言う名の実験を行う為に中庭に向かう。


 昨日と同じように、大気中から魔粒子を集め、掌にその魔力球を作る事を行う。

 キラキラと、黒く染まった魔粒子が集まりだし、掌に丸い塊が出来上がる。

 魔粒子を集めるコツは、昨日なんとなく掴んでいる、二回目なので、昨日よりは、スムーズに集める事が出来た。

 丸い塊の、魔力球が出来るまで、約4秒程掛かったが、マルナは、1秒も掛からずやっていたので、慣れの差だろうな。

 そして、その魔力球を維持する事数十秒、昨日と同じ位疲れる前に程よい疲れが来たので、そこで止めておく。

 ん? 気のせいか、昨日よりも随分と、長持ちするようになった気がする。

 しかし、程よい疲労感は実に良い! なんかこう~、良い運動しました! 的な感じがね。と言うか、僅か数十秒程集中してただけなんだけどね!

 そうだな! 今日の結果をノートに纏めようと思ったが…。紙が無い。幸いペンとインク壷はこの家にもある。

 洋紙と羊皮紙、どちらを買うべきか…。寧ろどちらも購入すべきだな。

 そうと決れば買うだけだが、俺一人では出歩けない、ここはマルナを待つべきだな。

 因みに、ルキリアの国は産業も工業もそこそこ発展しているので、羊皮紙だけではなく洋紙も存在している。

 値段で言えば羊皮紙の方が安いらしいが、洋紙の方もお手ごろ価格で入手できるようだ。


 さて、今日の体内魔力強化訓練も終わり、自室で魔法教本を読んでいると、マルナから声が掛かる。


「ダイン、お買い物に行くわよ~」

「は~い!」


 俺はしめた! と思い、意気揚々とマルナに連れられ、ルキリスの城下街の商店通りに出掛けた。

 俺は早速マルナに、洋紙か羊皮紙をねだる事にした。


「母さん。魔法の勉強に使いたいから、洋紙か羊皮紙が欲しいんだけど…」


 上目遣いで、困った表情を作り、目を潤ませつつ尋ねてみる。

 すると…。


「い、良いわよ」


 よし! 効果は抜群だ! 許可が出たので早速品定めだ。

 俺はマルナに手を引かれ、目的の店まで移動する事になった。


 さて、この世界の紙関連の商品は雑貨屋に置いてあると言う。

 以前その内必要になるだろうと思い、マルナと買い物に出掛けた時に調査済みである。

 因みに、この世界の雑貨屋は冒険者御用達の回復アイテムや、生活に必要な物まで色々置いてある。

 今訪れているこの雑貨屋、店名を「ルインズ雑貨店」という。

 店主のルインズさんは、マルナが冒険者時代から良く知る人物で、顔見知りでもあるので、ある程度の交渉は出来ると、マルナが誇らしげに語っていた。


「ねぇ~ ルインズさん 羊皮紙と、こっちの洋紙だけど、少しまけてくれないかしら?」


 それを聞いたルインズさんは、難しい顔をしながら、この世界で使われる独特の形をした木製の計算機でパチパチと、リズミカルに音を立てながら何やら計算している様子。

 最後にパチン! 景気良く音と立てて、頭を掻きながらマルナにその計算機をみせる。


「う~ん、マルナちゃんの頼みだからなぁ…。こんなんでどうかな?」


 マルナもそれを見て頷く。


「うん! その値段なら買えそうね! それでダインは何枚欲しいの?」

「えっとね、出来れば羊皮紙と製紙併せて100枚位欲しい…」


 ここでも必殺の上目遣いである。


「わ、解ったわ…。ルインズさん、50枚づつ包んでください」


 よしよし、非常に効果的だ。

 今後も、困った時は多様させてもらおう。

 そんな事を考えていると、ルインズさんが俺を見て尋ねる。


「お!? マルナちゃんとこの息子さんが使うのかい?」

「はい、魔法の勉強をしているのです!」


 と元気良く、子供らしく答えておく。


「そうかい、ならもう少しまけておくよ! 息子さんの未来のためにね!」


 おっ!? 期せずして、更にまけてくれるようだ。


「ありがとうございます、ルインズさん」


 と、マルナが深々と頭を下げていたので、俺も一緒に頭を下げておく。

 そして子供らしく―


「ありがとうございます!」


 そして満面の笑顔! これも前世で学んだ処世術だ、良い交渉ごとの後には笑顔! これ大事!


「おぉ!! 小さいのに礼儀正しいな! おじさん感激したよ! もうこうなりゃ100枚纏めて 大銅貨2枚だ!!」


 おぉ~ なんて太っ腹なんだ。

 て言うか、最初いくらだったんだ?


「本当にありがとうございます! ルインズさん、無理してませんか?」


 マルナが、頭を下げながら感謝の言葉と共に、ルインズさんに尋ねた。


「な~に 羊皮紙の値段は無かった事にしただけだ、他の商品で元を取ればいいだけさ!」


 商売人だな、俺も将来、店を開く事があったら、こんな人物を目指したい。


 さてここで、この世界の通過について説明しておこう。

 ここ、中央大陸では、カルリアコインという通貨がある。

 ●カルリア銅貨1枚=日本円にして10円相当。

 ●カルリア大銅貨1枚=日本円にして100円相当。

 ●カルリア銀貨1枚=日本円にして1000円相当。

 ●カルリア大銀貨1枚=日本円にして10000円相当。

 ●カルリア金貨1枚=日本円にして10万円相当。

 ●カルリア大金貨1枚=日本円にして100万円相当。

 となっているので、先ほどの大銅貨2枚は、200円相当になる。


 しかし、あの計算機の使い方が知りたいが、今は紙の方が重要だ。


 さて、羊皮紙と洋紙を50枚ずつ、併せて100枚を、マルナが買い物籠に仕舞い、「ルインズ雑貨店」を出た。

 ルインズさんは、最後まで笑顔で送ってくれていた。

 良い人だ、その内何か恩返ししたいな。


 その後、マルナと一緒に露天を回り、二日分の食料を買い込んで帰宅した。

 本日の出費は、銀貨1枚相当だったようだ。

 帰り際にマルナが。


「今日は、思ったよりも安上がりだったわね、フフフ…」


 と悪い笑顔で呟いていたのが聞こえた。

 なんだが、彼女の主婦力が向上しているのを感じる。


 本日の夕食時、父親であるライアスに、今日、魔法の勉強用に、洋紙と羊皮紙を買ってもらったことを話すと、とても驚いていた。


「ダインお前…、何時の間に字が書けるようになったんだ?」


 と聞いてきたので、俺は笑顔をで。


「2ヶ月前には書けるようになったよ?」


 と答えると、少し呆れた様に。


「まったく大した奴だよ、お前は」


 と、笑顔で俺の頭をガシガシと、撫でてくれた。

 親に褒められるのはやっぱり嬉しいものだ、俺は満面の笑みで、その行為に答えたのだった。


 夕食も終わり、俺は自室で本日の魔法の成果を、出来る限り小さく丁寧な文字で書いていく。

 今日は値切りと、俺の満面笑み攻撃によって安く済んだが、次も上手く行くとは限らないので、今ある分量を、上手く節約しながら使っていかなければならない。

 先ずは、失敗しても良い様に、羊皮紙から使っていく。

 洋紙はバラけ無い様に、重石を載せて、本棚の空きスペースに置いておく事にした。

 さて、今日の魔法は、昨日の時の倍近くは、発動出来ていた様に感じたので、その事を、この世界の文字を使って書き込む。

 これも、この世界で生活して行く上で必要な事だ。

 そして、今日の成果を、一枚の羊皮紙の上の方に、こじんまりと書き、今日は練る事にした。


 そして翌日、今日も朝食の後、ライアスを見送り、マルナは家事に、俺は中庭に出て、体内魔力の鍛錬に勤しむ。

 さて、今日はどの位持つのだろうか…。


 俺は早速、何時ものポーズとなり、大気中から魔粒子を集め、魔力球を作り出す。

 黒く染まった魔粒子が、俺の掌に集まり、魔力球が出来上がる。

 この間僅か2秒!

 なんと、昨日よりもかなり素早く、魔力球が出来上がり、昨日の倍近く維持する事が出来た。

 これは推測だが、明日は更に、これの倍の時間で、魔力球を維持できるのでないかと思う。

 この事を、ヘトヘトになりながらも、今日の成果として、羊皮紙に書き込んでおく。

 そんなこんなで、今日も一日が過ぎていった。


 そして翌日。

 俺はその推測が正しかったと実感する。

 魔力球が出来るまでのスピードは更に加速し、維持できる時間が、昨日の倍になっていたのだ。

 これはしめたと思い、俺はこの鍛錬方法を毎日続ける事にした。


 それから、鍛錬を続ける事3ヶ月。

 俺は一秒も掛からず、一瞬で魔力球を作り出せ、維持できる時間もかなり延びていた。

 そして更に発見だったのが、魔力球は、わざわざ掌に作る必要が無い事も発見した。

 限界距離はあるが、視認できる範囲ならば、生成できる事が判明したのだ。

 しかし、距離が離れれば離れるほど、消費する体内魔力の量が増え、生成するにも、時間が掛かる事が判明した。

 今現在の限界距離は、およそ10メートル程だ、それより先に作ろうと、一瞬で体内魔力が枯渇寸前にまで陥ってしまう。

 沢山鍛えれば、限界距離も伸びると思うが、何年後になる事やら…。


 そんな特訓を続けていたある日。

 台所で、夕食の仕込をしていたマルナが、突然トイレに駆け込んで行く音が聞こえた。

 心配になったので、俺も訓練を中断し、マルナの元に駆け寄る。

 俺が駆けつけた時、マルナは既に、トイレの外だった。


「母さん! どうしたの!」

「ごめんね、心配掛けちゃって…」


 俺が少し困ったような顔をすると、マルナは笑顔で答えた。


「ねぇ、ダイン、もしかすると、来年には弟か妹が、出来るかもしれないわよ」


 衝撃の告白だった。

 てか、あなた達は何時の間に? まぁ、俺が毎日訓練に明け暮れて、夜はグースカ寝てる間にやってるんだろうけど、とにかく嬉しいニュースではありませんか! だったら、子供らしくお願いしてみるか。


「だったら、俺は妹がいいな」


 必殺満面の笑み攻撃だ!


「そうね~、産まれて来るまで解らないけど、そうなるように祈っててね」


 と満面の笑みで返された!


「うん! そうするね!」


 と言って、俺はマルナの背中をさすってから、自室に移動し、本日の訓練を4枚目の羊皮紙に書き込み、いつもの様に、夕食まで読書に勤しむ。


 そして夕食の席で、マルナがライアスに妊娠した事について語ると、何時もは飄々としているライアスが驚きながら喜んでいた。

 そりゃ嬉しいだろうな。俺だって、自分がライアスの立場だったら嬉しくて、喜んでいただろうからな。

 この日の夕食は話題の耐えないものとなり、何時も以上においしく頂きました。 

 私の拙い文章を、読んでくださっている皆様に感謝しております。

 アクセス数が増えると嬉しいものですね。

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