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武器召喚士  作者: どこぞの委員長
第一章~ファイント~
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訓練そして戦いへ

どうも、どこぞの委員長です。


前回は、訓練が始まるところで終わりましたね。


ではその続きです。


どうぞ!

ライノに案内されて入ったのは、第一訓練所だった。

訓練所といえば何かすごいものがあるような気がするが、第一訓練所は一般的な学校でいう体育館のようなものだった。


「ここが第一訓練所か。なんか普通だな。」

「はは、ここは確かに普通だけど、他の訓練所には模擬戦なんかもできるところもあるよ。」

「マジか、でもファイントは一体一体違うんじゃなかったか。」

「ああ、確かに違うけど、たまに同じようなものが出ることがあるんだ。」

「なるほど。」

「それに、ファイントは大体レベルによって大きさが変わるから、形は違っても大体同じくらいの大きさのファイントと戦えるのは、結構便利だよ。」

「そうなのか。」


そんな話をしながら、第一訓練所の真ん中くらいまで来た時だった。

訓練開始五分前の予鈴が鳴った。


「おっと、もうちょっとだから急ごうか。」


そうして、俺たちは少し走ることにした。

集合場所に着くと、もうクラスのみんなは集まっていた。

そうして、藤林先生が入ってきて、俺たちの初めての訓練が始まった。


「さあみんな、今日は速く武器を召喚をする訓練だ。今日は初めての人もいるから、ライノにお手本としてやってもらう。ライノ、前へ出てこい。」

「はい。」


そう返事をして、ライノはみんなの前に出た。


「ではライノ武器を召喚してみろ。」

「はい。アンヴォカシオン!」


ライノがそう言うと、指輪が発光しライノの手に槍が握られていた。


「おお。」「すごいわね。」


そう、ライノは武器の召喚を0.5秒ほどでやったのだ。


「ライノ、まだ少し遅いな。0.3秒でできるように練習しろ。」

「はい、わかりました。」

「あれで遅いのか!っていうか、0.3秒って並の速さじゃないぜ。」

「そうよね。0.3秒って言ったらほんとに速いわよ。」

「おっと、これは二人は知らないな。あの三人は、0.1秒ほどでやるぞ。」

「マジか・・・でも、あの三人はサモンリングは使わないんじゃなかったか?」

「いや、サモンリングを使った場合だ。今のあの三人には、召喚の言葉を言う必要がないから、もっと速いぞ。」

「そういうことか。わかった、なら俺たちもがんばらないとな。」

「そうね。」

「では、神永と神薙にやってもらおうか。」

「へ・・・」「え・・・」


いきなり先生が武器召喚するように言ってきたので、俺たちはそれを理解するのに少し時間がかかった。


「マジですか。」

「ああ、本当だ。とりあえずこっちに来てやってみろ。」

「わかった。」「わかりました。」


そう言って俺たちは、みんなの前に出た。


「では、始め。」


その声とともに俺たちは叫んだ。


「アンヴォカシオン!」


そして、それにこたえるように指輪が発光し、次の瞬間俺たちの手には、剣と弓が握られていた。

そしてみんなの顔が、信じられないようなものを見たような感じになっていた。


「みんなどうしたんだ?」

「悠樹、穂乃香さん、武器召喚するのはこれで何回目だい?」


みんなを代表して、ライノがそう聞いてきた。


「2回目だ。」「2回目よ。」

「2回目?2回目でこんなに早く召喚できるのか?」

「今のは、速かったのか?」

「今のは、たぶんだけど0.2秒くらいだと思うよ。」

「マジで・・・」「ウソでしょ・・・」

「いいや、ほんとだ。私がはかったところ、二人のタイムは0.15秒だった。」


俺たちが驚いていると、先生が俺たちのタイムを教えてくれた。


「0.15秒ってあの人たちのレベルじゃない!」

「どうして入った日からこんなに速いんだ!」


まあ、思った通りクラスメイト達が騒ぎだした。


「みんな、静かにしろ。この二人は、ヴンダーが高いからできたのかもしれない。だが、みんなができないわけじゃない!練習すれば0.2秒台は出るようになる!これからは自主練だ。では、始め!」


そんな先生の言葉とともに、みんなのやる気がドンと上がった。

そうして、みんなは俺たちより早く召喚できるようになろうという気持ちで、練習を始めた。

俺たちも練習を始めようと思い、サモンリングにヴンダーを集中させはじめた。


「神永、神薙、少し私のところに来てくれ。」


そのとき、先生が俺たちを呼んだので、俺たちは先生の所へ行くことにした。


「何だ?」「何ですか?」

「ああ、またすぐに実戦が来るだろうから、今話しておく。実戦になると、この前った通り100m×100mの正方形の中で戦うことになる。ここでは、気を抜くと一瞬でファイントに追い詰められてしまうから、絶対に気を抜くなよ。それから、戦いでは仲間との連携が重要になってくる。しっかり声を掛け合って、集中してファイントを倒してくれ。」

「わかった。」「わかりました。」


そうして、何度か召喚の練習をして、俺たちの初訓練は終わった。

教室に帰る途中ライノが俺たちに話しかけてきた。


「君たちは、ほんとにすごいね。ヴンダーは高いし、武器召喚は速いし、なんか委員長らしいところが全く見せられないよ。」

「そんなことはないぜ。ライノがいなかったら、ここの場所もわからなかったし、他にもいろいろと教えてくれたじゃないか。十分、委員長らしいことはしてくれてるぜ。」

「そうよ。ライノさんがいてくれて、私たちは良かったって思ってるんだから。」

「そうか、君たちは優しいな。でも、ありがとう。」


そう言って、ライノはいつもの調子に戻った。



それからも訓練を重ねて、1週間がたった。

大体この学校にも慣れてきて、大体どこに何があるかもわかってきた。

そんなある日のことだった。

俺たちが、廊下を歩いていると放送が入った。


「Aクラスの人は、至急クラスに戻ってください。ファイントが出現しました。繰り返します、Aクラスの人は、至急クラスに戻ってください。ファイントが出現しました。」

「ファイントか!悠樹、穂乃香さん、急いでクラスに戻ろう!」

「ああ、急いだほうがよさそうだな。」

「ええ、わかったわ。」


そして俺たちは、走って教室へ戻った。


「神永悠樹、神薙穂乃香、ライノ=セブンスワーク、戻りました!」

「よし、全員そろったな。出現ポイントは、国立加瀬高校だ!今回はレベルⅣだそうだ。サモンリングを準備しろ、1分後に出発する!」

「はい!」


先生からの報告があり、俺たちは急いでサモンリングを準備した。

やはり俺のカンは正しかったようだ。

1週間前に偵察に来ていたファイントが戻ってきたのだろう。

俺たちの母校だ、何とかして食い止めなければならない。


「よし、準備はできたな。では、出発だ!」


そう言って先生は、ある部屋に走り出した。


「どこへ向かってるんだ?」


俺がそうつぶやくと、ライノが答えてくれた。


「{ダイレクトテューア}があるところさ。」

「ダイレクトテューア?」

「ああ、いつできたか、どうやってできたかもわからない、どこにでもつながる扉だよ。そこから、ファイントがいるところまで一瞬で移動できる。」

「そんなすごいものがあったのか。」

「なぜかここにあったらしい。ほら着いたよ。」


そこには、仰々しい一つの扉があった。


「みんなそろっているな。では行くぞ!」


そう言って先生は、扉を開いた。

俺たちが扉をくぐると、そこは加瀬高校のグラウンドだった。

そして、数十メートル先にファイントがいた。


「よし、では戦闘開始だ!HLKバリアをはれ!」


先生の掛け声とともに、HLKバリアがはられた。

その違和感に気付いたのか、ファイントがこちらを向いた。

そのファイントは、トラのような形で背中に触手のようなものが生えていた。

正直、すごく気持ち悪かった。


「全員武器召喚!」


先生の掛け声で、みんなが叫んだ。


「アンヴォカシ・・・」


しかし、そこでみんなの声は途切れた。

ファイントが奇声を上げだしたからだ。


                   ピシリッッ!


そして空気中を、そんな音が走った。

みんなのサモンリングが、割れた音だった。


「え・・・」

「ウソだろ・・・」

「なんで・・・」


クラスメイト達はみんなパニックになっていた。

それはそうだろう、サモンリングが割れたのだから。


「みんな落ち着け!今、セントラル・バージスに救援要請を送った!一時退避するぞ!」


先生の掛け声で、みんなは一時戦線を離脱しようとした。

そのとき、みんなを逃がすまいと思ったのか、ファイントが触手を伸ばして攻撃してきた。

その標的になったのは、穂乃香だった。


「っ!!」


俺は、穂乃香を守るために武器が召喚できないことも忘れて、彼女の元へと走った。


「くっそ、間に合えぇぇぇ!」


俺の叫び声で、穂乃香もファイントの攻撃が自分に向かってきていることに気付いたらしく、全速力でダイレクトテューアに向かって走りだした。

だがこのままでは追いつかれてしまう。

そう判断し、俺は一層スピードを上げて穂乃香の元へ走っていった。

はい。


今回も読んでいただきありがとうございます。


次回は、穂乃香を助けに行った悠樹はどうなったのか、というところからですね。


(あれ、こんな展開、前にもあったような・・・)


次回もよければよろしくお願いします!

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