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第一話 こんにちは、異世界

 初投稿となります。

 小説も初心者です。

 誤字脱字も多く、拙い文章ですが、どうぞお手柔らかに。

 ある休日の昼下がり、俺は都内でも有名なショッピングセンターに来ていた。

しかし、運が悪かったのかどうかは解らないが、爆弾テロってやつに巻き込まれてしまったようだ。

 犯人は数十人程居るらしい、そして今、俺は手足を強力粘着テープで拘束されている。同じように人質となっている人は、俺を含めて約100名程だ。


(あぁ~、マジで運悪すぎだろ…)


 そんな事を考えていると、爆弾テロの犯人から、いかにもな怒鳴り声があがる。


「おら! テメーら! 騒いだりしたらその場でぶっ殺すぞ!」


 と、マシンガンを俺達に向けながらそう言った。正直テンプレな台詞に笑いそうになったが気合で押し殺す。

 なぜかと言うと俺達人質は、とあるフロアに集められていて、そのフロアには既に、ワンスイッチで、ショッピングセンターを全壊させるほどの爆薬がしこまれているからだ。


 何故俺がそんな事を知っているのかって?

そりゃ爆弾テロ犯の人がそう言ったからですよ。


 しばらくすると犯人の一人が、ショッピングセンターを取り囲んでいる警察と、携帯電話で交渉をしている、小声だし、距離が離れているので、何を話しているのかは聞き取れないが、正直その雰囲気で、交渉は決裂したんだろうと解った。

 男がその携帯電話を床に叩きつけ、俺達人質にこう言った。


「お前達には恨みはないが… 俺達と一緒に死んでもらう…」


 そう言った直後、男は手に持っていた爆弾の起爆装置を操作し、フロアに仕掛けられた複数の爆弾を一気に起爆させた。


 爆ぜる音がやたらとゆっくり聞こえてくるのは、死を前にした時特有のスローモーションってやつなんだろうか、これまた、ご丁寧にゆっくり爆風が迫ってくるのが良く解る。

 思い返せば、大した人生でも無かったと思えるが、人並みの経験は一通りしてきたと思う。

 心残りがあるとすれば、まだクリアしてなかったゲームが幾つかあったかなって位だろう。

 今現在彼女は居ないし、親も既に他界済みだったからそんな余裕があるんだろうかと思った瞬間、その時は来た。


 俺の頭上から迫るコンクリートの塊、スローモーション状態で、はっきりと大きさが解るのが悲しい。


(あぁ、終わったな、33年の俺の人生)


 そう思った瞬間、俺の意識は一気に遠のいた。


■■■


 意識が遠のいて、どの位の時間が経ったのだろうか。

 とても柔らかい感触のする所に横たわっている感覚が確かにある。

 あの爆発と建物の崩壊、そして最後の瓦礫に押しつぶされる記憶、どう考えても即死で間違い無かった。

 俺は怖かったので目を閉じていたが、勇気を振り絞って目を開けてた。


 するとそこに映ったのは、少しぼやけて映る見知らぬ天井だった。

 しかも辺りは妙に薄暗い、しかも蝋燭の火と思しき明かりがある程度だ。

 現代の日本の医療施設の天井でも空間でも無い、明らかに文化レベルの低い場所だった。

 まさかと思うが、最近流行の異世界転生か? とも思った。

 しかし、断定するのはまだ早い。もしそうなら、俺の手足は赤ん坊サイズになっているはずだ。

 早速確認してみると、頭が思うように上がらない、寧ろ全身に力が入らないのだ。

 仕方がないので、手だけを目の傍に持ってくると…。

 成人男性だった俺のごついが繊細で、しなやかな動きが出来る手ではなく、赤ん坊特有の、丸みを帯びた、ずんぐりむっくりとした可愛らしい手が目に映った。

 驚いて声を出そうとしたが、うめき声しか出せない事に気が付いた。


(おいおい、マジで異世界転生ですか…。しかも赤ん坊とは…。二足歩行出来るまでが長いんだろうな…)


 そんな事を考えていると、ギシギシと足音のようなものが聞こえてくる。

 そして、聞いた事も無い言語も聞こえてくる。その言語の音は2種類。

 一つは優しそうだが、凜とした感じの女性と思しき声。

 もう一つは、男らしい誇らしげで威厳のありそうな声。

 何故その音を言語と断定できたのか?

 それは、二つの声がとても楽しそうに聞こえたからだ。

 そして、ギギィと音を立てながら戸が開かれ、二人の男女が入って来た。


 入って来るなり、おもむろに俺の顔を覗き込む女性の顔。

 髪の色は青色だったので西洋人かと思ったが、よく見ると髪の毛は水色で、しかも喋っている言語は英語ではなかった。

 しかしこの女性、メッチャ美人だ。脇の下辺りまである水色の長い髪を、後ろでまとめて背中に流している。

 しかも巨乳で、腰はくびれており、かなりのモデル体型である。

 その女性は、恐らく俺の母親なんだろうと思えた。

 母親と思しきその女性は、俺を軽々と抱きかかえ、俺の股座をあさったり、その豊満なバストを曝け出し、そのツンとした先を俺の口元に向けたりしていた。


(あ~、こりゃ完全に俺は赤ん坊だな。しかし、確かに腹が減ってる。ここは遠慮無く頂いておこう)


 そして俺は、そのツンとした先端に吸い付き、母乳を鱈腹飲んだ。

 正直味がどうのこうのよりも、腹を満たせたのが何より満足だった。

 そして、優しい口調で俺に語りかけてくるが、何を言っているか解らないのが残念だったが、俺の背中を軽く叩いてゲップ出させてくれた。

 母親と思しきその女性の、すぐ左横に立っていたのが、父親と思しき人物だ。

 この男もかなりのイケメンだ。髪の色は茶髪で、目の色は赤である。現代日本であれば、ドキュン感じに見えるだろう。

 そしてその目付きは鋭かった。

 この夫婦ならば、俺もそれなりのイケメンになるだろうと思った。


(流石にここまで来ると、異世界転生だと断言した方が良いだろう)


 そんな事を思っていると、母親と思しき女性が、理解不能の言語で俺をあやす。

 その後、今度は男性と俺の腹をみながら、やたらと嬉しそうに会話している。

 膨れた腹を見ながら何を会話しているのかと思ったが、満腹で睡魔が襲ってきたので、そのまま眠る事にした。赤ん坊は寝るのも仕事だからな。

 しかし、この言語もしっかり聞いてみれば、何度か同じ単語が出てきたり、動詞や助動詞などがあることがなんとなく理解できた。

 しばらくの間は、この言語の解読に勤しむとしよう。


 俺が異世界転生を果たして何日か経過したが、正直赤ん坊はすぐに体力の限界が来るようだ。

 特に動き回るわけでも無いが、両親の会話に耳を傾けながら、その言語の解読に勤めた。

 前世では忍耐力の要る仕事をしていたので、こういう時間の掛かる解読は特に苦痛は無かったが、赤ん坊と言う立場はかなり不自由だった。

 腹が減っては呻き、寛いでいる母親に母乳を貰う。

 寛いでいるところすまないねぇ~。と思いながらも、その豊満な乳にむしゃぶりつく。

 そして、まだ解読できていない言語であやされて、満腹になった後の睡魔に勝てず、そのまま眠りに落ちてしまう。

 まぁ、我ながら思うが、五月蝿く無い赤ん坊だと自負している。

 だがしかし、この世界の言語を早く覚えなくては…。


 ある日の朝、俺の視力が若干良くなっている事に気が付いた。

 まだ少しぼやけてはいるがね…。

 俺が何時も寝ているベットの有る部屋には、本棚がある事が解った。

 パッと見だが、50冊程の本が置いてあるように見える。

 これはしめた! と思ったが、まだ這い這いも出来ない体だ…。

 無理は出来ないので、母親か父親が、この部屋まで来るのをジッと待った。


 体感時間で数分後…。父親が入って来た。

 俺は父親に抱っこして欲しそうに手を伸ばして、少し呻いてみた。

 すると父親は、俺をすっと抱き抱えてくれた。

 そして、すかさず本棚と思しき棚の方角に向けて、手を全力でブンブン振って見せた。

 そんな俺の行為を見た父親は、少しだけ不思議そうな顔をした後、俺を抱えたまま本棚の所まで歩く。

 父親は嬉しそうに、一つの本を取り出してくれた。

 本の表紙には、剣を持った人間と、火を吐くドラゴンの絵が描かれていた。

 恐らく、何かしらの童話なんだろうと思い、表情筋が発達していない赤ん坊でも出来る精一杯笑顔をし、嬉しそうな奇声をあげる。

 父親も嬉しかったのかどうか解らないが、なにやらニコニコしながらその本を読んでくれた。

 その本は思った通り絵本だったが、この世界の言語を学ぶ絶好の機会なので、その日は一日中父親にその本を読ませた。

 ただ読ませたわけではなく、その本の内容を創造しながら単語単位、動詞単位などで言葉を分析していく。

 絵本とは言ってもかなり分厚く、ページ数は200を超える。

 そして一日中読んでもらった内容を、後で頭の中で反復練習する。

 俺はそんな感じの日々を過ごしていった。


 異世界転生より、恐らく半年程も過ぎた頃。

 俺は、この世界の言語をある程度理解出来るようになった。

 あの日から、父親と母親に何度も読んでもらった、白の勇者と邪龍の御伽噺が発端となり、色々な書籍を読めるまでになっている。

 今は母親のマルナが、冒険者をやっていた時に愛用していた植物辞典を見せてもらっている。

 マルナというのが母親の名前だ、父親はライアス、俺はダインと呼ばれている。

 現代日本ではキラキラしている名前のようだが、異世界では普通の名前なのだろう。今は特に気にしていない。

 植物辞典をめくるマルナの手が止まり、ライアスに語りかける。


「ねぇ、ライアス。この子神童なんじゃないかしら?」

「どうしたんだ? 突然?」

「だって…。この子…。魔結晶は黒だし、こんなに早くから本に興味を持つなんて、普通じゃないわよ?」

「そうなのか?」

「ええ…。私だって、本を読み出したのは7歳からよ? それに、ダインはもう言葉の意味をある程度理解してるみたいだし」

「最低でも、この子が言葉を話せるようになるまでは、解らないんじゃないのか? 考えすぎだよ」

「う~ん、それもそうね…。じゃダイン、この薬草はね―――」


 そんな会話していた、流石は母親だな、感付くのが早い。

 確かに俺は、前世の記憶を残したままこの世界に転生している。

 最近のラノベやゲーム、アニメなんではお馴染みの展開だ。

 そうそう、魔結晶についても説明しておこう。

 その魔結晶は、臍の辺りにある。

 ビー玉程の大きさのある、丸みを帯びた宝石のような結晶である。

 この魔結晶には魔力が宿り、魔法を行使する際に用いると言う。

 魔力ってのが、実際どういうものかはまだ良く知らないがね。

 そう、俺が転生したのは、剣と魔法のファンタジー世界だという事だ。

 因みに、俺の魔結晶は黒色で、とてつもなく珍しい色らしい。

 魔結晶の色は遺伝ではなく、生まれ持った才能とも呼ぶべきモノのようで、俺の魔結晶は魔法の才能の塊らしい。それを知った時は一日中上機嫌だった。

 そして、この魔結晶は、ある種族だけ額にあるのだという。


 次に、この世界の種族について語るとしよう、大きく分けて4種族いるという。

 俺達のように地球人そっくりなのがマルーノという種族、魔結晶は臍辺りにある黄色人種だ。

 あるかどうか解らんが水着姿で臍が見れないのは非常に残念だ…。

 話がそれた。


 次にエルフ、ファンジー世界ではお馴染みの耳が長い種族。

 皆メッチャ美形である、魔結晶は臍、皆色白の体表をしている。


 次がドワーフ、ずんぐりむっくりの体系だが、膂力が非常に強く、鍛冶が得意なファンタジー系お馴染みの種族。

 こちらも同じく魔結晶は臍、皆こげ茶色の体表をしている。


 最後がデモニック、この種族だけ額に魔結晶があり、こめかみの部分から大なり小なり角が生えている。

 体つきもがっちりしていて、いかにも戦闘民族的な雰囲気が漂っている、肌の色は色々いるようだ。


 何故見たことがあるように言えるのかって?

 実際に見たからである。

 俺が生まれたのはルキリア王国って国の城下街ルキリスだ。

 この王国は4種族の共生を掲げている王政国家である。


 俺は2日に一回、マルナに抱っこされながら、城下街の市場に出掛ける。

 その市場では、その4種族がそれぞれに商店をしていたり、露天を出していたりする。

この城下街は4層に分かれていて、ルキリア城のある最上層、ルキリア貴族達の住む上層、俺達平民の暮らす一般層、港街でもあるルキリスの港層(下層)である。

 母親であるマルナが、買い物に行く時に、一般層に住む他種族の方々に笑顔を振りまくついでに、社会見学をしていたのだ。

 お陰であった事の無い人型種族は居ない。

 後は妖精やらも居るらしいが、人里離れた森の中や、神聖な湖、神殿なんかにしか居ないらしい。


 軒並み俺はすくすく成長している、そうそう、ここ最近やっと這い這いが出来るようになったのだ。

 半年ってのが早いのか遅いのか知らないが、日々の努力の結晶だろう。

 這い這いできた時、両親は親馬鹿全開で…。


「家の子は天才だ!」


 なんて叫んでいた。

 まぁどこの親もそういうもんなんだろうな、よく聴く話だし。

 しかし、魔法は早く使ってみたいなと思う、その為には、まず言語を話せるようになり、分厚い辞典を持ち運べる歳にならなくてはならない。


 そんなこんなで、あっという間に2年の月日が流れ、俺は言葉を話し、二足歩行出来るまでに成長していた。


 そんなある日に…。


「母さん、俺に魔法を教えて」


 とマルナに聞いてみた。

 下書き自体はもう少し先の話まで書けていますが。

 訂正しながらなので、途中から失速するかもしれません。

 何度か見直して、整合性を取っています。

 少し追加した文章もあります。


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