セントラルバージス
どうも、どこぞの委員長です。
前回は、強制編入指令が来たところで終わりましたね。
ということで、その続きです。
どうぞ!
俺は、布団に入って強制編入指令のことを考えていた。
(どうして、俺と穂乃香に強制編入指令なんか届いたんだろうか?俺と穂乃香は学年も違うし、性別も違う。何か、共通点があったけ?)
「あっ!!」
俺はなぜそれを忘れていたのだろうか。
穂乃香と俺の共通点、それは「二人ともファイントが見える」ということだった。
そして俺は、(これはおそらく、ファイントについてのことで編入させられんんだろう)という結論に至った。
「これを穂乃香に伝えなきゃな。」
そう呟き、俺は穂乃香に電話をかけた。
数回のコール音の後、穂乃香が電話に出た。
「先輩、どうしたのこんな夜中に・・・」
「俺たちに強制編入指令が来た理由が分かったかもしれない!」
「ほんと!詳しく聞かせて。」
「ああ、まず俺たちの共通点は何だって考えた時、二人ともファイントが見えるってことに気づいたんだ。」
「ええ、確かに言われてみれば、ファイントが見えるのは、イレギュラーなことだったわね。」
「そして、昼休みに現れたあいつだよ。」
「昼休みの人っていうと、ファイントが見えているのか聞いてきた人ね。」
「ああ、あいつが政府の人間なら、ファイントが見える俺たちを、ほっておくわけがない。」
「そうね。だとすると、セントラル・バージスにいる人は、みんなファイントが見えるってこと?」
「まあ、そうなるな。」
「でもそれなら、政府の人たちはファイントが見える人を集めて何をしようとしてるのかしら?」
「そこまでは分からない。でも、何かしようとしているのは確かだ。」
「考えても仕方ないわね。まあ、でも明日セントラル・バージスに行けば分かることだし、今日はもう寝ましょう。」
「ああ、そうだな。お休み穂乃香。」
「お休み先輩。」
そうして俺たちは、眠りについたのだった。
次の日になっても、何か変わったこともなく、いつも通りの朝がやってきていた。
俺は、眠い目をこすりながら考えていた。
(ああ、今日からセントラル・バージスへ編入か。どんな所なんだろう。)
そこまで考えたところで俺は、重大なことに気が付いた。
(セントラル・バージスってどこにあるんだ・・・)
そう、俺はセントラル・バージスがどこにあるか知らないのだ。
(穂乃香は知っているのか?いや、あの紙にも書いてなかったし、どうすればいいんだ・・・とりあえず、準備だけしとくか・・・)
そう決めた俺は、とりあえずいつも学校に行く準備をした。
そして、穂乃香を迎えに行った。
穂乃香の家のチャイムを鳴らすと、穂乃香の声が聞こえてきた。
「あら、先輩どうしたの?」
「今日から編入ってことだったけど、どこへ行ったらいいかわかるか?」
「ちょっと待ってて、今出るから。」
そう言うと、穂乃香は家から出てきた。
「どこに行けばいいのか、私も知らないのよ。だから、とりあえず学校の準備だけはしておいたの。」
「実は、俺もそうなんだ。ほんとにどこへ行けばいいんだろうな。」
そんな会話をしていると、後ろにやたら高そうな車が一台止まった。
そうして、その車から出てきた黒スーツの男が、俺たちに話しかけてきた。
「私は政府から派遣された者です。あなた方は神永悠樹さん、そして、神薙穂乃香さんでよろしいですか?」
「はいそうですけど・・・」
「そうだけど・・・」
「では、セントラル・バージスへお送りいたします。車にお乗りください。」
そう言って、その男は車の扉を開いた。
「いや、あんた怪しすぎるだろ。いきなりお送りしますとか言われても、信じれねえよ。」
「そうですか、ならこれで信じてもらえますか?」
そう言って男は、ポケットから四角い何かを取り出し、俺たちに見せてきた。
確かにそれには、政府の人間であることが示されていた。
「わかった。あんたは怪しいやつじゃないみたいだな。」
「信じてくれてよかったです。では、お乗りください。」
そういうわけで、俺たちは車へと乗り込んだ。
車の中で、俺たちはセントラル・バージスの大まかな概要を聞かせてもらった。
簡単に言うと、セントラル・バージスは、ファイントと戦う人を育成する学校らい。
そして、全寮制らしい。
俺と穂乃香のように、親が海外を飛び回っているような人たちでなければ、政府は親も説得したのだろう。
もちろん、「戦いたくない人はいかなくてもいい」なんてことはないらしかった。
まあ、強制編入指令がきている時点でわかるだろって話だけど・・・
そんなことをしていると、車がある場所へと入っていき、そして止まった。
「着きました。」
そういう男の声とともに扉が開いた。
そこにあったのは、やたらでかい建造物だった。
「大学クラスなんじゃねえか、ここ・・・」
「そうね。大きいとは聞いてたけれど、こんなに大きいとは思いましなかったわ。」
「二人とも学長がお呼びですので、学長室へ行ってください。」
男はそう言い残して車でどこかへ行ってしまった。
だが、俺たちは学長室など知らないわけで・・・
「いや、おい、どこ行くんだよ!俺たちここに来たの初めてだぞ!学長室なんて知るわけないだろう!」
「なら、私が案内しようか?」
不意に後ろから声が聞こえた。
「誰だ!」「誰!」
俺たちは二人とも後ろを見た。
するとそこには、あいつがいた。
昼休みに、俺たちがファイントが見えるということがばれた奴だ。
「やっぱりお前はこっち側の人間だったのか。」
「また会ったね、悠樹君、穂乃香さん。」
「なぜ俺たちの名前を知っている!」
「そうよ、何で知っているの!」
「名簿を見せてもらったんでね。それは置いておいて、どうするんだい?」
「まあいい、とりあえず学長室へ案内してもらおう!それでいいか穂乃香。」
「ええ、いいわよ。」
「じゃあ、案内しよう。」
そう言ってそいつは、学長室へと案内してくれた。
そして学長室の前で、がんばれよ、といって別のところへ行ってしまった
「とりあえず入るか。」
「そうね、入りましょう。」
そうして俺は、学長室の扉をノックした。
すると中から、
「どうぞ。」
という声が聞こえてきたので、俺たちは失礼しますといい、学長室へ入っていった。
はい。
今回も読んでいただきありがとうございます。
今回は、少し短めになってしまいました。(完全にこっちの都合です。すいません・・・)
次回は、「学長室で何があるのか」というところからです。
次回もよければよろしくお願いします!