表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第一章 アズガルド大陸
6/227

初めての隠しイベントです

それから毎日仕事が終わるたびに家に帰ってレベリングし、レベリングして寝て仕事して、寝食も忘れてひたすらレベリングし、なんとかLv40を超えた頃、初めての隠しイベントに遭遇した。ベルガでいつものように薬草採取の任務や偶に出る中級モンスターを倒したりしていると、どうやらギルドで一定以上信頼度が溜まったようで、ギルドマスターから直接任務が渡された。


「人探しか」

「ああ、この街でも有名な富豪の一人娘がな、行方不明になったんだ」

「そういうのは専門の人に頼むべきでは?」

「あまり大事件にはしたくないとのことだ」

「なぜ俺に?」

「信頼できるからだ」


<隠しクエスト:富豪の娘を探し出せ>が出現しました。

(隠しクエスト!)

公式の通知メッセージも出てきて、いよいよ断わりずらくなったので、大人しく受ける事にした。


「ありがとう、恩に着る、最後に確認できた場所はベルガから西に行ったベルガ大草原だ。まずはそこから当たってみてくれ」


ベルガの東の方にあるベルガ鉱山は行ったことあるが、そういえばベルガ大草原はまだだった。

折角なので少し準備をしてから行くことにした。

(まずは新しい武器を強化して、それから新しい装備も作って...)

数時間後、新しく武器と装備を手に入れたクロウはマップを参照しながらベルガ大草原を探索していた。


***


オーバーザホライゾンがサービスを開始してから既に半年が経とうとしており、大型ボス討伐戦やPvPなど数多くのイベントが既に開催されており、そのイベントの成功から国内外のストリーマーも注目している。

そんな中、PvP上位や大型ボス討伐戦で名を上げたプレイヤーは二つ名がつけられていた。


大型ワールドボス:キングオーガ討伐戦にて、たった一人でワールドボスの体力を50%削ったプレイヤー

<人間巨砲>ちゃちゃ丸


大型ワールドイベント:魔獣氾濫鎮圧戦にて、たった一人で数百万のモンスターから前線の要塞都市を守り抜いたプレイヤー

<移動要塞>チャーリー


大型ワールドイベント:血染めの紅夜(クリムゾンナイト)にて、たった一人で参加プレイヤーの8割を治療したプレイヤー

<天使>シュレミー


***


「お?これは?」


霊馬から降り、マップの隅で確認できた富豪の娘のハンカチを拾い上げる。

周囲を見渡すと、微かに残った血痕が見つかった。


「召喚:<ブラッドハウンド>」

召喚陣から黒い猟犬が出現する。ブラッドハウンドは血に敏感な猟犬で、一度嗅いだ血の匂いならたとえ海の中にいようとも問題なく辿れると言う、手負いのモンスターの追撃にはもってこいの召喚獣だ。ブラッドハウンドが一度吼えたと思うと、俺についてこいと言わんばかりに走り出した。

それから暫く進んでいくと、大草原の隅に不思議な集落があった。<スケルトン・シーフ>と<スケルトン・アサシン>で探知してみると、どうやらここは盗賊のアジトのようだった。集落の最奥の一番大きな家の中に拘束された一人の少女がいた。恐らく富豪の娘だろう。


「召喚:<スピリアル・ゴースト>、<スピリアル・アサシン>、<スケルトン・アサシン>」


スピリアルゴーストとスピリアルアサシンは実体を持たない霊体で、物理攻撃が効かず、魔法攻撃も当たらない。スピリアルの名が付くモンスターを倒すには神聖魔法を使用するしかないが、盗賊のように業が深いやつらにそんな魔法が使えるわけもなく、夜を待ってこの召喚獣たちに盗賊を討伐するように命じると、マップから悲鳴も声も何もなく、転々と敵表示の赤い点が消えていくだけだった。その後、<スケルトン・アサシン>が富豪の娘と共にみな帰ってくると、俺は霊馬に載せて夜道をベルガの街まで駆けていく事にした。


夜中こっそりギルドに入り、ギルドマスターに富豪の娘を引き渡すと、事前に提示されていた3倍の報酬金を渡された。


「これは?」

「手早い救助助かったよ。先ほど依頼主にも急いで連絡したが、大急ぎで迎えに来ると言っていたよ」

「なるほど、ありがとうございます!疲れていますので、では!」


この後は富豪に感謝されてうんぬんかんぬんのめんどくさいイベントがありそうだったのでそうそうに断って宿に帰る事にした。もともとLv50を目指してレベリングをしていただけ、先ほどの盗賊狩りでようやくLv50を超えたので、早く二次転職をしたい所だ。


「あっ、ちょっと待て!クロウ!お前のランクはBに上げとくからな!」

「はーい!」


ギルドマスターのランクアップの通知も後ろに、急いで部屋に戻った。

その後、自室で今回もメルティがやってくるかと思ったが、特に何もなく、職業欄の冥将が冥王になった。ゲーム内で現実時間を確認してみると、夜も更け、明日の仕事に差し支えると良くないので、早々に宿屋のベッドに寝転がり、ログアウトした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ