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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第一章 アズガルド大陸
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油断大敵トラップ部屋でした

城塞都市:ベルガ

魔物界と人間界の間に存在する大規模な都市の一つで、最も過酷な前線の一つだと言われている。


「あっ、あそこ魔物界だったのか」


飛行船から下りて、真っ先に都市の説明文が飛び込んできた。

流石に集落の装備のままだと見た目が恐ろしすぎるのでログインの時の無料配布の初心者セット一式に着替えた。初心者魔法使い一式は着心地が良く、どうやら人間界中央に位置する魔法学園の1年生の衣装らしい。街中を見てみると他にも同じ服を着たプレイヤーが何人もおり、皆楽しそうに交流をしていた。

(とりあえず村で作った薬とか装備を売るか)

都市や拠点ではメニューからマップ機能が使えるので、集落にいた時のように走り回る必要もなく、ポチポチするだけで必要な場所がすぐ分かった。

数時間後、無事にギルドでF級冒険者の登録も済ませ、手持ちのアイテムや武器装備もあらかた売って、そこそこの金になった。俺以外にもいわゆる異形アバターの人は多く、特に何か言われることもなかった。


「よし、ダンジョンに行くか」


ベルガにはいくつかのダンジョンがあり、とりあえず一番近場の<ベルガダンジョンその1>に向かう事にした。

ベルガダンジョンの特徴は数多くのモンスターが混在している点であり、しかもそれぞれ連携が取れているのが非常に厄介な点だ。本来は4人以上が推奨のこのダンジョン、まさか一人で踏破しようと思うなら、第一層もクリアできぬままあっという間に神殿で復活する羽目になるだろう。


「召喚:<スケルトン:アサシン>×2、<スケルトン:シーフ>、<スケルトン:ソルジャー>×2、<スケルトン:ウォーリアー>×2、<スケルトン:アーチャー>×2、<スケルトン:メイジ>×2」


と言う事で、完全に少しオーバー気味だけど、この召喚獣の構成は勝手に自分で骨骨部隊と呼んでいる。


アサシンは一撃離脱紙装甲が特徴で、暗所から守ってもらう予定だ。

シーフは罠察知や探知に優れており、宝箱の解除もできる優秀な職業だ。

ウォーリアーはソルジャーよりさらに戦闘に特化しており、強力な<怪力>スキルも持っている。

アーチャーとメイジはそれぞれ遠距離攻撃要因で、それぞれ弓と魔法を使う。

俺が中央に立ち、アサシンは<潜伏>スキルでついてきてもらい、前からシーフ、ウォーリアー、俺、ソルジャー、アーチャーとメイジの隊形で進んでいく。


「楽~」


思ったより数倍楽なダンジョン攻略になった。

それもそのはず、数十m離れた場所でもシーフは他のスケルトンや俺に敵の居場所を伝える事ができ、ウォーリアーとソルジャーが敵の前衛をバッタバッタと倒していき、敵の後衛はメイジとアーチャーにあっという間に倒され、闇討ちしてくるモンスターもスケルトン・アサシンに先に討伐されていた。

そうして奥に進むと、ボス部屋のような場所にたどり着いた。


鑑定を使用してみると、<デビル・ミノタウロス>

レベルが80を超えており、明らかに近場のダンジョンにしては強すぎるボスだ。

しかも入ってきた扉は既に閉じられており、頭上には<トラップ部屋>と表示されていた。

(うわぁやらかした)

罠なら分かるが、流石のスケルトン・シーフも扉の向こうまではまだ探知できなかった。

(俺のレベルはまだ10、今のMPで召喚できる最強のやつは...)

脳内で召喚獣一覧を開いて、急いで召喚獣を探していく。

(いた)

「召喚:<堕騎士(フォールンナイト)>」

召喚していたスケルトンたちを解除し、新しい召喚獣を召喚した。


***


堕騎士(フォールンナイト):魔に堕ち、魔に染められた元聖騎士(パラディン)。聖騎士時代の能力を引き継いだまま、より強力な魔術や邪法を使用する。


***


目の前の黒い騎士は召喚されると、俺の片膝をついて己の剣を差し出した。

その行動に首をかしげていると、目の前に<貴方の騎士と認めますか>と提示が出た。

<はい>を選択すると、身体が勝手に鞘のついた剣を掴み、優しく騎士の右肩と左肩を叩いた。

(ああ、騎士受勲式のやつね)

それが済むと、騎士は再び剣を受け取り、改めて立ち上がった。

ボスは未だに動く気配がなく、俺も持ってる中で一番強い装備に着替えて、戦闘を開始しようと思ったら、横で準備していた堕騎士(フォールンナイト)が突如、己の剣を体に突き刺した。


「え?え?自害??」


先ほど召喚したばかりの召喚獣が突如自分の指示を無理して自害したらそりゃもう焦る。

しかもトラップ部屋のボス戦直前で。流石にMPの自動回復もまだまだ足りていないし、もう一体堕騎士(フォールンナイト)には足らず、MP回復のアイテムもそんなに買ってないので、死に戻りした方が早いかなと思っていたら、剣から赤い茨が生えてきた。そしてその茨は堕騎士(フォールンナイト)の全身に絡みついたと思うと、騎士は悲鳴のような声を上げて全身を包んでいた鎧がボロボロと崩れ出した。そうして鎧が全て割れて砕け散ったと思うと、身体中茨に包まれた新しい堕騎士(フォールンナイト)が現れた。


***


堕ちた茨騎士:魔に堕ち、染められた元茨騎士。邪神の加護により、完全に近い不死性を獲得している。聖火で完全に焼かれない限り死なない。


***

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