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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第一章 アズガルド大陸
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新イベント開始です

1週間後、和風の音楽と共に妖王の領域のモンスターがPVに出てくる。九尾、八岐大蛇、はてにはジン〇ウガのようなモンスターも出てきた。そしてPVが終わると同時に、クロウ、アマネ、アカリ、ホムラは戦乙女達(ヴァルキリーズ)のギルドハウスに出現した。


「えーと、妖王の領域に一番近い都市はグルーザ、新大陸の東部の辺境都市の一つですね」


アマネがそういうと、全員は新大陸へのポータルに向かいながら状況確認やアイテムボックスを確認した。どんなモンスターが出てくるかわからないので、全員あらゆる状況に対応できるように装備を整えてある。


ひとまずポータルをくぐり、新大陸へ。今回は新大陸中央の都市へひとまず到着し、そこからはグルーザに行くまでの一通りのクエストをこなせば自動で連れて行ってくれるという。もちろん全員馬車なりなんなり乗って行ってもいいのだが、既に町のギルドや馬車には行列ができており、近づくことすら難しかった。


まずは中央都市の教会の裏にいるグルーザからやってきた男性にHP回復ポーションを渡す。そしてその男から話を聞く。どうやらグルーザの街は現在、妖王の手下の攻撃に見舞われており、命からがらここへ増援を要求しに来たが、誰にも取り合ってもらえず、ここで死にそうになっていたという。彼に我々が助けに行くと伝えると、無茶だ!と言われ、どうしても行きたいなら妖王の手下と同等クラスのモンスターを倒して来いと言われた。クエストリストに上がっているモンスターを見ると、どれもLv100を超えるモンスターで、それを鑑みるに、並みのプレイヤーや冒険者じゃ太刀打ちでき程の強さのモンスターが妖王の領域に数多く存在しているのはわかった。だが全員倒したことのあるモンスターで、代表してアマネが素材を渡すと、男は実力を認めたのか、男泣きと共に村を救ってくれと言い、転移のスクロールを渡してくれた。アマネがそれを使用すると、クロウ達4人は無事にグルーザの街にたどり着いた。


どうやらかなり逼迫した状況のようで、絶えずモンスターが城門や城壁に体当たりする音が聞こえてくる。クロウ達は至急城門の近くに駆け寄ると、グルーザの防衛隊長<エルザ>と言う女性が声をかけてきた。アマネは簡素に新大陸から来たプレイヤーであり、グルーザの街を守りに来たと告げると、感謝すると言いながら、新大陸独特の敬礼をし、早速状況を教えてくれた。現在前方の東城門にモンスターが集中しており、大型の突進型モンスターや魔法を使ってくるモンスターも数多く攻撃に参加しているという。また南城門にもモンスターが攻撃しているが、こちらは数が少ないため現状の防衛兵力でなんとかなっているらしい。


せっかくなので、アマネ達3人には東城門に行って今の彼女たちの実力を見てみることにした。


「召喚<蠱毒将(こどくしょう)>、<絡繰兵(からくりへい)>」


南城門には蠱毒将と絡繰兵を送っておく。彼らも六道輪廻から召喚された存在で、蠱毒将は生前邪術であった蠱毒を作り、己の武器と配下の武器に塗って戦っていた邪法の将軍、絡繰兵は邪法で心を抹消した絡繰り人形のような兵士たちの事である。彼らの特徴は指揮者の特性を引き継ぐところにある。今回の場合、蠱毒将の蠱毒が彼らの全身及び武器に付与され、触れたあらゆるものにへばりつき、蝕み溶かす猛毒を自由に使用するだろう。Lv150相当の蠱毒将にLv100相当の蠱毒絡繰兵、南城門のモンスターはそんな彼らの一撃で肉が爛れ、猛毒で死んでいったので、特に何を考慮する必要もなく、モンスターを撃退してからは、そのまま南城門の護衛をさせた。


そして上空でアマネ達の戦いを見てみる。


「クラスⅨ大規模魔法<星の滝>!」

「土の精霊よ!お願い!」

「七聖剣第五剣!村雲!」


アマネは巨大な魔法陣を上空で出現させ、そこから水と火と土の混合魔法である星の滝を発動した。滝のような膨大な水流がモンスター達を東城門から流し返し、滝の中に含まれた小さな火の玉にモンスターが触れた瞬間、巨大な水柱と共にその火の玉が爆発した。この魔法は抗いがたい水の魔法の中に強力な爆裂魔法を含む小さな火の玉を織り込んだ、大規模殲滅魔法の一つだった。流石アマネ、瞬時に必要な魔法を判断し、発動する。戦乙女達の頂点に立つにふさわしい威力と判断力だ。


アカリも土の精霊の力を借りて、滝が変なところへ流れないように壁を作っている。ホムラも星10武器の一つである村雲を抜き、魔法から漏れ出たモンスター達を難なく切り飛ばしている。完璧な連携だ。クロウは弟子が立派になり、独り立ちしたような嬉しさと寂しさを感じた。そういえばラビットハウスのメンバーはどうなんだろう。ふと気になったけど、すぐにアマネ達に合流しなければと思い、その考えを振り払った。


軒並みモンスターを追い払ってグルーザの街の安全を取り戻した今、改めて街を守るエルザに礼を言われた。


「冒険者の方々、共に街を守ってくれて、本当にありがとう」


エルザは深々と頭を下げた。


「ご覧の通り、このグルーザの街は妖王の配下にたびたび攻撃を喰らっていてな、こちらから攻め込められればいいのだが、いかんせん防衛戦力が少なすぎて、こちらから攻めに転じたらおそらく一瞬で街が落ちる。そこでだ、冒険者の方々に防衛強化の手伝いをしてもらいたいのだが、構わないか?」


クエストの内容を見る限り、妖王の領域から木材や鉱石を持ってきてほしいなどのよくある素材収集クエストだ。


「召喚<スケルトン・ワーカー>」


懐かしのスケルトン・ワーカー達と一緒に妖王の領域でのんびり木を伐採する。近くにはアマネ達もおり、3人もホムラ特製の斧で軽快に木を切っている。拠点の近くのためモンスターもおらず、すぐに必要な分以上を回収して、全部エルザに渡した。エルザは大変喜び、すぐに手下に防壁や壊れた家々の修理をし、報酬として4人にグルーザまで直接ポータルを通して来れるようになった。


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