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武器召喚士  作者: どこぞの委員長
第一章~ファイント~
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ファイント

どうも、どこぞの委員長です。


前回は、悠樹が少女と約束して、パフェおごりに行くところで終わったので、今回はその続きからです。


では、どうぞ!

朝のHRが始まる前に、散々少女とのことを聞かれた俺は、正直疲れていた。

時間は4時限目、これが終わると昼休みだ。

(あぁ、またあの二人にいろいろ聞かれるんだろうな・・・)

俺はそう考えながら、ぼんやりと授業を受けていた。

もう授業終了までは、あと五分ほどだった。

俺は早く終わらないかなと思って、なかなか針の進まない時計を見た、するとまたやつが出現していたのだ。


「っ!!」


俺は危うく声をあげてしまうところだった。

だが、何とか耐えて授業終了を今か今かと待っていた。

やはりというか何というか、やはり俺以外には見えていないらしかった。

そして俺は、授業が終わると同時に全力疾走でそいつのもとへと行くため、中庭へと向かった。

するとそこには、ありえない先客がいた。


「おい、お前どうしてここにいるんだ。」

「別に、ただ中庭に得体のしれない化物がいたから、見に来ただけよ。あなたこそなんでいるのよ、悠樹先輩。」


そう、先客は今朝の少女だった。


「俺も化物がいたから見に来たんだが、まさかお前あれが見えてるのか?あと、先輩ってどういうことだ?」

「ええ、見えてるわ。あたししか見えてないと思ってたんだけど、まさか悠樹先輩も見えていたなんてね。えっと、先輩って呼んでるのは私が1年だからだけど、ダメだったかしら?」

「いや別にいいけど、お前後輩だったんだな。」

「お前お前ってなんかいやね。そう呼ばないでくれない。」

「いや、そう言われても俺、お前の名前知らないんだけど・・・」

「あら、言ってなかったかしら?私は1年3組の神薙かんなぎ 穂乃香ほのかよ。」

「じゃあ、神薙さんは、これからあいつをどうするつもりなんだ。」

「穂乃香でいいわ。あいつ、今は動いてないみたいだけどいつ動き出すかわからないから、とりあえず見張っとこうと思うんだけど。」

「俺も賛成だ。でも、メシ食わなきゃいけないよな。穂乃香は弁当か?」

「ええ。」

「じゃあ、交代で弁当を取りに行って、ここであいつを見張りながらメシ食おうか。」

「そうね、先輩から行って来て。」

「わかった。すぐに戻る!」


そう言って、俺は弁当を取りに教室へ走って戻った。

教室で弁当を出していると、孝輝たちが俺のところへ来た。


「なあユウキ、その弁当はどこで誰と食うのかな?」

「ユウ、まさかとは思うけど今朝のあの子とかじゃないよね・・・」

「いや、そのまさかだ。でも、ちょっといろいろ事情があって急いでるから、また後でな!」


何かとめんどくさそうだったし、何より穂乃香を一人で待たせるわけにはいかない。

そう思って、俺は二人の質問を半ば適当に返事し、急いで穂乃香のもとへと戻った。


「待たせたな。何か動きはなかったか?」

「なかったわ。じゃあ、お弁当取りに行かしてもらうわね。」

「ああ。」


穂乃香が弁当を取りに行っている間、何もないことを祈りながら、俺は化物を見張っていた。


「お前とあの少女、あいつが見えているのか?」


すると、不意に後ろから誰かの声が聞こえた。


「っ!!誰だ!」


俺は一瞬で後ろを振り返り、いつでも相手を攻撃できる態勢をとった。


「おっと、別に怪しいもんじゃないよ。私は、君たちがあの化物{ファイント}が見えているのか気になってね。でも、見た感じ見えているようだが・・・」


俺が返答していいものかと悩んでいると、弁当を持った穂乃香が帰ってきた。


「先輩、遅くなってごめん。ってこの人だれ?」

「どうやら、この化物が見えるらしい。だが信用はするなよ。」

「ええ、わかってるわ。いきなり出てきたやつを、信用しろっていうほうが無理よ。」

「ならよかった。で、お前はいったい何者なんだ。」

「私は、君たちがファイントを見ることができる、それが分かればそれでいいんだ。」


どうやら、俺の質問に答えるつもりはないようだった。


「見えるということが分かった以上、ここにいる必要はない。では、またいつか会えたら、その時はよろしく。」


そういって、そいつは俺たちの前から姿を消した。


「結局何だったんだあいつは・・・」

「何だったんでしょうね・・・そういえば先輩、あの人が言ってたファイントって何?」

「ああ、どうやら化物の名前らしい。まあ、あいつが勝手に決めた可能性はあるけどな。」

「そうだったのね。でも、いつまでも化物って呼ぶのもなんだし、私たちもファイントって呼びましょうか。」

「ああ、そうだな。でも、ファイントってどういう意味なんだ?」

「さあ、私にもわからないわ。」


そんなこんなで、俺は穂乃香と話しながらファイントを見張っていた。

あと十分くらいで昼休みも終わり、俺たちもそろそろ教室に戻らなければいけない時間だ。


「穂乃香、そろそろ時間もヤバくなってきたし、あいつは特に動かないし、教室に戻ろうぜ。」

「そうね。結局、あいつ動かなかったわね。」

「まあ、危害を加えるつもりじゃないのならそれで・・・」


俺は、その言葉を最後まで言い切ることができなかった。

なぜなら、ファイントの体が、いきなり光り始めたからだ。


「くそっ、なんで時間ぎりぎりで動き出すんだ!」

「ちょっと待って先輩、何か様子がおかしいわ。」

「そりゃあおかしいだろ、光ってんだから!」

「そうじゃないわ。よく見て、あいつ何かに引っ張られてるわ。」

「何!本当だ、だが何に?」


その時、ファイントが一層強く輝いた。

そして、その光が消えた時、そこにファイントの姿はなくなっていた。


「何だったんだ今のは。しかも、ファイントが消えた・・・」

「何だったのかしら。それにファイントはどこへ・・・」


そのとき、昼休み終了五分前のチャイムが鳴った。

その音で、俺たちは我に返った。


「穂乃香、時間がヤバい!続きは放課後、パフェ食いながらでも話そう!」

「ええ、そうね。ひとまず教室に戻りましょうか。」

「じゃあ、また放課後に。」

「ええ、放課後に。楽しみにしてるわ。」


そう言って、俺たちは急いで自分たちの教室へと戻った。

そのとき俺は、自分のミスに気付いた。


「あ、集合場所決めるの忘れてた・・・このままだと、穂乃香が放課後教室に来ちまうな・・・」


俺は、そう呟き(でも、仕方ないか。昼休みはファイントのせいで、決めれなかったんだから。)と心の中で思っていた。

教室に戻ると、授業開始一分前だった。

そして、孝輝たちが(後で説明してもらうから、覚えとけよ)という顔をして俺を見てきた。

俺は(ああ、穂乃香が来る前に軽く拷問にあうかもしれない。)そう思いながら、自分の席へと戻った。



そうして、授業が始まった。

俺は、授業終わるなと願ってみたが、そんなことは起こるはずもなく、授業が終了した。

終了するとともに、孝輝たちが俺の席へとやって来た。


「なあ、ユウキ昼休み何をしていたか洗いざらい白状してもらおうか!」

「ユウ、あの子とはどういう関係なのかな?」

「お前ら、なんか怖いぞ。あと、穂乃香とは何の関係もないぞ。」

「穂乃香?ユウ、名前で呼んでるのかい?」

「ああ、あいつが名前でいいって言ったからな。」

「そうなのか、ユウキはずいぶん気に入られてるみたいだね。放課後もどこか行くみたいだし?」

「お前、なぜそれを知っている!」

「へぇ、ほんとに行くんだ。」


そこで俺は、自分の失言に気付いた。


「お前、はかったな!」

「いやいや、答えてくれてありがとう。で、どこに行くんだい?」

「それは、言ったら、絶対お前たちがついてくるから言えない。」


この後、休み時間中ずっとこの調子で質問攻めにあい続けた・・・

はい。


今回も読んでいただきありがとうございます。


パフェおごりに行く話を書こうと思ったら、なんかこうなってました。


しかも、この前の二倍以上あるという・・・


次回は、ちゃんとパフェおごりに行きます。たぶん・・・


次回も、よければよろしくお願いします!

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