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武器召喚士  作者: どこぞの委員長
第一章~ファイント~
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神永 雪穂

どうも、どこぞの委員長です。


前回は、武器紹介が終わったところで終わりましたね。


今回はその続きです。


どうぞ!

武器紹介が終わると、マリア達がSクラスの説明を始めた。


「このクラスは基本的に、レベルⅥ以上のファイントが出現した時しか招集されないのです。なぜなら、それ以下のレベルだと他のクラスでも倒せる上、その時に高レベルのファイントが出ると対処できなくなってしまうからです。」

「つまり、私たちの役目は高レベルファイントの殲滅と言うことですわね。」

「なるほど。でも、三人で倒せるのはレベルⅤまでじゃなかったか?」

「そう言えば、ライノがそんなこと言ってたわね。」

「ライノ=セブンスワークですか。Aクラスの委員長の人ですね。」

「ああ。ライノはあの三人でレベルⅤは倒せるって言ってたぜ。」

「なるほど。マリア、あの事話してもいいか?」

「あまり気は進みませんが、仕方ないでしょう。」


そう言って、レイナはこんなことを話し出した。


「実は、私達Sクラスのメンバーは3人じゃないんだ。」

「どういうことだ?」

「Sクラスには、もう一人メンバーがいるんだ。しかも、私たちより断然強いメンバーがさ。」

「なんだと・・・」

「じゃあどうして、今はその人はいないの?」

「実は、ダイレクトテューアでも届かないところに、ファイントが出現してしまったんだ。」

「ダイレクトテューアでも届かないところなんてあるのか?」

「ああ、そのファイントは固有結界を張っていたんだ。ファイント自体は、レベルはⅣで大したことなかったんだけど、固有結界の中に入るには{次元石ディメンションストーン}が必要なんだよ。ちなみに、次元石はファイントからまれに手に入るらしいけど、今セントラル・バージスにあるのは一つだけなんだ。つまり、討伐に行ける人数は必然的に一人になってしまうんだ。そして、彼女が一人で討伐に行ったんだよ。」

「それで、その人は今いないのね。」

「そういうことなんだ。」

「でもそれならどうして、その人のことみんなが知らないの?」

「ファイントの固有結果の中に行くと、こっちで顔を合わせている時間が短かったとき、この世界にいなかったと認識されるんだよ。」

「どういうことだ?」

「そのままの意味さ。この世界ではいなかったことにされる。ファイントの固有結界は、次元のはざまにあるからね。」

「じゃあ、あなたたち以外の人はその人のことは知らない状態になっているってこと?」

「まあ、そういうことになるね。」

「そんな、ファイントと戦っているのにみんなから忘れられているだなんて・・・」

「大丈夫だよ、ファイントを倒したらみんな思い出すから。」

「そうなのね。よかった。」


まあ、そうでよかったと俺も思う。

そのままずっと忘れられていたら、つらいだろうから・・・

そういえば、この前ファイントを倒したときに何か落としていったよな・・・

俺はそのことをみんなに話すことにした。


「そういえば、この前に穂乃香とファイントを倒したときに、ファイントがいたところにこんなものが落ちていたんだが・・・」


そう言って、俺はあの時拾った石のようなものを取り出した。


「悠樹さん、それは次元石でははないですか!」

「どうして持っているんですの?」

「ほんとだよ。なんで悠樹が持っているんだ?」

「ああ、なんか落ちてたから拾ってきたんだけど・・・」

「もっと早く言うべきですわよ!」

「なんでもっと早く言わなかったんですか!」


(あれ、なんで俺怒られてるんだ?)

そう思いながら、とりあえず次元石をみんなに渡すことにした。


「まあ、とりあえず、どうぞ?」

「いいんですか!」

「ああ、これでそいつを助けに行ってやれよ。」

「残念ですが、それはできないんです。」

「どうしてだ?」

「ファイントの固有結界に入るのは、一度に入らなくてはいけないんです。それでないと、何かよくわからないものにはじかれてしまって、入れないんですよ・・・」

「そうなのか。じゃあどうするんだ?」

「これは、また固有結界を持っているファイントが出た時のために持っておくことにします。」

「そうか。そういえば、その固有結界の中に行ったのって、どんな奴なんだ?」


おれは、話を聞きながらずっと疑問に思っていたことを聞いてみた。

その質問には、マリアが答えてくれた。


「えっとですね。あの子の持っている武器はムラサメです。ムラサメは、水を自由に操ることができます。特に、霧を出して、そこに隠れながら攻撃する{霧雨乱切きりさめらんさい}は、彼女の得意とする技で、狙われた獲物は、ほぼ確実に致命傷を負うんです。」

「あの攻撃で出る霧は、私たちにも有効ですのよ。ですから、私たちも霧に隠れて攻撃できますの。」

「マジか、それはすごいな!それで、そいつの名前は?」

「名前ですか。名前は、神永かみなが 雪穂ゆきほです。そういえば、神永君と名字が一緒ですね。」


その名前を聞いた途端、俺の目の前は真っ暗になった・・・


                    ~5時間後~


俺の目に映っているのは、真っ白い天井だった。


「あれ、ここはどこだ?」


どうやら、ベッドに寝ているらしい。

体を起こそうとすると、頭に鈍痛が走った。


「くっ!」


その痛みのせいで俺はまた、ベッドに倒れてしまった。

すると、近くから声が聞こえた。


「先輩?よかった、目が覚めたんだ。」

「ああ。ここはどこだ?いったい何があった?」

「ここは、セントラル・バージスの保健室よ。覚えてない?先輩、倒れたのよ。」


そうだ思い出した。

確か、次元のはざまにいるもう一人のSランク級武器の使い手のことを聞いていたんだよな。

確か武器がムラサメで、名前が神永 雪穂だったような。

雪穂の名前が出てきたところで、また激しく頭が痛んだ。


「っ!」

「大丈夫、先輩?」


穂乃香が慌ててそう聞いてきた。


「いや、大丈夫だ。それより、他のみんなはどうした?」

「みんななら、今は自分たちに部屋にいるはずよ。あ、そうそう先輩の部屋も決まったから、あとで案内するわね。」

「ああ、ありがとう。で、俺はどのくらい寝てたんだ?」

「5時間くらいよ。そんなに長くないわ。」

「そうか。じゃあ、みんなの所へ行こうか。」

「大丈夫なの?」

「さっきも言っただろ。大丈夫だ。そういえば穂乃香は、なんでここにいるんだ?」

「いや、それは、その、先輩が心配だったから・・・」

「そうか、ありがとな。」

「別に、お礼を言われることはしてないわよ。」

「それでもだよ。」


そんなことを言いながら、俺たちはSクラスの教室へと向かった。

どうやら、寮は教室の後ろにあるドアから行くらしかった。

教室につくと、そこにはSクラスのみんなが待っていた。


「どうしたんだ、みんなそろって?」

「どうしたんだ、じゃないですよ!みんな心配してたんですよ!」

「そうですわよ!みんなあなたのことを心配してたんですのよ!」

「まあ、大丈夫そうでよかったよ。」


どうやら、みんな心配してくれていたようだった。


「みんな、ありがとな。」

「大丈夫ならいいんですよ。」

「そうですわね。」

「そうだね。」

「そうよね。」


みんなに心配をかけてしまったが、何とかなって良かった。

そして、俺が神永 雪穂のことを考えようとした、その時だった。

警報が鳴りだしたのだ。


「っ!ファイントか?」


俺がそう言うと同時に、放送が流れ始めた。


「レベルⅥのファイントが出現しました。Sクラスのメンバーは、直ちにダイレクトテューア前に集まってください。繰り返します、レベルⅥのファイントが出現しました。Sクラスのメンバーは、直ちにダイレクトテューア前に集まってください。」

「どうやら、招集がかかったらしいな。行こうぜ!」

「そうですね。」

「わかりましたわ。」

「わかったわ。」

「わかった。」


そう言葉を交わして、俺たちはダイレクトテューアへと走りだした。

(結局、神永 雪穂は誰なんだ?聞いたことがある気がするんだけどな・・・いや、今は任務に集中しないと!)

俺は、とりあえず任務が終わってから考えようと思い、神永 雪穂のことを頭の隅に追いやった。

これから、Sクラスで初めての戦いが始まる。

(どんな戦いになるんだろうか?)

俺は、そう考えながらこれからの戦いに備えるのだった。

はい。


今回も読んでいただきありがとうございます。


次回は、Sクラスでの初戦闘になります。


では、次回もよければよろしくお願いします!

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