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武器召喚士  作者: どこぞの委員長
第一章~ファイント~
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一通の手紙

どうも、どこぞの委員長です。


前回は、昼休みの話でしたね。


今回は、ほんとにパフェおごりに行きます。


では、どうぞ!

休み時間終了のチャイムとともに、やっと質問攻めが終わった。

そして、今日最後の授業である6限目が始まった。

俺は、授業を受けながら、今日の昼休みのことについて考えていた。


(結局、あいつは何がしたかったんだろう。俺たちが見ている間、動かなかったし、最後は光って消えたしな。それに、ファイントっていう名前があるらしいし・・・考えれば考えるほどわからなくなってきた。まあいいか、また放課後、穂乃香と一緒に考えよう。)


その結論に達した俺は、授業を聞きながら空を眺めていた。

そして、特に何も起こることなく6限目が終了した。

そのあとHRが終わり、俺は穂乃香を迎えに行くかどうか悩んでいた。

(穂乃香が朝、クラスに来るとか言ってたし、こっちから迎えに行かなくてもいいかな?でも、正直、穂乃香がクラスに来ると、変な噂が立ちそうだしな。迎えに行くか!)

そう決心して、俺は荷物をまとめていた。

そのとき、教室が少し騒がしくなった。

何があったんだろうと思って、荷物をまとめながら少し聞き耳を立ててみた。


「わぁ、あの子かわいい。」

「どこのクラスの子だろう?」

「おれ、ああいう子めっちゃ好みだ!」

「誰か待ってるのかな?」


そんな感じの会話が聞こえてきた。

でも、(まあ俺には関係のないことだし、早く穂乃香を迎えに行かなくちゃ)と思い、急いで準備を終わらせた。

そしてドアのほうを向くと、そこには帰りの用意をした穂乃香が立っていた。


「ちょっ、お前何でここにいるんだ!」


俺は、まさか穂乃香が来ているとは思っていなかったので、びっくりしてこう言ってしまった。


「先輩、準備できた?じゃあ、行きましょうか。」


まあ、普通に返事が返ってきたのだが、問題はそのあとで・・・


「えっ、あの子が待ってたのって、神永君だったの?」

「いや、それはないと思うよ。」

「でもあの子さっき、神永君のこと先輩って呼んだわよ。」

「神永にこんなかわいい子が寄ってくるはずがない、きっと脅したんだ。」


とまあ、こんな感じでクラス中が俺たちを見ていた。

とりわけ、男子たちからは、すごくうらやましそうな視線がこちらに向かって飛んできていた。

穂乃香はそれを全く気にもせず、俺に話しかけてきた。


「先輩、早くしてよ。準備は終わってるんでしょ。」

「ああ、今行くよ。」


俺はそう言って、穂乃香のもとに向かいながら(ああ、明日から俺はどんな仕打ちを受けるんだろうか。)と少し憂鬱な気持ちになっていた。

俺は、周囲から冷たい視線を受けながら、穂乃香と一緒に校門へ歩いていった。


「穂乃香、なんで教室に来たんだ?」

「あら、朝、私が先輩を迎えに行くって言ったじゃない。」

「確かに言ってたな。でも・・・いや、何でもない。集合場所決めるの忘れてたから、行こうかと思ってたんだけど、行かなくてよかった。行ってたら入れ違いになるところだったからな。」

「そうね。で、先輩どこに行くか決めてる?」

「パフェ食いに行くんだから、喫茶店かどっかだろうけど詳しくは決めてないな。」

「そう、じゃあ私がよく行く店があるから、そこにしましょう。ここから歩いてすぐだし。」

「ああ、それでいいならそこでいいぜ。」

「じゃあ、しっかりついてきてね。」


そう言うことで、俺たちは穂乃香がよく行く店にパフェを食いに行くことになった。

俺たちは歩きながら、今日のことについて話していた。


「うーん、やっぱり考えてもわからないんだよな。」

「何が?」

「いや、結局ファイントは何がしたかったんだろうなって。」

「そうね、特に動きもなかったし、挙句の果てに消えたしね。」

「だろ。ほんとに何がしたかったのかわからないんだよ。」

「まあ、ちょうど着いたから、続きは中で話しましょうか。」


そう言って、穂乃香は一軒の店を指さした。

そこには、「スイーツフェスティバル」という名前の喫茶店があった。

俺たちは中に入り、少々無理を言って、一番端の席に座らせてもらった。

ファイントの話をほかの人に聞かれないようにするためだ。

そこで、穂乃香はもちろんパフェを、俺はコーヒーを頼んでさっきの話の続きが始まった。


「どこまで話したっけ。」

「ファイントが何をしたかったのかでしょう?」

「そうそう、ファイントがしたかったのは偵察なんじゃないかと俺は思うんだ。」

「なるほどね。まず偵察して、そのあとに攻撃を仕掛けるってことね。」

「そうだ。そして、俺の意見が正しければ、あいつはもう一度学校に来るはずだ。」

「でもちょっと待って、偵察ならもっと隠れて行うものじゃない?あいつは、私たちの見える中庭の、しかもほぼど真ん中にいたのよ。偵察にしては、不用心すぎると思わない?」

「確かにそうだ。でも、もしあいつが、俺たちもみんなと同じように見えないと思っていたら?」

「その可能性はあるわね。なら、あなたの意見は正しいんじゃないかしら。」

「ありがとう。じゃあ話を戻すけど、あいつはもう一度学校に来ると思うんだ。しかも、次は攻撃的になってな。」

「それはまずいわね。で、あなたはどうするつもりなの?」

「考えてない・・・」

「考えてないの?あれだけ力説しておいて。」

「だって仕方ないじゃないか!あいつをどうやったら倒せるかわからないし、それに、どんな攻撃がきくのかもわからないんだから!」

「まあ、それもそうね。じゃあ、今日の晩にでも考えてみるから、先輩も考えてきてね。」


気づいたら、俺たちの手元にあったパフェとコーヒーはすっかりなくなっていた。

なくなってしまった以上、長居はできないので、俺たちは店を出ることにした。

レジで精算をしてもらい、店を出ると穂乃香がお礼を言ってきた。


「ありがとう、先輩。」

「いや、朝あんなことをしちまったんだから、当然だよ。」

「そう、でもやっぱりお礼は言っておくわ。」

「そうか、穂乃香はいいやつだな。」

「ふふ、ありがと。」


そうして、俺たちは家へと変えるため歩き出した。

しかし、歩き出してから何分たっても穂乃香と進行方向が変わらなかった。

さすがに、おかしいなと思いだした頃、向こうも同じことを思っていたらしく、


「先輩って家どこなの?」


そう穂乃香が聞いてきた。


「このあたりだが、穂乃香は?」

「私もこのあたりよ。もしかして、向かいだったりしてね。」

「まさかな・・・おっ、そう言ってるうちに着いたぞ。」

「えっ、先輩まさかその家?」


穂乃香がそう言いながら指さしたのは、間違いなく俺の家だった。


「私の家、あれなんだけど・・・」


その家は、ちょうど俺の家の向かい側だった。


「ウソだろ、マジで向かいじゃねえか・・・確かに最近うちの前に誰かが越してきたみたいだったが、まさか穂乃香だったとはな。」

「ほんと、不思議なことってあるものね。」

「ああ、ほんとにそうだな。じゃあ、とりあえず今日は解散しようか。」

「ええ、そうね何かあったらここに連絡頂戴。って言っても家、前だけどね。」


そう言って渡されたのは、かわいらしい文字で書いてあるメールアドレスと電話番号だった。


「いいのか。」

「ええ、あなたに渡すつもりで作ったんだから。」

「ありがとう。あ、ちょっと待ってて。」


そう言って俺は、自分のメールアドレスと電話番号を急いで紙に書いた。


「これは俺の番号だから、そっちも何かあったらここに連絡してくれ。」

「ありがと。じゃあ何かあったら連絡させてもらうわ。」


そういって、俺たちは自分たちの家へと帰った。

そして、家に入る前にポストを見るとそこには一通の手紙が入っていた。

さらに驚くことに、その手紙は政府から送られてきたものだったのだ。

そのとき、俺の携帯の着信音が鳴りだした。穂乃香からだった。

俺が電話に出ると、焦った穂乃香の声が聞こえてきた。


「先輩、どうしよう。政府から強制編入指令が来たんだけど・・・」

「なんだって。」


(まさか俺も同じものか。)そう思い、俺はその封筒を開けた。

中に入っていたのは、やはりというか強制編入指令だった。


「穂乃香、俺にも同じものが届いている。これはいったいどういうことなんだ。」

「私にもわからないわ。でも、私と先輩は明日から{セントラル・バージス}っていう学校に行かなくちゃならないみたい。」

「そうか、とりあえず一晩ゆっくり考えてみよう。どうせ、明日の朝になったら全部わかるだろうから。」

「そうね。じゃあ、また明日。おやすみ。」

「ああ、おやすみ。」


そんなことで、俺たちはどうやら明日から転校することになりそうだった。


「セントラル・バージス、果たしてどんな所なんだろうか。」


俺は一人呟き、明日が来るのを待つのだった・・・

はい。


今回も読んでいただきありがとうございます。


ついに、強制編入指令が来ましたね。


ということで次回は、「セントラル・バージス」が舞台になる予定です。


次回もよければ、よろしくお願いします!

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