ある少女との出会い
どうも、どこぞの委員長です。
前回は悠樹がよくわからないやつに突っ込んでいったところで終わったんで、今回はその続きからです。
では、どうぞ!
今、俺の目に映っているのは、得体のしれないやつとそこへ歩いていく少女。
「間に合ってくれ!」
俺はそうつぶやきながら少女のところへ急いだ。
これまでの人生でこんなに急いで走ったことがあっただろうか?
それほど俺は急いでいた、だってそうしなくては1つの命が失われてしまうのだから。
「危ない!」
俺はそう叫んで、その少女を化物にぶつからないように突き飛ばした。
「ひっ!」
「大丈夫か!」
「大丈夫じゃないです、っていうかあなた誰ですか?いきなり人を突き飛ばしたりして!」
「そんなことはどうでもいい。本当にケガはないんだな?」
「あるわよ!あなたに突き飛ばされた時に肘をすりむいたわ!」
「そうじゃなくて、あいつになにかされなかったか?」
そう言って俺は化物を指さした。
「あいつ?あんた何言ってんのあそこには何もいないわよ?」
「はぁ、お前こそ何言ってんだあそこにいるじゃないか!」
そう言って振り向くと、化物は跡形もなく消えていた。
「あれ、あいつどこへ行ったんだ・・・」
俺は茫然として化物がいたところをみていた。
「ほら、いないでしょ!っていうか、いい加減に私の上からどいてくれません!」
少女の声ではっと我に返った俺は今の状況を思い出した。
周囲から見ると俺が少女を押し倒したように見えているだろう。
慌てて周囲を見回すと、すごく冷たい視線が周囲から向けられていた。
「ごめん!」
そういって俺は急いで少女の上から飛びのいた。
「ほんとに何をしてくれるんだか。」
「本当にすまなかった!おまえが化物に向かって歩いていくのを見て、襲われるのだけは回避しなきゃいけないと思って・・・」
「はぁ、ほんとにびっくりさせられたわ。私じゃなかったらあなたどうなってたかわからないわよ。」
「本当にすまない」
「もういいわよ。あなた名前は?」
「神永 悠樹だ。」
「そう、学年とクラスは?」
「2年1組だ、でもどうしてそんなことを聞く?」
「それは決まってるでしょ。あなたにこのことに関してお詫びしてもらうためよ。」
「ちょっと待て、クラスまで来るつもりか?」
「ダメなの?別にいいんじゃない。」
「ダメだ、お前みたいなかわいいやつがクラスに来ると何かと変な噂が立つからな。」
「へぇ、変な噂ねぇ・・・」
少女はそう言いながらニヤリと笑った。
(ヤバい、こいつほんとに来るつもりだ。しかも、噂が立とうもんなら俺はクラスで居場所がなくなる。)
そう思った俺は、何とかそれを阻止しようと試みた。
「今日の放課後、時間はあるか?」
「ええ、あるけど?どうして?」
「今日、そのお詫びをする。何をすればいい。」
「そうねぇ、じゃあパフェでもおごってもらおうかしら?詳しい話はそのときにきかせてもらうわ。」
「ああ、それでいいから教室には来ないでくれ。」
「それはムリよ。私があんたを迎えに行くわ。やっとあんたが話しかけてきてくれたんだから。」
最後は声が小さくなってうまく聞き取れなかったが、(ああ、俺の教室での居場所はなくなるな・・・)と俺はそのとき思っていた。
「それじゃあ、今日の放課後、楽しみにしてるからね。」
そう言って彼女は足早に立ち去って行った。
(結局あいつは何だったんだ?)
俺は消えた化物のことを考えていた。
すると、後ろから俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
振り返ると、どういうことか説明してほしそうな顔をした和希と孝輝が立っていた。
それから、教室に移動した俺は長々とこのことを説明する羽目になったことは言うまでもないだろう・・・
はい。
読んでいただきありがとうございます。
今回は悠樹と少女の出会いでした。
次回は少女との約束でパフェおごりに行くところからですね。
次回もよければよろしくお願いします!