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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第二章 オリュンポス大陸
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PvP踏破その4

ギルド戦PvP1位の報酬は<大黒柱>というアイテムで、ギルドハウスに使用することにより、ギルドの功績に応じたギルドメンバーへのバフが常時付与されると言う優れものだ。メンバーが1人しかいないクロウが使ってもしょうがないので、怖い思いをさせた戦乙女達(ヴァルキリーズ)に渡すことにした。ホムラは受け取ると嬉しそうに一足先にギルドに戻り、暫くすると、アカリやアマネ達のステータス画面に<フレイヤの加護>と言うギルドバフが追加されていた。


***


ギルドバフ:<フレイヤの加護>

効果:全能力値20%上昇、自動HPMP回復量50%上昇


***


「えっ強い」


問答無用の全能力値上昇。そしてリジェネ量増加。Lvの低いうちは恩恵を受けにくいが高くなるにつれ大きな割合で上昇していく。恐らくだが、アカリやホムラ、アマネ達は既にアズガルド大陸屈指のプレイヤーに数えられるだろう。ヒノカも含まれるか、忘れてたわ。


「これ現在2位の戦乙女達にわざと負ければまたアマネ達は獲得できるのか?」


そう思って報酬を確認したら、現在の1位獲得報酬は金貨だけになっていた。


最後は召喚系、死霊術師(ネクロマンサー)召喚術師(サモナー)用のPvP会場があるようで、まずは召喚術師の方に参加することにした。まずは5000位くらいのプレイヤーにマッチを申請する。相手も承諾したようで、いざ会場に入ってみると、プレイヤー同士はなにかガラスのような素材で保護され、外にある召喚陣から直接召喚獣を召喚し、彼等のみを戦わせる仕組みのようだ。


「いでよ!ファイヤーリザード!」


相手はなんともかわいい火のトカゲを召喚する。<火球>を使ってくる点は確かに手ごわいが、正直クロウからしたらただのペットである。


「召喚:<イフリート>」


魔法陣から巨大な火柱が上がり、それと共に魔人の怒りの声が響き渡る。封印された魔人の一人であり、火と怒りを司る精霊だった者だ。


豪炎を纏ったイフリートは、軽々と相手のファイヤーリザードを摘まみ上げる。慌てた相手をあざ笑うようにイフリートは笑い声を上げると、そのままファイヤーリザードを口の中に入れて咀嚼しだした。口の中からは一瞬だけ悲鳴が上がったが、イフリートが嚥下すると同時に試合は終了した。


イフリートは現在の召喚術師界隈でも随一の強さの様で、ようやくまともに戦えるようになったのは9位のプレイヤーだった。彼は数少ない竜使いの様で、火の竜相手には流石のイフリートも辛勝だった。


8位の相手は氷の竜の様で、冥凍龍とは格も何かも違っていた。少しがっかりしたが、試合は試合なので竜を狩る英雄を召喚する事にした。


「英雄召喚:<龍狩りのバルムンク>」


龍狩りの英雄、空の王者を地に落とし、人々に青空と平和を取り戻した英雄。その功績の高さを国王に疎まれ、最期は別れを告げえる事になったが、死してなお彼の実力は変わらない。殺した龍の鱗を錬化した鎧を身に着け、雷鉄と殺した龍の血で作り上げた滅龍剣を携え、再びバルムンクは現れた。目を覚ました彼は何も言わずに目の前にいる竜を見ると、


「トカゲか」


ぼそりそう言って、何も言わずにただ剣を一振りした。相手の氷の竜は空中で動かなくなったと思うと、バルムンクが振るった場所から真っ二つになった。


英雄とまともに正面から戦えるプレイヤーはおらず、1位のプレイヤーが召喚した<天竜>も一撃で葬られた。


1位報酬は<万能獣薬>と金貨

ありとあらゆる召喚獣の傷を一瞬で治す万能薬だ。だが蘇生能力はない。


最後は死霊術師(ネクロマンサー)のPvP。運営側がクロウの他のPvPでの実力を考慮したからか、クロウはいきなり10位相手に試合を申請できるようになっていた。


「いでよ!スケルトンジェネラル!」


相手は地面から骨の将軍を召喚する。他のスケルトンよりも骨太で立派な鎧と剣を装備した見るからに強そうなモンスターだ。同格の死霊術師の強さを知るためにも、クロウも同じくスケルトンジェネラルを召喚する。


「起きろ、将軍」


クロウの身体から黒い魔力が溢れ出す。それは黒い霧のようにクロウの足元に集まると、近くの地面で黒く大きな召喚陣を生成する。しばらくすると、地面の底からカラカラと言う笑い声と共に、1体のスケルトンジェネラルが現れた。背丈は2mを超え、骨は黒く、クロウの黒い霧を吸い取って鎧と武器を形成していく。暗黒騎士を思わせる禍々しい鎧と、ドラゴンの骨とダマスカス鋼で作った黒紫色の双頭斧を持って、相手のスケルトンに殺意を向けた。


(違い過ぎない?)


これも加護のおかげか、骨王の加護に獄王、冥王のやその他の加護も相まって恐ろしい見た目になっている。


(次からは加護とか無しで召喚しよう)


心なしか相手のスケルトンも震えている。相手の死霊術師も同じように震えている。PvP開始の合図とともに、相手のスケルトンジェネラルは武器を抜いて素早く走ってくるが、クロウのスケルトンジェネラルが斧を振りぬくとそのあっけなく相手のスケルトンジェネラルはバラバラになった。


骨王の加護のみのスケルトンジェネラルも十分に強力で、1位の召喚した骸竜(むくろりゅう)も難なく討伐した。1位報酬は金貨と死霊系召喚獣を強化する指輪だ。数少ない余った指に装備しておく。


そうして他のPvPも制覇したクロウは、その圧倒的な戦い方と、悪魔のような召喚獣から、魔王の呼び名をさらに広めていった。

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