表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/37

第18話 信仰と契約

神殿最奥。


 聖光も、

 祈りも届かない場所。


 円形の会議室に、

 三人の高司祭が集められていた。


「……確認したな」


 最年長の司祭が、

 低く言う。


「管理者は、

 我々の制御を離れた存在だ」


「勇者すら、

 彼の判断に従っている」


「放置すれば、

 神殿は不要になる」


 沈黙。


 誰も否定しない。


「……呼んだぞ」


 司祭が、

 床に刻まれた陣へ視線を落とす。


「応じよう」


 闇が、

 聖域に滲み出た。


 空気が、

 腐る。


「相変わらず、

 息苦しい場所だ」


 悪魔。


「神殿が、

 私を呼ぶとはね」


「用件は一つだ」


 司祭は、

 震える声で言う。


「管理者を、排除したい」


 悪魔は、

 一瞬だけ黙った。


 そして、

 笑った。


「奇遇だ」


「……条件は?」


「簡単だ」


 悪魔は、

 指を立てる。


「私が、

 “管理者狩り”を主導する」


「代わりに?」


「神殿は、

 私の邪魔をしない」


 司祭たちの顔が、

 歪む。


「……それだけか?」


「もう一つ」


 悪魔の声が、

 冷える。


「勇者は、

 巻き込むな」


「なぜだ」


「彼は、

 まだ使える」


 沈黙。


 司祭の一人が、

 唾を飲み込む。


「……了承する」


 契約陣が、

 淡く光る。


 聖と邪が、

 交わった。


「では、

 始めよう」


 悪魔は、

 闇へ溶けながら言う。


「神殿は、

 “被害者”でいればいい」


「世論操作は、

 君たちの得意分野だろう?」


 闇が消える。


 残された司祭の一人が、

 小さく呟いた。


「……我々は、

 正しいのか」


 最年長の司祭が、

 即答した。


「正しさなど、

 後で作ればいい」


 聖堂の鐘が、

 遠くで鳴った。


 それは、

 祝福ではなく――

 警告だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ