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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第二章 オリュンポス大陸
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大型アプデとPvP

「ただいま~うおっ!?」


久しぶりにクロウは自領に戻ると、大量のシステム音がクロウの脳内に響いた。ほとんどが黒字収入のうんぬんかんぬんやベルアル達が何々を達成しました、称号として何々を獲得したなど、ゲームからの通知音ばかりだった。どうやらクロウがいない間にもベルアル達は各地で暴れまわっていたようで、<魔龍討伐>や<魔王虐殺>など物騒な実績から<大豊穣>など、数多くの良い実績もあった。クロウは久しぶりに移動用の飛行型汎用エインヘリアルに乗ると、ベルアルのいる北帝宮殿に向かった。


「ベルアル!ただいま!」


執務室で仕事をしているいつもの鉄面皮な女帝を発見。彼女もクロウを見つけると、珍しく仕事を秘書に任せ、直ぐにクロウを連れて大きな食卓に着いた。


「聞いたよ国父、向こうの大陸統一したんだって?」

「え!?なんで知ってるの!?」

「オリアナ、彼女は私の人間だ」

「!?!?」


怖....前に彼女に俺を誘惑してほしいとか言った記憶がある。やべぇ絶対知られてるじゃん。


「まあいい、とりあえず、久しぶりに帰ってきたんだ、向こうでの話を聞かせてくれ」

「もちもち、どこから話そうかな」


そこから食事を楽しみ、おいしいワインを飲みながら榛国での今までの事をベルアルに事細かに話した。珍しくベルアルは少し顔を驚かせたり少しにっこりした気がする。夜も遅くなり、ワインも回ってきて、ベルアルの顔も少し赤くなってうとうとしてきた頃、クロウとベルアルの2人きりのディナーは解散した。木曜日の大型アプデまでまだ時間があるので、クロウは久しぶりにクロウ領にいるべオスに燕州で買った茶葉を渡し,談笑に耽る事にした。


「クロウさん、お久しぶりです」

「久しぶりべオス、いつもありがとうな」

「いえいえ、勝手ながらクロウ領の売り上げの1%ほどを税金として北帝領の国庫に入れているのですが、未だにクロウさんの編み出した数々のブランド品や利権だけで国の財政の10%から20%ほどを占めている現状です。本当に大助かりです」

「まじ?5%くらいにしてもいいよ」

「あっ、お気持ちは嬉しいのですが、今の所、最終戦争(ラグナロク)の予定は...」

「全部軍備に充てないよで...」


なんとも好戦的な軍師だこと。クロウがべオスやベリアルに譲渡した国営企業やクロウ領傘下の企業のリアルタイム株価を眺めつつ、クロウは久しくべオスと国政について語った。その後、べオスを迎えにベルクがやってきた。彼とも少し世間話をした後、2人を見送ると、クロウは自室で北帝領の研究所からの報告書を眺めた。


金曜日、仕事も終わり、食事も風呂も済ませたクロウは、早速更新の内容を確認する。


「ふむ、前回とあまり変わりはないな」


それぞれの大陸がさらに数倍広くなったのと、新しい中立蛮族が出現したり、新素材が追加されたり、更新内容を流し読みしていく。


「お!」


珍しくクロウが声を上げて喜んだ。その内容は、


<闘技場の常設化>

<プレイヤーランキング上位の報酬強化>

<PvPによる経験値獲得量上昇>

<精霊界、海底界、獣人界解放>


PvP内容の強化と異世界の解放だ。異世界は予告通りだったのでそれはそれでいいとして、クロウが注目しているのはPvPだ。クロウはプレイヤースキルが無いと自負しているが、流石にプレイ時間が1年を超えようとしている今、そろそろそっちも鍛えないといけないと思っていた頃だった。


異世界にはミドリやアオ達人工生命体と一緒に再び訪れるとして、まずはPvPからだ。クロウは公式の案内通り、まずはPvP会場に向かう。プレイヤーメニューに闘技場という新しい項目が増えており、ここから直接会場に向かえるようだ。今の総合ランキング1位はちゃちゃ丸。Lvも最後に会ったときから50ほど上がっており、ミナト領や南国で遊び惚けていたわけではないようだ。この前の小型アプデでLv上限が無くなったので、クロウは既に4桁を超えそうになっているが、闘技場ではさまざまな制限を設けることができるので、Lv差による暴力もない良心設定。クロウは早速、闘技場へ移動した。


闘技場には既に数多くのプレイヤーがおり、PvPポイントで交換できるショップや待合室、簡易なポーションを売っている販売所や武器防具修復所など、さまざまな店が存在していた。そして中央のポータルからそれぞれの武器のPvP、職業のPvP、何でもありの最強を決める総合PvPへのマッチング室が用意されていた。クロウはとりあえず待合室に入る。どうやらマッチング室と待合室はパーティ毎に独立しており、プレイヤーvsプレイヤーだけでなく、パーティvsパーティ、ギルドvsギルドでも戦えるようだ。恐らく以前のイベントである<ギルド戦争>が好評だったのだろう。


クロウは職業を変える。と言っても偽装だが。今回はアサシン、その中でも暗殺に特化したマスターアサシンと言う上級職に偽装する。偽神の権能も随分と強化され、<完全擬態(パーフェクトミミック)>の効果で昔のベルアルでも今なら見破られない自信がある。


ステータスも弄り、攻撃力と速度にガン振りしておく。紙防御はアサシンのロマンだよね。そうして装備も整え、クロウはまずは武器PvPの1つである短剣PvPのマッチング室に入った。数秒後、クロウは<マッチングに成功しました>と言う音と共に、目の前に決闘条件が表示された。


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