ファイントの真実
どうも、どこぞの委員長です。
いやぁ、ずいぶん遅れてしまって申し訳ないです・・・
何かといろいろありまして・・・
お忘れかもしれませんが、妹らしき人物が出てきたところで終わりましたね。
では、その続きです。どうぞ!
その少女は、背丈は俺の肩ぐらいだろうか、そして髪型はツインテールだった。だがそれよりも目を引くもの、それはその少女の腰にある一振りの刀だった。
「ああ、雪穂か、久しぶりだな。」
「悠樹さん知っているんですか雪穂ちゃんのこと・・・」
俺はそう言われて思った。(どうして俺はこの少女のことを知っているんだ?というか雪穂といえば、この前みんなが話していた俺と名字が同じっていう・・・)
「うん、久しぶりだね、おにいちゃん。」
「お前は、神永雪穂であってるか?」
「そうだよ、まさかおにいちゃんってば妹のこと忘れてたの?」
正直、今の今まで忘れていた。でも、雪穂の声を聴いているとすべて思い出した。雪穂と一緒に暮らしていた時のこと、雪穂が家を出てこの施設に行った時のこと・・・
「わりい、ちょっと忘れてた。だけど、全部思い出したぜ雪穂!」
「よかった。おにいちゃんに忘れられていたらどうしようかと思ってたんだ。」
「もう、絶対忘れないさ。」
「うん、約束だよ。」
俺たち兄妹だけで話しているのを見かねたのか、穂乃香が遠慮しながら聞いてきた。
「あのぉ、二人で盛り上がっているところ悪いんですけど・・・」
「なんだ?」
「どうしたの?っていうかあなた誰?」
そういえば、俺と穂乃香がセントラルバージスに入ったこと、Sクラスになったことは雪穂は知らないのだ。ということで、俺は説明しようと雪穂に向き直った。
「ちょっと待ってってば!そこの門がさっきから開きっぱなしになってるんですけど・・・」
「あ・・・」
「あって何よ、あって!」
「いや、素で忘れてた・・・」
「忘れないでよ先輩!」
門を開きっぱなしだったということは、ファイントが出てきているという可能性もあるわけで・・・俺は恐る恐る後ろを振り返った。そこにはファイントの姿が・・・なかった。
「なんだよ、驚かせるなよ。」
「でもおにいちゃんを引き留めちゃったのは私・・・」
雪穂は今にも泣きだしそうな顔をしていた。
「雪穂は悪くないよ。」
「そう、ありがと、おにいちゃん。」
他の皆は苦笑いしていた・・・だがここでずっとじっとしているわけにもいかない。俺は気持ちを切り替えた。
「よし、じゃあさっきのファイントを倒しに行こうか。もちろん雪穂も一緒に。」
俺の言葉にみんなはOKとこたえた。
「雪穂は、自由に戦ってくれ。じゃあ、行くぞ!」
そして俺たちは、門を通って固有結界の中へと足を踏み入れた。
俺の固有結界の中、そこは四角い真っ白な部屋だった。おそらく急いで作ったせいだろう。そして、その真ん中にあいつ{レベルⅥファイント}がいた。
「じゃあ、作戦通りいくぞ。3・2・1・GO!」
俺の掛け声でみんなが一斉に動く。俺・レイナ・マリアはそのままファイントに向かって走る。アリス・穂乃香は後方で俺たちがつくのを待っているようだ。そして、雪穂がムラサメを抜き、頭上に掲げて叫んだ。
「超凍空降」
俺を含めみんなが知らない技だった。だが、それはすぐに分かった。なぜならファイントの上に雲ができたかと思うと、それが急降下してファイントを包み込んだからだ。
「ファイントの動きは止めたよ!」
そう、その雲が晴れると、ファイントは地面に氷漬けになっていた。
「サンキュー雪穂!こっからは俺たちの番だ!」
俺たちがファイントのところに到着するとアリス・穂乃香が後方支援を開始した。そして俺たちはうなずき合うと、左・右・後に分かれた。
「おら、さっきのお返しだ!」
おれは、そういいながらファイントに切りかかった。氷漬けになっているのもあってか、ファイントの脚はあっけなく4本とも切り落とせた。少し遅れてレイナのほうも完了したようだ。
「アリス・穂乃香いったん攻撃を止めてくれ!」
「「了解!」」
「よし、マリア今だ!」
俺はマリアにGoをだした。すると、マリアは上方に飛び上りファイントめがけてミョルニルを振り下ろした。
「雷神怒涛」
ものすごい爆音とともに、ファイントの巨体が固有結界の床にたたきつけられた。固有結界の中だったので、地面にめり込むということはなかったようだ。つまり、ファイントは跡形もなく木端微塵になった。
「リベンジ成功ってことでいいのかな?」
俺はみんなに問いかけた。
「いいんじゃないですか。無事ファイントは倒せましたから。」
「そうですわね。私もこれでいいと思いますわよ。」
「ああ、私もこれで・・・悠樹後ろっ!」
レイナの声を聴いた俺は、ほぼ反射でカオスカリバーを後ろに振った。すると、ガキンと鈍い音がして俺の足元に一本の剣が落ちてきた。
「誰だ!」
その答えは、俺たちの上から帰ってきた。
「ほう、私の剣をはじくとは・・・」
声のほうを見ると、そこには一人の男が空中に浮いていた。
「貴様、どうやってここに入った!」
「こんな生半可な固有結界に入るなんて容易なものだったよ。」
「貴様は何者なんだ!」
「私か、私はオブサーバー=リメイカーだよ。そのファイントは結構私の自信作だったんだがね・・・」
俺たちはその言葉に絶句した。そう、その自信作という言葉に・・・
「あなた、今何と言いました。自信作とか言いませんでしたか?」
「ああ、言ったね。それがどうかしたのかい?」
「ファイントなんか作って、世界中にばらまいて、あなたは何がしたいんですか!」
マリアは、はたから見てもわかるほど怒っていた。
「何がしたい・・・か。そんなものを君たちに言う必要はないだろう。」
「貴様、それはどういうことだよ!」
「そのままの意味さ、教えても意味がないからね。」
「貴様、ふざけるのもいい加減にしろよ!」
俺のその言葉にオブサーバーは肩をすくめた。
「おお、怖い怖い。私はこの辺で失礼するよ。半ファイントの神永兄妹さん。」
そういってオブサーバーは消えた。
「おいちょっと待てよ!どういうことだよ!」
俺は、オブサーバーが消えたところに向かって叫んだ。だが、オブサーバーは消えた後だったので、俺の声が空しく響くだけだった。
「先輩、あいつが言ってた半ファイントってどういうこと?」
まあ当然だろうが、みんなそのことが気になったのらしい。俺にそのことを聞いてきた。
「いや、俺にもわからないんだ・・・雪穂、何か知っていることはないか?」
「私も何も知らないよ。一つ言えるとしたら・・・」
そこで雪穂は言いよどんだ。だが、聞かないわけにもいかない。
「どうしたんだ?」
「一つ言えるとしたら、この固有結界はファイントが作り出すものと一緒ってことかな・・・」
「なん・・・だと・・・どうしてそんなことがわかるんだ?」
そう、なぜ雪穂がそんなことがわかるのか、俺はそれが疑問だった。
「この前までファイントの固有結界の中にいたからね・・・大体わかるよ。あと、みんなには黙ってたんだけど・・・」
「何を黙ってたんだい?」
「実は私、ファイントの固有結界に入るのに次元石いらないんだ・・・」
雪穂のこの告白は、かなり衝撃だったらしい。みんな、そのまま言葉を失っていた。一番初めに元に戻ったのは、やはりというかマリアだった。
「雪穂ちゃん、それはいつ知ったんですか?」
「私が一人で固有結界へ入る時だったはず。ついでに言うと、私も固有結界は作れるっぽいんだ・・・」
「それは本当なんですの雪穂さん。」
「うん、本当だよ。ここに来る前に一度確かめたから・・・」
おれは、雪穂が次元石を使わないで固有結界に入れることも驚きだったが、俺と同じことができることにさらに驚いていた。
「まあ、ここで話すのもなんですし、一度セントラルバージスに戻りませんか?」
みんなも疲れていたのだろう、穂乃香のこの提案を否定する人はいなかった。そして俺たちは、今日のいろんな出来事を整理するために、セントラルバージスへとつながるダイレクトテューアへと歩き出すのだった。
はい、今回も読んでいただきありがとうございます。
なんか、自分で書いててもすごい展開になってきたなぁと思ってます。
さて、次回はどうなるんでしょうか?
次回もよければよろしくお願いします!