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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第一章 アズガルド大陸
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アカリとホムラの特訓

アマネの方はもう教えられることは全て教えたので、今日からはアカリの特訓に入る。


「精霊語は大体マスターした?」


アカリはどや顔でビシッと敬礼した。


「よし、じゃあアカリには<魔力純化>と<魔力属性化>を教えようかな」


アカリは?という顔を浮かべていた。なんか可愛いのでとりあえず撫でておく。

アカリにもアマネと同じように、まずは<魔力感知>を覚えさせる。すんなり覚えたので、アカリには少し難しいことを言ってみる。


「アカリ、()()()の魔力球、作れるか?」


アカリはムムムと唸りながら両手で頑張って魔力球を作る。一瞬できては霧散して、しばらくするとなんとか魔力球が出来上がった。クロウも同じようにぱっと作る。アカリはクロウが一瞬でできたことに、!という顔で驚いていた。


「次は魔力球に属性を付与するんだ。少し難しいかもしれないけど、こうやって...」


と言いながらクロウは次々とさまざまな属性を魔力球に付与してはコロコロ変えていく。イルミネーションのように色を変える魔力球にアカリは見とれていた。


「確かに精霊はMPをあげれば言うことを聞いてくれるが、彼らにも好きな食べ物がある、アカリも好きな食べ物をもらうとうれしいだろ?精霊も同じだ」


クロウは火の精霊を呼び出す。その小さな火の精霊にクロウはまず無属性の魔力球を渡してみる。特に何もせず、何も言わずに火の精霊は魔力球を吸収し、ムムムと唸ったあと、少し大きくなった気がする。魔法もクラスⅡそこそこのを一発撃つだけだった。次にクロウは魔力球を火属性に染め、火の精霊に渡す。すると精霊は飛び上がり、嬉しそうに火の魔力球を受け取り、その場でおいしそうに頬張った。しばらくして食べ終えると、クラスⅤ相当の魔法<火炎暴風>を発動した。


「ね?こういう風に、精霊も嬉しければもっともっと強い魔法を使ってくれる。だからまずは魔力球を属性で染める練習をしよう」


アカリはぶんぶんと頭を縦に振り、再び険しい顔で魔力球とのにらめっこを開始した。


一週間後、アカリも無事に自由に魔力球を属性で染め上げることに成功したので、次に魔力純化について教えることにした。


「空気中に酸素以外の気体が多くあるように、魔力球を練る時に、自分のMPを使っていると、他のものが混ざることがある。だからまずは魔法を使う基礎の物質、魔素を認識し、それのみで魔力球を練ってくれ」


アカリに魔力操作で動かしているもの一番小さい物をを観るように言った。目をつぶって必死に見ようとしているが、なかなかうまくいかないようで、完全に習得するのに1日かかった。


翌日、無事に<魔力純化>も習得したアカリに、最終特訓として、精霊王の加護をもらえるように手配した。アカリに火の精霊に純化100%の火の魔力球を渡すように言う。数時間かかったが、無事に成功したようだ。精霊はその魔力球を受け取ると、驚いたように精霊界に戻った。数分後、アカリは脳内におじさんのような声が響き、ステータス欄に<精霊王の加護>が追加されてるとクロウに言った。クロウはおめでとうとだけ言って、特訓終了だと伝えた。アカリは嬉しそうにクロウに抱き着き、今度料理を御馳走すると言ってギルドの厨房へ向かった。


最後はホムラ、ホムラの鍛冶部屋に入ると、ホムラは「待ってたぜ」と言いながら自信作の剣をクロウに渡した。クロウは鑑定してみると、想像以上の出来に驚いた。


---


極鉄剣

レア度:星5

鉄の純度と硬さを極限まで高めた剣。もはや同硬度の剣ではまともに打ち合うことすら叶わない。


---


正直、自力でここまで腕を磨き上げたことに驚いた。


「召喚:ヘパス」


クロウは一人のエルダードワーフを召喚する。鍛冶神の名を引き継いだ無名の古代倭人(エルダードワーフ)はクロウより数百倍も鍛冶に特化していた。


「ホムラ、彼の名前はへパス、既に死んだ身だが、君になら自分の技術の全てを教えられると言っている。伝説の鍛冶神の一番弟子だ、彼から学ばないか?」

「すげぇ!まじか!恩に着るぜ!」

「へパス、お前にはこれを渡しておく、くれぐれも無くさないようにな」

へパスには虹色のコラテラル・クリスタルを渡しておく。魔導術式の開発失敗時に偶然成功した、石を金にする触媒、そう、<賢者の石>だ。だがコラテラル・クリスタルに刻んだ術式はあらゆる鉱石を自分の知っている鉱石にするという、もっと簡単で暴力的なアイテムにした。神代の技術を身に着けている彼ならば、クロウの知らない伝説の鉱石も作り出せるだろう。


二週間後にまた来ると言って、再びありったけの食料をホムラに渡し、部屋から出ていく。不老に加えて、不死も鍛冶部屋に付けておいた。


二週間後、再びホムラの部屋に来ると、ホムラは淡々と一人で鉄を打っていた。そばにいるへパスはもう教えることは何もないとクロウに言い、クロウもありがとうとだけ言って彼を還らせた。ホムラもだいぶ成長したようで、テーブルの上にはいつぞやクロウが使っていた<寒鉄槌>が置いてあった。その冷たい槌にはいくつもの魔術文様が刻まれており、なんとクロウが教えようとしていた内容までへパスはホムラに伝授していた。


「これで一人前だな、ホムラ」

「ああ、師匠はすげぇや」


それだけ言うと、ホムラは再び淡々と鉄を打ち出した。ホムラに賢者の石はいるか?と聞いたが、いらないと言われて返却された。



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