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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第一章 アズガルド大陸
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南部王国の王女に謁見です

しばらくイベント戦とアマネ達とベルアルで忙しくて、ゆっくりできてないことに気が付いたクロウは、霊馬クリスティーナではなく、南部王国から出ている馬車に乗って、西部王国北方、歩きで南下して、そのまま西部南方から再び南部南方に戻るという、大陸半分を横断する計画を立てた。ここの所、頻繁にアマネ達に会っていたので、旅したいから暫く会えないというと、ついてくると言い出した。なんとか断ろうにも、どうやら彼女たちもクエストやLv上げで忙しく、まだゲーム内で旅行したことがないんだとか。そう言われたら断るわけにもいかず、大人しく一緒に旅行することにした。


南部王国の長閑な牧草地を抜けようと思った矢先、なんと南部王国兵に捕まった。クロウが。


「???」


しまった、まさか顔を変えてないせいか?でも誰が??


「南部王国の聖王女セシリア様よりご神託が下った!本日馬車に乗って亜麻色乙女と共に旅に出るものが魔王クロウであると!」


(ピンポイントすぎない???)


「落ち着けアマネ!アカリ!ホムラ!まあなんだ、聖女会ってくるわ!」


恐ろしい形相でそれぞれ武器を抜いて魔法陣を出現させた亜麻色乙女達に帰るように言った。折角だし大人しく連れていかれる事にした。南部王国王都の宮殿まで入るのは良いものの、宮殿内の聖女や修道女がクロウを見るたびに次々と眩暈と激しい頭痛でバッタバッタ倒れていく。急に捕まえられたんだし、これくらいいいよね。


「聖王女様!罪人クロウを連れてきました!」

「連れてまいれ!」


ベルアルとは違う感じの王女が上に座っていた。むしろ金髪赤眼でベルアルとは真逆のタイプだ。


「其方を捕まえたのは別に処刑するわけではない、ただ天啓が降りてな」


クロウは鑑定してみると、<智天使>の加護を受けているようだ。天使位階第二位の加護ともなれば、強力なものに違いない。<天啓><神託>のスキルがある事から、そういうスキルでクロウの位置がバレたのだろう。


「お前を捕まえて()()と言われた」


目の前の聖王女セシリアは凄みを持ってクロウを睨みつけるようにそう言った。


「温厚な天使がそんな事を言うなんて可笑しいと思ってなぁ、捕まえるから場所を教えてくれと言われた。いざ捕まえてみればこの通りだ」


セシリアは改めて言う。


「お前が入ってきた時から、恐怖と畏怖で身体の震えが止まらない、吐き気と頭痛に生理痛まで刺激されたもんだ、今すぐお前を処刑したい」


セシリアは心底怯えながらそう言った。


「だがそういうわけにもいかないんだよなぁ」


セシリアは頭を抱えながら指を3、2、1と折っていくと、辺境の兵士から早馬がセシリアに届いた


「お、おおお王女陛下!国王殿下!へへへへへ、北帝領辺境に北帝兵が集結しています!」

「北の狂った雌狼は怖いなぁ~」


セシリアはやれやれと言わんばかりの顔で頭を抱えると、近くの兵士にクロウを開放するように言った。

去り際、クロウはセシリアに「また呼ぶ」と言った。宮殿から出て、急いでベルアルに安全だと連絡を入れて、フレンド三人にも大事ないと連絡し、とことこ霊馬に乗って帰る事にした。それから暫くクロウ領に引きこもって大人しくしていたが、すぐに我慢できずに再び遊びに出た。再び南部王国のお気に入りのカフェでコーヒーを飲む。後で亜麻色乙女の三人が来る予定だが、予想よりも早く誰かが相席しに来たようだ。顔を上げると、


「やぁ?」


といつぞやの王女セシリアがいた。


「!?!?!?!?」


クロウは驚きの余り飛び上がりそうだったが、セシリアはしーと指を口に当ててウィンクすると、店員にクロウと同じコーヒーとケーキを注文した。

(デジャヴ)

心の中で稚拙なフランス語を言いながら、クロウは努めて冷静に、なぜセシリアがここにいるのか聞いた。


「いやなに、あの日お前を見てからな、なぜか頭の中からお前の姿形が忘れられなくてな...」


そういいながらセシリアはずいっと身を乗り出して、クロウをビシっと指さした。


「私とデートしろ」


と言う事で、王女に言われては断れるわけもなく、むしろ断ったら南部王国全域出禁にすると言われ、大人しく二日後に王女とデートする事になった。そういうわけで、クロウは今、亜麻色乙女の新居でしゃぶしゃぶを食べながら三人にどうすればいいか聞いていた。


「どうすればいいと思うこれ?」


肉を二枚掴み、豪快にしゃぶしゃぶするクロウ


「大人しく行くしかないです...」


小さな口で肉を噛みちぎりながらアカリが賛同する


「何か臭うぜ...」


負けじと箸で肉6枚を豪快にしゃぶしゃぶするホムラ


「目下、大人しく行くのが得策ですね」


おかわりの肉を持ってくるアマネ


「やべぇよデートとか初めてだよ」


お気に入りのゴマダレを自分の器に追加するクロウ


「まじ?童〇?」


おかわりの肉も容赦なく喰らうホムラ


「どどど〇貞ちゃうわ!」


挙動不審になるクロウ


「大丈夫、クロウ、いい人」


箸を持ったままグットポーズでどや顔するアカリ


「相手は王女ですから、こちらもしっかりと準備しないとですね」


ようやく落ち着いてしゃぶしゃぶを食べるアカネ


そんな感じで4人は明日、新装備、もとい服を買う事にした。ホムラは裁縫大師のという裁縫に関してはもう大成しているが、どうせならショッピングに赴きたいと言う事で、あえて誰も触れないでおく事にした。

翌日、4人はショッピングに行き、クロウには清潔感のある青い上着に白いシャツ、下にはジーンズというベーシックで外れのない一式をそろえた。


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