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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
学園都市ロゼⅡ
222/227

魔法祭開催

「おはようございます!毎度おなじみの聖セシリア学園広報部と放送部です!お待たせしました皆さん!本日は待ちに待った魔法祭1日目!一般応募組の予選1日目でもあります!」


クロウは新しくセシリアから受け取った名誉教授の服装を着ている。白いコートに白銀(ミスリル)と金を魔法で融合したバッチを身に着け、1人セシリア学園の教授達に混じって座っている。


「それでは、本日の試合開始の前に、まずはエキシビションマッチを始めたいと思います」


放送部の広域放送をクロウは少し緊張しながら聞いている。


「えー、出場者は.....え?あれ?合ってる?合ってるんだ、マジか。ごほん!出場者は新しく名誉教授に任命されたクロウ先生vs魔法工科科長、魔術応用科科長、それから魔導戦略科科長です!」

「!?」


クロウが抵抗する前に、容赦なく模擬戦闘場に転移される。クラスⅩレベルの防御魔法が結界として張られているので、この模擬戦闘場ではクロウもそこそこ魔法の実力を出せる。


「初めまして教授の皆さま、私は新しく名誉教授に任命されたクロウです。私はいくつか魔導技術の基礎理論についての著書を出しているしがない者です。よろしくお願いします」

「ご謙遜を、貴方の著書、<魔導の全て>は私達、魔導研究者にとって聖書のような物、未だに40%程しか理解できていませんが、その40%を持って私達はこの大陸を征服したと言っても過言ではありません」

「<魔術理論と魔術術式の拡張性>は私達も主要研究書物の1つです」


3人の教授に一礼され、流石にたじろぐクロウであった。


「いえいえ、そんな」

「そんなあなたには、だからこそ私達の持てる全力をぶつけるのが妥当だと思います!」


魔導教授はいつしかクロウが作り出した立体魔法陣を展開した。同時に魔術工科の教授は全体の半分ほどが魔術刻印で埋まった魔杖を、魔術応用科の教授は両手で改造された魔法陣を展開した。


「魔導アイテム起動、<マジックイレイサー>」


クロウはアイテムボックスから取り出した小さなアンティークを起動する。消しゴムのようなそのアンティークは先端に青く透き通る正方形を出現させ、クロウはその先端を教授たちの魔法陣の方目がけて横に動かすと、数m離れているのにも関わらず、まるで黒板を消すように魔法陣の一部が消滅した。


「参りました」


教授達はクロウのそんなアイテムには手の出しようがないと気付き、即座に降参した。クロウももう少し彼らが抵抗すると思っていたけど、食い入るように彼らがクロウのアイテムを見つめている事から、もしかしなくても研究したくて堪らないのだろう。


「あっ、これもしよかったら、どうぞ」

「いいんですか!?」

「あっはい、どうぞどうぞ」


クロウはマジックイレイサーを彼らに渡す。魔導アイテムはクロウが自ら作り上げた固有(ユニーク)アイテムで、マジックイレイサー以外にも大量の不思議理不尽アイテムがアイテムボックスに転がっている。


「しょ、勝者!クロウ名誉教授です!」


放送部のアナウンスも驚愕を隠せていない。それもそのはず、予定では10分ほど苛烈で血肉湧き踊る戦いが予定されていたのだ。それがクロウのアイテム1つで終わってしまってはどうしようもない。


「なら次は私と勝負しない?」


空から1機のエインヘリアルが降ってくる。クロウが作ったモデルに非常に似ているが、その外形は重厚な戦車を思わせる形をしていた。


「もしかして、ちゃちゃ丸?」


戦車のようなエインヘリアルの搭乗口が開く。中から出てきたのは、見知ったちゃちゃ丸ではなく.....背の高い銀髪の美少女だった。


「あっ、すみません人違いです」

「私よ!合ってるわよ!ちゃちゃ丸よ!」

「え?おまちゃちゃ丸?だってちゃちゃ丸って...」

「そうよ!アバター変えたのよ!分かるでしょ!」

「あっ、そうなんだ」

「そんな事より、受けるの?受けないの?」

「受けよう」


ちゃちゃ丸はクロウの承諾を聞くと、アナウンサーのいる高台に向かって合図した。


「ななななんと!向かう所敵無しと言われていた学園最高戦力の1人、<戦略弾頭>と呼ばれるちゃちゃ丸博士との対戦だ!観客は今すぐ家族に遺書と最期のメッセージを残した方が良さそうだ!」

「えぇ?」

「貴方の<魔術砲>と<魔導>をモデルに私の<魔力砲>を魔改造していたら、いつの間にかそんな名前が付いたの。あのエインヘリアル、見たでしょ?高速高火力高隠蔽性高高度高濃度の魔力弾、以前のイベントの録画があるから今度それを見せるわ」

「あれじゃん、<歩く核弾頭>じゃん」

「そんなところよ」

「そんなお前とこの結界の中で戦って大丈夫なの?」

「全力はダメよ、この国が亡ぶわ。だから」


ちゃちゃ丸はその言葉を皮切りに、空間から無数の<魔術砲>のための魔導兵器を取り出した。


「手加減してね?」


可愛げにウィンクしながらチャージを始めたちゃちゃ丸は、その可愛さに見合わないほどの高火力な攻撃を繰り出してきた。

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