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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
学園都市ロゼⅡ
218/227

クロウvs全員

「ノスフェラトゥ、苦悶の杖、死後の十八、罪と罰」


夥しい魔術刻印を施した悍ましい魔術杖を取り出し、クロウは全身から赤黒い魔力を周囲に振りまく。


「七つの塔、闇と百獣、最期の日曜日」


クロウの言葉が発せられるたびに、クロウの周囲に大量の魔法陣が出現する。


「三つの命、二つの時間、始まりの終わり」


クロウの言葉と共に、クロウの首からもう2つほど頭が生えてきた。リリィ達はその姿の恐ろしさに驚いたが、彼の殺意を正面から受け取ると、眺めているだけではいけないと気が付いた。


「&#*!@*&#」


クロウの3つの頭からそれぞれ違う言葉が発せられ、その背後の魔法陣から無数の魔法が飛び出す。


どれも強力な魔法で、彼らにとって非常に厄介だ。


「<土壁隆起>」


フェリスが飛んでくる魔法を土魔法で防ぐ。だが、数回魔法を防いだだけで、あっけなく破壊された。


「魔弾!」


シャルとリリィも同じように魔法を繰り出す。


「爆裂炎弾」

「紫電霹靂」


どれもクラスⅥの強力な魔法だったが、クロウが相反する属性の魔法を使用して全て相殺する。


「魔法戦だからと言って、立ち止まって撃つ必要はないぞ」


クロウはそう言い終えると、魔法で自身を浮かせ、空中で魔法を放つ。不規則に空飛ぶクロウに当てるのは難しく、クロウの攻撃を躱そうとすると魔法はあらぬ方向へ飛んでいき、魔法を当てようとすると、クロウの攻撃を躱せない。


「リリィは光の魔法が得意みたいだな、なら、<暗黒球(ダークボール)>」


闇魔法だけではなく、重力魔法も織り込んだクロウ特製の特殊な暗黒球は一直線にリリィへと飛んでいく。リリィはそんな魔法を撃ち返そうと光魔法である<聖光球(ホーリーボール)>を撃ちだすが、クロウのその暗黒球に近づくと、まるで吸い込まれるように消滅した。そんな様子を見たアリアンナは飛び出すように魔力を付与した曲刀で両断できない事に驚いた。それだけではなく、曲刀に付与された魔法も吸い込むように取り込まれ、一回り程大きくなった暗黒球はアリアンナに激突し、後方にいたリリィをも纏めて吹き飛ばした。


「火炎弾!」

「炎刀乱舞」

「ファイアークロウ!」


フェリスとシャル、タタが一斉に襲い掛かる。クロウはそんな3人に引き下がることなく、フェリスの銃弾を弾き、シャルの刀を硬化しか脚で蹴り飛ばし、タタの襲い掛かる腕をつかみ、そのまま地面に叩きつけた。


「そろそろ終わりにするか」


クロウは3人を一度遠くへ投げ飛ばすと、そのまま魔力を練りながら上空へと飛び上がった。


「<星の墜落(フォールンスターズ)>」


空を埋め尽くすほどの巨大な魔法陣が空に広がる。一瞬だけ黄色に発光したかと思うと、その魔法陣はすぐに消滅した。何事も起こらないと全員が安堵していると、クロウが右手を振り下ろす。その瞬間、日中の明るい空だと言うのに、はっきりと肉眼でも見えるほどの彗星が地面にいる彼女達目がけて落ちてきた。


「総員!防御魔法を!」


リリィが異変に気付いた頃にはもう遅く、彼女達の間に合わせ達の防御魔法も呆気なく空から降り注ぐ彗星によって破壊された。夜空に輝く綺麗な星々は、彼女達に無慈悲に降り注ぐ。それらの巨大な質量体はどれほど強力な防御魔法も安々と破壊し、地面に触れた瞬間に爆発し、エインヘリアルでしか飛行できない彼女達を絶望に突き落とした。


「はい、そんな感じで、俺先生出来そう?」

「よろしくお願いします」


鏡の世界をリセットし、改めて何事もなかったかのように立っているみんなに尋ねる。どうやらきちんと実力を認められたようだ。


「どうしようかな、まずは魔法威力の測定から始めようかな」


クロウは特殊なスライムを召喚する。


「エンシェント・ミスリルスライムだ。あらゆる魔法を吸収するスライムだから安心して全力で魔法を撃ってくれ。数値は本能的に俺に届けられるからすぐ分かる」


安々と古代生物を召喚した点に驚く暇もなく、クロウは右手に巨大な氷の槍を召喚し、回転加速させ、そのまま容赦なく白銀色のスライムに打ち込む。巨大な槍はそのスライムに触れた瞬間、一瞬で飲み込まれた。同時にクロウの脳内に具体的な数値が表示される。


「85000、こんなもんか」


クロウは他のメンバーにも同じように全力で魔法を撃ちこむように目配せをした。結果、1位はリリィの18000、他のメンバーも10000ほどの威力を誇っている。彼らの多くはやはりと言うか、アカリやアマネ達同様、基本概念についての理解が不足していた。


「よし、じゃあ基本授業から始めるか」


クロウはアマネ達とは違い、魔法構築の根幹理論から説明を始める事にした。

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