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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第一章 アズガルド大陸
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一次転職は予想外

<デビル・ミノタウロス>と<堕ちた茨騎士>の戦いは苛烈だった。

ボスの攻撃は巨体には似合わない程早く、隙をついた茨騎士の身体を一撃で両断するほど圧倒的だった。だがデビル・ミノタウロスが聖火を使えるわけもなく、両断した身体からお互いに茨が伸び、絡み合うとあっという間に再生した。反面、堕ちた茨騎士の攻撃は鋭く、的確に急所を切り裂き、貫き、抉り取っていた。敵にも微力ながら再生力があるようだが、堕ちた茨騎士が攻撃した傷口には茨はまとわりついており、蘇生を阻止しながらボスの出血を促していた。


「ソウルバインド!」


死霊魔法の一つであるソウルバインド、どこからともなく透明な幽霊が現れ、騎士との戦いに集中している敵に近づくと、優しくデビル・ミノタウロスの魂を引きずり出した。魂が引き抜かれた瞬間、敵は白目をむいて動けなくなっていた。デビル・ミノタウロスの魂は幽霊に抗い、どうにか肉体に戻ろうともがいている。俺も魂が戻らない様に集中しながら茨騎士にトドメを刺すように命じた。堕ちた茨騎士はその指示を受け取り、軽くうなずくと、剣に茨を巻き付け、巨大な茨の剣を作り、ボスの頭を一刀両断した。


ボスの巨体がポリゴン化し、いくつかのドロップ品を堕ちた茨騎士から受け取ると、トラップ部屋の扉が再び開いた。外に出てみると、来た時とは違い、なぜか一本道になっており、道なりに進むとまた扉のある部屋にたどり着いた。再び扉のある部屋に入ると<ボス:ゴブリンウォーリアーが現れた>と表示が出た。


「これがボスか...」


正直先ほどの戦いと比べたら圧倒的に物足りなく、<スケルトン・ソルジャー>×2と<スケルトン・メイジ>×2で5分足らずで本物のボス戦は終了した。


ダンジョンから出ると、どうやら他にもパーティがいたみたいで、なんとなく気づかれたくないので足早に拠点に帰る事にした。拠点に帰り、そういえばまだ宿を取っていない事に気が付いたので、ダンジョンに入る前に適当に受けたモンスターの討伐依頼を清算した。ついでにデビル・ミノタウロスの素材もギルドに納品した。ギルド役員はデビル・ミノタウロスの素材を見ると、専門の鑑定士を呼ぶと言って、どこかへ行ってしまい、20分くらいしたら大量の金貨を渡された。


結構な資金を手に入れたので、折角だから風呂付の良い宿屋を取った。


「お部屋、203号になります」


ルームキーを受け取り、部屋に入ると扉に鍵をかけ、装備を解除し部屋着に着替えてベッドに横になった。そして自分のステータスを確認しようとメニューを開くと、なぜか急に眠気が襲った。抗いがたく、必死に瞼を開こうとするも、気が付いたら視界が真っ暗になっていた。


「お久しぶりですクロウ様~❤」

「うおっ!?」


再び目を覚ますと、いつぞやのメルティが目の前にいた。


「レベル20突破おめでとうございます❤」

「ああ、そういえばそうだったな」

「これでようやく一次転職ができますわ」

「あ、そうなんだ」

(近い...なんでこんな...)

「見ましたわ、ダンジョンでのご活躍、即死級トラップ部屋のボスをまさかの討伐、感無量ですわ❤」

「わかったわかった。近い!」

「では、こちらから新しい職業をご確認ください」

言われた通り、いつぞやの一覧を流し見していく。

(物騒なのしかない)

「メルティ、何かお勧めは」

「こちらになります!」


---

名前:クロウ

メイン職業:冥将

サブ職業:六道師

<ステータス>

Lv.26

HP:780

MP:1540

筋力:130

体力:150

敏捷:140

精神:170

堅剛:120

知力:230

<スキル>

生活魔法

死霊魔法

死霊術

六道術

召喚魔法

偽造魔法

<加護>

死神の加護

六王の加護

獄帝の加護

冥帝の加護

魔王の加護

魔神の加護

悪神の加護

<呪い>

死神の呪い:見た目が死霊系モンスターになる

獄帝の呪い:神聖な者、物、場所に拒絶される。

悪神の呪い:業カルマが999になる。業カルマが減らない。

---


「あれ将軍になってる!?」

「当然ですわ、<デビル・ミノタウロス>はミノタウロス族の中でも上位のモンスター、悪魔族に堕ちてさらに強くなり、魔族の中でも数千の兵を率いて戦えるだけの実力はありますわ」

「あの強さで数千なんだ」

「まあLv100を超えなければ話になりませんわ」

「最終転職だっけ?」

「ええ、Lv100達成までがチュートリアルのようなものですわ」

「そうなんだ」

「でもクロウ様ならすぐですわ❤」


そういうとメルティは投げキッスをしてステータス画面を閉じた。

それと同時に再び画面が暗くなり、気づいたら宿の部屋に戻ってきていた。


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