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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第一章 アズガルド大陸
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亜麻色乙女の新築です

三人の訓練も終わったので、三人とフレンド登録だけして、久しぶりに北帝領に帰ることにした。案の定ベルアルにどこに行ったのか問い詰められたがフレンドと特訓してたというと、ベルアルは「女の匂いがする...」とか言っていたので、怖くて足早に退散した。


そして12月。会社の方もそろそろ年末調整が入り、いろいろとバタバタし始めたが、クロウはいつも通りの曜日にいつも通りにゲームにログインする。どうやら最近、南部王国でラビットハウスという新興ギルドが頭角を現しだしたという風のうわさが流れたり、西部王国で初めて派閥争いのないギルドが生まれ、名前はエーデルワイズと言うらしいとチャットで話題になったり、オーバーザワールドは変わらない賑やかさだった。運営も年末に合わせて、新しいイベント開催するようで、名前は<サンタクロースを手伝って>と言う名前だ。文字通り、12月から1月1日まで、全ての街、都市の子供たちがクエストを発注するようになり、それぞれHPポーションからドラゴンの鱗まで、数多くのプレゼントを欲しがる。それをいち早く準備し、クリスマスの日に渡せば欲しがったプレゼントに見合うお菓子をもらえるのだとか。クロウはあんまり興味なかったので、スケルトン(クリスマス姿)を大量に召喚し、北帝領内全ての子供の願いを聞き届け、全部用意して、ベルアルに北帝領ペトロデルの名で渡してといいと言い、ベルアルに丸投げした。当然クリスマスの日にベルアルは領地内の全子供に渡し、クロウもメリクリとだけ言って、フレンド登録している三人にそれぞれ北帝領で一番おいしいケーキ屋のクリスマスケーキを渡しておいた。もちろんクリぼっちのクロウは、ベルアルとケーキを食べながら、楽しくクリスマスを過ごした。


「あけおめ~」


新年早々ゲームにログインしたクロウは、フレンドの三人にメッセージを送り、クロウ領の収入を見てみる。もう多すぎておそらくこの大陸で一番の商人としても生きていけそうなほどだった。適当に承認や承諾を押して、足早に南部王国へ向かう。西部王国から南部王国に移った今、亜麻色乙女の三人から、新しいギルドハウスの建築を手伝ってほしいと言われていた。久しぶりに三人に会うと、みな衣替えをしていた。ホムラの赤髪褐色肌は変わらないが、ベヒーモスの革で作った狂戦士(バーサーカー)のような要所のみを守る大胆な装備に、赤黒い大槌<心肺停止(ハートストッパー)>を装備していた。気のせいか背丈も少し伸び、ショートカットはそのままに、長い後ろ髪は三つ編みにしていた。アカリはウサギのようなもこもこパーカーを着ており、何体が精霊が懐いたようで、アカリのもこもこパーカーのフードの中で寝ていた。

アマネもかなり実力が増しているのがわかる。エレメンタルマントを羽織、体中に<威力上昇>と<消費MP軽減>の文様が入った装備を着て、いつしかクロウの上げた魔杖を大事そうに持っていた。


「お久しぶりです、クロウさん」とアマネ

「お久しぶりなの」とアカリ

「なげぇこと見なかったな、元気か?」とホムラ


少し立ち話をした後、4人は早々に新ギルドハウス予定地に向かった。


南部王国高級街、貴族も住まうこの通りに、三人は大きな屋敷を買った。安くない値段だったとクロウはなんとなく思ったが、今の三人なら2つくらい買えるだろう。


名前:アマネ(ギルド長)

Lv:168

職業:元素系大魔法使い

サブ職業:付与術大師

魔法:<元素系属性魔法LvⅧ><元素系付与魔術LvⅨ>

スキル:<魔力操作><魔力感知><魔力純化>


名前:アカリ(副ギルド長)

Lv:158

職業:精霊系大魔法使い

サブ職業:料理師

魔法:<精霊系属性魔法LvⅨ><料理LvⅨ>

スキル:<魔力操作><魔力感知><魔力純化>


名前:ホムラ(鍛冶担当)

Lv:140

職業:鍛冶大師

サブ職業:裁縫大師

魔法:<鍛冶LvⅨ><裁縫LvⅨ>

スキル:<魔力操作><魔力感知><魔力純化>


なんと全員がそれぞれのスキルを習得しており、魔法ギルドとしても、南部王国では群を抜いているだろう。


さて、建築と言っていたが、元の屋敷はぼろぼのまま乗っていたので、せっかくだからバラシて使える資材は使い、使えない部分は捨ててしまおう。既にアマネが大量に資材を調達しているので、資材が足りなくなるということはなさそうだ。


「召喚:<スケルトン・ビルダー>」


クロウ領建築の10割を担った超有能なスケルトン達を呼び出す。彼らは目の前の荒れ地と荒れ屋敷を見て、すぐにすべき仕事を理解した。数千体のスケルトン達が一斉に仕事を開始する。荒れ地を耕す者、家を取り壊す者、草木を整備する者などなど。ホムラが手伝おうとしていたが、クロウは「昇格祝い」と言って三人を南部王国で一番の料理店に連れて行った。全員で料理に舌鼓を打ちつつ、最近の三人は何をしていたのか聞いてみる。三人ともリアルの事を話しそうになっていたので、慌てて止める。マナーは大事。どうやらクロウとの特訓から、三人ともそれぞれの才能が開花し、ダンジョン攻略でも南部王国ギルドの依頼でも、めきめきと高難易度クエストを達成していき、最近南部王国の国王に国王名誉賞なんていうのも授与されたのだとか。準貴族の三人は当然ワールドチャットでも噂になったので、クロウも昇格祝いだと大きな声で言える。数時間後、4人は再び新築予定地に戻ると、貴族街でも一番煌びやかな宮殿が出来上がっていた。国王負けじの巨大な庭園に、数千人を収納できそうな巨大なギルドハウス、巨大浴室、厨房、リビング、ベランダに訓練場、鍛冶工房、調剤室に医療所、さらには防衛施設に中央管制司令部まで完備している。


「ギルド戦争のようなイベントがあるからな、またいつ復刻してもいいように、強化しておいたぜ」


三人にめちゃくちゃ頭を下げられたが、先ほどの食事を奢ってくれたのでそれでチャラだと言ったら納得してくれた。


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