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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第二章 オリュンポス大陸
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ネフィリムについて

再び金曜日、夜に急いでログインし、96階の椅子に座りソラを呼び出す。続きを話をしようと思っていたら、マキナがベルアルを連れてきた。


「ベルアル?どうした?」

「今日は人型エインヘリアル、通称ネフィリムについて話をしに来た」

「なるほど、やっぱり世界征服を?」

「いや、最近発見した海底神殿を征服しに行く」


否定しなかった事はいずれその予定があるのだろうか、少し震えた。まずはと思い、ソラには先にベルアルと話をしてもらった。その結果、現在生産中の汎用型ネフィリムを100機ほどベルアルをマスター登録して派遣することにした。明日朝にベルアルの宮殿へ水中戦闘用の兵器と共に届けられる予定だそうだ。クロウもソラとの話を終え、再び長旅の準備を始めた。他のホムンクルスであるミドリやアオ達の様子も見に行きたい。試しにスキャンできないか試してみたが、流石に異世界まではスキャンできないみたいだった。その話もクロウはベルアルにするために、北帝宮殿に向かう。


「クロウ殿!お待ちしておりました!こちらへ!」


ベルクと偶然入り口でばったり会う、そのまま急ぎ足で謁見の間に連れていかれた。


「クロウ殿です!」


ベルクはそれだけ言うと、いつもの謁見の間に連れていかれた。今日はベルアルの後ろではなく、訪問者としていつもと同じく高い玉座に座るベルアルを見上げる。いつもと同じく、ベルアルもこちらをじっと見下げていた。


(そういえば、初めて会った時もこんな風に見合っていたな)


「クロウ、海底神殿の探索結果が出た。それと同時にネフィリムの戦闘データも取れた」

「お~」


おそらく非常に良いデータだったのだろう。そうしなければこんな風に自分を探しに行かないはずだ。


「このネフィリム、世界を塗りつぶせるほどだぞ」

「マジ?」

「ああ、このネフィリム達は戦えば戦うほど強くなれる。ベルクの手下である<百凍将(ひゃくとうしょう)>の1人と戦わせていた。データからすれば、最初はかなり押されていたが、数分もすればあっという間に反撃できるようになり、5分もあれば圧倒できるほどに学習していた」

「5分で!?」

「ああ、試しに百凍将の戦闘データを直接入れてみたら、最初から拮抗した実力のまま、今度は3分で圧倒していたよ」

「ひょえー」


ということは、ベルクみたいな滅茶苦茶強い奴の戦闘データを入れれば、ベルクの実力相当のやつがワンサカ量産できるということか。


「おいおい、本当に地図塗り替えれるじゃん」

「ああ、だからこそ、ここで警告しておくぞ、気をつけろ」


ベルアルが真剣な顔でそういうんだ。恐らくマキナにも警告されたのだろう。戦闘データ、例えばクロウの戦闘データを入れたら。それは本当にこの世の終わりになるかもしれないな。うん。


「わかった、気を付けるよ。ついでにベルアル、また長旅に出てくるよ」

「わかった。今度はどこに行くんだ?」

「精霊界とのポータルが開いたじゃん?そんなわけで異世界行ってくるわ」

「わ...かった」


横でベオスとベルクがため息をついたような気がした。そこまで話して、クロウは1つ思い出したようにベルアルに話した。


「異世界で思い出したよ。中には魔界や悪界みたいなモンスターの集まりみたいな世界から攻め込んでくるやつらがいるかもしれない、だから軍備は怠るなよ?」


ベルアルはそれを聞いて、ベオスに目配りをする。ベオスも自分の胸元から手帳を取り出してその件について書き込んだようだ。軽くその場にいた全員に挨拶をして、クロウは再び自室の地下96階に向かった。


「あっ!マスター!やっほー!」


マキナと似た知らない女の子がマキナとネフィリムの手術みたいなことをしていた。


「なにしてるの?」

「やぁクロウ、君の戦闘データを入れるための特注型ネフィリムを作っている」

「えっ」


早速ベルアルに言われた事を思い出した。これ、大丈夫?


「緊急非常時以外はここの96階でクロウ領の動力コアになっていてもらうよ。それこそ北帝領が残り1%にでもならない限りここから動かないさ」


マキナにそういわれてホッとした。まあそれくらいなら大丈夫だろう。


「そういうわけでクロウ、少し()()()()させてくれ」

「えっマキナうわあばばばばばば!」


再びマキナに頭を掴まれ、全身に電流を流し込まれる。偽神の偽装も気が付いたら強制的に解除され、自分を魔改造した様子がソラとマキナの前に現れた。赤黒いクロウの姿と悍ましいほどの量の魔術刻印がくっきりと露わにされ、流石のソラも短い悲鳴と共に数歩後ろに引き下がってしまった。それと同じ時期に、クロウの頭を掴んでいたマキナの腕がパン!と破裂して飛び散る。流石にマキナもそれに驚いていた。


「驚いた、義体の限界だ。クロウ、貴方の5割の戦闘データしか取れなかった。具体的に言うと、衛星兵器などクロウが開発した戦闘兵器は何一つ使えないが、貴方の魔法とスキルはほぼ取れた。恐ろしいな、今現在も、内在している機神の人格が冥界と獄界に連れていかれそうだ」


怯えているソラがクロウをツンツンする。弾け飛んだ腕を回収しているマキナに、なんでソラがこんなに怯えているのか聞いてみる。


「それは君の体中の魔術刻印のせいだろう、その魔術刻印は私でもわからないものがある。恐らく異世界の言語や別次元の構成言語も含まれているのだろう、それこそ知恵の神でもない限り完全な解読は不可能だ」

「それとソラに何の関係が」

「その魔術刻印をクロウ領の演算回路に繋げると、計算能力や速度が80%向上するが、ソラが大変なことになる?」

「人間でいうと?」

「脳味噌に別の人間の思考回路を埋め込んで無理やり思考能力を向上させる」

「こっわ、そりゃ怯えるわ」


とりあえず肌色に偽装して魔術刻印も隠しておく。マキナ曰くその全身の魔術刻印を発動させて無理やりソラに触れなければ特に問題ないらしい。


「早くこの義体を完成させなければ」


珍しくマキナがソラにデコピンをかまして、再び特注型ネフィリムを改造し始めた。


「忘れてた、ソラ!、その姿は?」

「マスター、この姿はマスターマキナに作ってもらった特注型ネフィリムです。まだ特注型の試作機ですが、マスターの特注型が完成したら新しいのを作ってもらえる予定です」

「おお、そうなんだ」


マキナは黙々と賢者の英石から材料を取り出している。えっ、なんか脈打つ黒い心臓とか、明らかに蠢く血の塊みたいな...なにそれ怖い


そんな黒い心臓や蠢く紅い血を手に取り、目の前の特注型ネフィリムに突っ込むと、火花を散らしながら再び作業を再開した。


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