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武器召喚士  作者: どこぞの委員長
第一章~ファイント~
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理事長の後には・・・

皆さん、こんにちは、初めての方は初めまして!


どこぞの委員長です!


前回の宣言通り、今回は悠樹たちの話です。


どうぞ!

今、俺の目に映っているのは人、人、人、人ばっかりだ。どこを向いても人がいる。なぜかって、それは俺が今いる場所が大型ショッピングモールだからだ。別に一人で来たわけじゃない、というか、こんな人ばっかりの所なんて俺は来たくないんだ、人に酔うからな・・・。それじゃあなぜここにいるかというと、誘われたからだ、sクラス(うち)女子達(やつら)に。まあ、誘ってくれたのは嬉しいっちゃ嬉しいんだけど、長い・・・一つ一つの買い物の時間がやたら長いのだ。そこは百歩譲って良いとしよう、だが大量に買うのは勘弁してくれ、荷物持つの俺なんだぞ、もうちょっと俺のことも考えてくれよ・・・。そんなことを俺が考えてるとは全く思っていないであろう四人は絶賛ショッピング中だ。


「先輩、男の子なんだから、荷物ぐらい持ってあげてもいいじゃない」


突然、俺に話しかけてきたこの声、聞こえているのは俺だけだ。こいつは、この前の理事長との戦いの時に殺され、固有結界がどうとかいうことがあって、俺の脳内に記憶だけで生きている穂乃香だからな。あの戦いから何週間か経ち、穂乃香の失われていた記憶は、どういうロジックなのかは知らないがあらかた戻っているらしい。


「なんだよ、穂乃香。男だからって荷物持つのはおかしいだろ?そもそもマリアなんて、超でかいハンマーを自在に振り回してるじゃねえか。俺より絶対力強いぞ」

「それは戦闘の話でしょ?あれは武器そのものを召喚した時点で使用者に筋力増加とか、俊敏力増加とか、視力向上とかの特性が付くからね。普段の生活じゃ力弱いんじゃないの?」

「なんだよそれ、初めて聞いたぞ。俺の武器そんなん付いてたっけ・・・」

「うーん、武器によるからね。そもそも、その武器を扱うのに最適な力が付与されるから、それがあれば付かないんじゃない?」

「なるほどな・・・」


どうやらマリアの戦闘中の筋力はドーピングだったらしい。となると、他の皆もなんかバフ的なものが付いてるんだろうか。なんかあれだな、ずるいぞ・・・。いや、俺の武器にはもっとすごいけどまだ気づいてない何かがあるかもしれない。よし、帰ったら調べてみよう。


「止めときなよ先輩、無駄にヴンダー使うだけだよ」

「なんでそんなこと分かんだよ。ていうか、考えたことを勝手に読むなよ・・・」

「えー、いいじゃん。体無い分、心ぐらい読ませてよ」

「や・め・ろ!」


とりあえず全力で穂乃香の願いを却下して、まだ何か言ってる脳内穂乃香から意識をそらした。それと同じくらいに買い物四姉妹が帰ってきて、ご丁寧に袋を押し付けてきやがる。そろそろ俺の腕も限界が近いので、それとなく休憩しないかと提案してみると、ちょうど昼ということもあって昼飯休憩をとることになった。やったぜ!


「んで、どこで何を食べるつもりなんだ?」

「んーとね、スイーツフェスティバルっていうデザート食べ放題のお店があるんだけどね、そこで食べようって皆と話してたんだけど、お兄ちゃんはそこでいいかな?」


スイーツフェスティバル、それは女性に圧倒的人気を誇る飲食店だ。魅力はデザート食べ放題ということらしい。というか、基本的にあそこで飯の方を多く食ってるやつは見たことがねえ・・・。まあ、誘われて一回行っただけなんだどな。そいつも今はこの世にいない・・・


「俺は構わないが、飯もちゃんと食えよ?」

「それは大丈夫です。私が責任をもってご飯を食べてからデザートを食べに行くようにさせますので」

「マリアが言うんだったら大丈夫か・・・んじゃ、頼むな!」

「はい、私に任せてください!」


こういう時、マリアは役に立つのだ、何たって俺たちの学校の学長なんだからな。他愛もない話をしながら歩いて、俺たち五人は無事にスイーツフェスティバルについた。レイナとアリスがチケットを買ってくると言って券売機の方へ駆けていき、残った俺たちは二人を待ちながらこれまでのことについて話していた。て言っても、あの戦闘はどうだとか、あの時はもっとこう戦っておくべきだったんじゃないかとか、俺たちの歳で、いや俺たちの国で話すような内容じゃなかったけど・・・。そうこうしているうちに、二人が帰ってきて俺たちは店に入ることにした。


「窓側のテーブルが取れてラッキーだったな」

「そうですわね、外の景色を見ながら食べるランチは格別ですわ!」

「じゃあ、早速取りに行こうよ!」

「荷物は俺が見ておくから、先にとって来いよ」


俺のその一言で、女子達は礼を言いつつ嬉しそうに食べ物を取りに行った。あいつらが取りに行っている間、何をしていようか・・・外を飛んでいる鳥の数でも数えていようかな、カラスだけど・・・。カラスが一匹、カラスが二匹っと。あんまり面白くないな・・・それもそうだ。うん、何をしようか・・・ん?そういや今まで無視してたが、店が決まってから穂乃香がうるさかったな。どうせ暇だし、聞くだけ聞いてやるか。


「穂乃香、どうした?」

「どうしたもこうしたも無いよ!なんで、よりにもよってこの店なんだろう・・・私、ここすっごく好きなんだ。」

「じゃあ良かったじゃんか、この店に来れて」

「良くないよ。私、体無いから食べられないじゃん!」

「あ・・・すまん」

「別に謝らなくても良いよ、先輩が悪いわけじゃないし・・・あっ」


あってなんだよ、あって・・・こいつ、絶対ろくでもないこと思いつきやがったぞ。でも、これ聞かないと夜寝れなくなるからなぁ・・・仕方ない、もちろん無理だったら断るが、俺に出来ることならやってやるか・・・


「で、どんな悪だくみをしてるんだ?」

「悪だくみとはひどいね、先輩。簡単なことだよ、私、先輩が食べたものは味が分かるんだ。だから、私が食べたいものを言うから、それを取ってくれない?」

「おいおい、マジかよ。お前、そんなこと出来たのかよ。まさか、俺が腹痛かったら腹痛いとかねえだろうな・・・」

「ん?基本的に先輩の感情や感覚は全部わかるよ?」

「・・・」


マジかよ・・・。ということはだ、俺が穂乃香と一緒に生活?するようになってから、こいつは俺のほぼ全てを知ってたってわけか。確かに俺が聞いたことが聞こえて、俺が見ているものも見えていたっぽいが・・・あれ、じゃあ、俺が風呂入ってるときとか、便所行ってるときとか、こいつはどう思ってたんだ?いや、深くは詮索しないで・・・


「先輩、何てこと考えてるの!そうだよ、先輩がお風呂入ってる時とかトイレ行ってる時とかはあれだったよ!でも、すk・・・んんっ、もう慣れたから大丈夫・・・」

「まあ、無理すんなよ。嫌だったら、言ってくれ・・・てもどうにもならないか。うん、我慢してくれ」

「まあ、良いよ。というか、最初は戸惑ったけど、別に嫌ではないし、もう慣れてきてるから」

「そう言ってもらえると助かる」


そうか、穂乃香には全部筒抜けだったのか・・・。俺も極力変なことは考えないようにしないとな。なんか途中で話が脱線して答えてはいなかったが、穂乃香の好きなものを取ってやろうと決心した所で、ほかの面子が第一回の食事を持って帰ってきた。なんか、私に任せて下さいとか言ってた割には、マリアを含め全員の皿の半分はデザート類なんだが、それには突っ込まないでおこう。あれでもちゃんとスパゲッティだとかのご飯類ものっているからな・・・。入れ替わりで今度は俺が取りに行くことになり、一回目はちゃんとしたご飯を食べるつもりだった俺は皿にパンやサラダなどをのせていく、半分ほど皿が埋まったところで後はスパゲッティでも入れておこうかとスパゲッティの入れ物に手を伸ばした時、頭の中で穂乃香の声がした。曰く、半分は私の分だからデザートを入れなさいだそうだ。仕方ない、聞くと決めたんだから聞かなくちゃな。そういうわけで、席に戻った俺の皿は半分ご飯類、半分デザートという俺の周りに座っている女子達と同じようなものになってしまっていた。


「待たせたな。それじゃあ、全員食うものがそろったところで、食べるか!」

「だね!じゃあ、みんなで一緒に!」

「「いただきます」」


そこから先は着々とご飯の時間が進んだ。各々好きなものを食べ、いろんなことを話したりした。一時間くらいたって、やっとおなかが落ち着いたのか、食後にコーヒーやらココアやらを全員が持ち寄ったところで、レイナからその話は持ち出された。


「食後にこんな話するのも何だけど、最近、出現するファイントの平均レベルが上がっているだろう?それを、皆はどう考える?」


そう、最近のファイントについての話だ。確かに、最近、俺たちが戦うファイントのレベルは上がってきている。具体的な時期は理事長を倒したあたりからだったか。理事長がファイントの鍵を何か握っていたのだろうか。オブサーバー=リメイカーと名乗るあいつがファイントのレベルを上げているのだろうが、それはどうしてなのだろうか。一人で考えるよりみんなで考えた方がいいな。


「確かに最近のファイントのレベルは上がってきている。オブサーバー=リメイカーとか言う奴がレベルを上げてるんだろうけど、何故なんだろう」

「オブサーバー=リメイカーですか、あの人は自分の目的のためにファイントを作っていると言っていました。そう考えると、その目的を達成しやすくするためレベルを上げたのでしょうか?」

「安定して強いファイントが作れるようになったのかもしれませんわ。これまでに出現したと聞いているレベルⅧ以上のファイントは、全てどこか不完全だったらしいですわ。大都市一つを壊滅させたと言われるレベルⅩファイントに至っては、自壊したそうですし・・・」

「レベルⅧ以上なんて話に聞いているぐらいで見たこともないけど、確かに有り得るかもしれないね。固有結界の中にいるファイントも増えてきているし・・・本格的に対策を考えなくちゃいけないかもだね」

「だけど、対策って言ったってどうするんだ?いい手でもあるのか、雪穂?」

「うーん・・・」


ピリリリリ・・・・ピリリリリ・・・ん?俺たち全員の{SV(セントラルバージス)秘匿回線通信デバイス}が鳴りだしたぞ。何かあったのか・・・


「おい、見たな!今すぐSVに戻るぞ!」

「先輩、これは急がないとヤバいよ」

「ああ、分かってる」


俺達Sクラスのメンバーに届いた通信、それはSVまでの迎えの車を急行させていることとファイントの出現、それも推定レベルⅧときやがった。俺たちが戦ったことのある最高レベルはⅦ、その時は危うく全滅しかけた。その時のⅠレベル上、ファイントのレベルは一つ上がるごとに強さが8~10倍ほどになる。つまり、レベルⅧはこの前のレベルⅦの時よりかなり強くなるのだ。やべえな、あの時から訓練しているとはいえ長期戦になりそうだ。でも、仲間を信じて助け合えばいけるだろう。俺たちは頷き合って、大急ぎでSVへと戻るのだった。

はい、今回も読んでいただきありがとうございます。


さて、いきなり出現したレベルⅧファイント、この後どうなるのか、という所まで書かせていただきました。


次回はこいつとの戦闘になるかな、と思います。


というわけで、次回もよければよろしくお願いします!

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