表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第一章 アズガルド大陸
57/227

勇者とクロウその3

翌日、朝起きたヒノカと一緒に食事をし、彼女と今後について話した。


「えー改めて、初めましてヒノカ、俺の名前はクロウ、冒険者でありプレイヤーだ」

「冒険者?プレイヤー?」

「冒険者って言うのはギルドから出される依頼もしくはクエストをクリアして報酬をもらう人達だ。薬草採取をしたりモンスターを狩ったり、色んな事をする。プレイヤーって言うのは俺みたいな他の世界から来た人たちの事。みんなが使えないスキルが使えたり、色々できる異世界人だ。ヒノカも俺の頭上にマークが出てるのが見えないか?それがプレイヤー、異世界人の証だ」

「見える」

「そそ、それでね、ヒノカを買った理由なんだけど、プレイヤーには<鑑定>っていうスキルがあって、他の人のステータスが見れるんだ、そこで気づいたんだけど、ヒノカも<火蝶封訣>のスキルを持っている事に気づいたんだよね。だからってわけじゃないんだけど、珍しいスキルがあったからついって感じ」

「な、なにするつもりなんですか?」

「え?何にも?」

「え?」


クロウとヒノカはお互いを不思議な顔で見合った。


「うん、プレイヤーはパーティを組めるんだけど、俺はLvが高すぎて他のプレイヤーとは組めないから、戦える奴隷を探してたんだ、そんな時にヒノカを見つけてそれで買った。まあヒノカを買ったのはもう一つの理由もあるけど、それはまた今度話すよ」

「わ、私も戦います!」


ヒノカはクロウに向かってはっきりとそう言った。


「うん、俺もそのつもり、きっとヒノカも心の中でやり返したいと思ってると思うから、その為にも、ヒノカには強くなってほしい、俺はすごく厳しいし、強くなる過程はすごく辛いかもしれないけど、二度と奴隷にならないためにも、二度とヒノカの里みたいな事が起こらないためにも、強くならない?」

「なる!」

「よし、じゃあまずは冒険者になろう」


まずはNPCギルドである南国ギルドに登録し、そのアマネ達のギルドにも顔を出す。どうやらセシリアが既に話を通してくれていたようで、ヒノカの為の装備と武器を用意してくれた。いきなりフィールドに出てモンスターと戦うのもいいけど、まずは基本的な戦闘スキルと基礎知識を戦乙女達(ヴァルキリーズ)のメンバーに学ぶことにした。


まずは所持している剣術を少なくとも中級まで上げて、生活魔法と習得できれば神聖魔法に含まれる回復魔法も習得してもらいたい所。とりあえずクロウはヒノカと第1訓練場に向かう事にした。


「初めまして、お二人とも、戦乙女達の武器試験課、前衛冒険者のマイです」


彼女の名前はマイ、アマネの後輩で、よくホムラ達の打った武器を使ってクエストなどをこなしている、南国のギルドでも名の知れた人物らしい。


「では、まずは剣術から磨いていきましょう」


マイはまずヒノカに自由に訓練用の武器を選んでもらう事にした。すると彼女は短剣を選んだ。


「ふむ、短剣ですか、何か流派はありますか?」

「いえ、習う前に...」

「失礼、では古代短刀術である幻蝶乱舞(げんちょうらんぶ)を学びましょう」

「え?マイ、古代武術まで使えるの?」

「ええ、これでも武器試験課のトップですからね」


そうしてマイはまず幻蝶乱舞(げんちょうらんぶ)がどんなものか見せるために、クロウにデュラハンを召喚するように言った。


「召喚:<デュラハン>」


Lv50くらいのデュラハンだが、クロウのいろいろなバフも乗って恐らくLv100近くの実力を手に入れている。だがそんなデュラハンもマイの前ではただ闇雲に剣を振るう事しかできなかった。両手に短剣を構えたマイは踊るようにデュラハンを攻撃を躱し、的確に致命傷を入れていた。デュラハンの弱点は人と同じ関節部、魔力や魔法を込めた短剣でデュラハンの関節を切れば切られた先の腕や脚は自由に戻らず、ただのガラクタと化す。そうやってマイは一撃も喰らわず、デュラハンをバラバラにし、圧倒的な強さを持ってデュラハンを倒した。


「どう?強いでしょ?」


デュラハンとの戦いの後、マイも楽しかったのか、少し口調が変わっていた。ヒノカも大きな瞳を輝かせて、短剣を強く握りしめ、マイの言葉を頷いていた。


「いきなり2本は難しいから、まずは短剣1本から始めようか」


その後、昼ごはんの時間になるまで、マイとヒノカはみっちりと特訓をした。その間クロウはと言うと、延々とマイのいうままスケルトンやゴブリンなどのモンスターを召喚していた。昼ごはんを食堂で食べた後、午後は生活魔法や回復魔法を学ぶことにした。


「さて、午後は生活魔法と回復魔法についてです。生活魔法とはいわゆる生活に必要な魔法、例えばのどが渇いた時の、<飲料水>、野営の時に薪に火をつける<着火>など、冒険者としても、日常生活でも必要不可欠な魔法です」


生活魔法はMPを持つものなら誰でも直ぐに習得、使用可能な魔法で、マイも数分とかからず全て習得した。最後に回復魔法。神聖魔法にぎりぎり区分されるが、悪魔族など魔族にダメージの無い、生物を癒すための魔法だ。残念ながらクロウは業値が高すぎて回復魔法すら使えないが、代わりの魔法やスキルで回復する多くのすべがあるし、そもそも強力な常時強力な物理魔法防壁が展開されているので回復魔法を習得する必要もない。


「南部大陸や西部大陸の子供たちは小さい頃に教会で祈りを捧げればクラスⅠ回復魔法を手に入れるんだけど、まあ1から学びましょう」


ヒノカはマイに習ってまずは人間や他種の身体の作りを学び、その後魔素で負傷者の治癒力を高め治療する方法を学んだ。そうして夜遅くなるまで何度も何度も試した結果、無事にヒノカもクラスⅠ回復魔法を手に入れた。


---

名前:ヒノカ

メイン職業:武器使い:短剣(勇者)

サブ職業:村人

<ステータス>

Lv.5

HP:120

MP:70

筋力:12

体力:10

敏捷:9

精神:16

堅剛:10

知力:11

<スキル>

幻蝶乱舞:入門編

生活魔法

回復魔法LvⅠ

(火蝶封訣)


<加護>


<呪い/祝福>


---

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ