三閃 ギンタと小雪
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「ブ( ゜д゜)ウム」
「これが……魔人ブ( ゜д゜)ウム‼」
「ブ( ゜д゜)ウムううううううううううううううううううううううううう‼」
ピンクのデブは高らかに咆哮する。クッコロやコハンはチビるが、これくらいでチビっていては始まらない。いや、終わらせるんだ。全裸の剣を。全て投げ捨てて。
「全斬り‼」
次元そのものを斬るその技を受け、魔人ブ( ゜д゜)ウムは真っ二つにされてしまった。これにより、クッコロの全裸の剣伝説は一旦の終焉を迎える。
「終わった」
「終わりましたね、クッコロさん」
「ああ、コハン」
クッコロさんはコハンと軽くキスを交わし、全裸の剣の全工程は完結を迎える。
「いや、こんな終わり方で良いの?」
「まあ良いじゃねえか、フリーチン」
「そうそう」
「葬送?」
セルティの同意に突っ掛かるフリーチンだが、コクウが何とか「まあ良いじゃねえか」と丸く収める。
「さっきの奴どっかで見たような」
「クッコロさん?」
「ああ、いや、気のせいだよな」
「?」
クッコロさんはコハンの顔を見て、何かもうどうでもよくなってきた。
「さあ、行こうみんな」
「おう‼」
彼らは光のような片割れに吸い込まれていく。不潔だよ。尻が臭いよ。嗅がれるほど。
「いや、姫様の肛門は臭くない‼」
クッコロ一行は姫様の肛門に吸い込まれ、現実世界へと帰っていく。逆門番ピエロだ。メルヘヴン世代なのだ。無限に広がっていけ。
「虎水! 虎水ギンタ!」
「は、はい!」
ギンタは飛び起きる。クラスメイトは爆笑し、幼馴染の小雪は嘆息する。
「夢か、今のは。これで152回目だ。同じ夢さ!」
ギンタは誰に説明しているのだろうか。大切な物を無くしたのだろうか。悲しみにただ心が涸れたのだろうか。君が誰かを傷つけたとして
「責めることはできねえよなあ」
一人きりで旅立つ君を
「遠く見守っているよ」
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