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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
学園都市ロゼ編
159/227

休学

「疲れた!休学します!」


アプデ後、機甲大祭の振り返り休日の最終日、突如クロウはいつもの図書館11階でそういった。


「クロウ?」


全員驚愕した顔でそういう。


「いやまあ実を言うと暫くオリュンポス大陸の方へ行きたくて」

「新大陸の方へ?」

「あっ、うんそうそう」


まだ新大陸って言うんだ。あっそういえば、


「<スキャン>」


リリィ、アリアンナ、シャル、フェリス、タタをそれぞれ鑑定してみる。アプデ前なら以前ならばプレイヤーと同じような長い情報が出てくるはずだが


---

名前:リリィ

武力:110

知力:104

政治力:108

統率力:100

魅力:98

特性:<タップして詳細を確認>

スキル:<タップして詳細を確認>

---

---

名前:アリアンナ

武力:94

知力:80

政治力:50

統率力:72

魅力:74

特性:<タップして詳細を確認>

スキル:<タップして詳細を確認>

---

---

名前:シャル

武力:110

知力:88

政治力:66

統率力:78

魅力:80

特性:<タップして詳細を確認>

スキル:<タップして詳細を確認>

---

---

名前:フェリス

武力:95

知力:77

政治力:60

統率力:72

魅力:76

特性:<タップして詳細を確認>

スキル:<タップして詳細を確認>

---

---

名前:タタ

武力:62/90

知力:76/86

政治力:60

統率力:50

魅力:62/70

特性:<タップして詳細を確認>

スキル:<タップして詳細を確認>

---


なるほど、戦闘力などのステータスは全て武力に統一して表記され、知力はそのまま賢さの表示、政治力は国家運営等の政治力を測るステータス、統率力はその名の通りどれだけ上手く兵や部隊を率いて戦えるか、魅力はまあ人を引き付ける力だろう。彼女達を見た後、そこらへんにいる一般学生もスキャンしてみる。


---

名前:ぺぺロ

武力:51

知力:50

政治力:43

統率力:50

魅力:50

特性:特になし

スキル:<農耕><生活魔法>

---


わぁ普通。一般科の生徒だろう。なんかほっとする。なるほど50が基本値か。政治力43...政治家にはなれなさそうだ。


どう考えると自分の周りにいる彼女らのステータスの高さに驚く。リリィに至っては魅力以外全て3桁を超えているし、シャルはリリィと並ぶほどの武力を手に入れてる。そして彼女らの特性とスキルも多すぎて空中でタップしてみたら画面からはみ出そうなほど羅列されていた。全員セシリアの元で働かせた方が国のためになるんじゃないかと思ったけど、それはまあ彼女達の選択に任せるべきだろう。


「そういうわけだ、リリィ、今日セシリアといつものカフェテリアで話がしたい。ついでにフェリス達も来る?」

「うぇ!?私はそんな」

「タタは?」

「あばばばばばばば」

「あっ、タタがバグった」


シャルがタタの頭に軽くチョップを入れて再起動する。びっくりした。


「まあまた今度にするか、リリィ、よろしく」

「分かりました。アリアンナ」

「はい、リリィ様」


アリアンナは近くにある黒い鞄を開ける。中には休学届と書いてある申請書があり、リリィは1枚それをクロウに渡した。


「私は今からセシリア様に伝えに行きます。カフェではなくクロウ様の部屋に行きますので、書類を書いてお待ちください」

「わかった、ありがとう」


クロウは全員に一言言って早速自分の部屋に向かった。制服ではなくラフな格好に着替え、書類を書く。理由は....え、なんだろ、諸国遍歴でいいですか?なんか新大陸の方めっちゃ分裂してるらしいし。期間?分からん、1年ほど?2年かも....むむむ


「好きに書いていいよクロウ」

「うおっ!びっくりした」


リビングに座って書類を書いていたクロウ。急に後ろからセシリアに話しかけられ、驚いて振り返るとセシリア、アリアンナとリリィの3人がいた。


「やぁクロウ」

「セシリア、いつの間に」

「聞いたよクロウ、新大陸の方行くって?」

「うん、様子を見に行こうかなって」

「久しぶりに帰ってきたアマネから聞いたよ、新しいいべんと?があっちで始まるんだよね」

「アマネ帰ってきてたのか」

「うん、今は来年の従軍志望の生徒を鍛えるプランを考えてるよ」

「アマネはいかないのか?」

「行かないって、でもアカリはもしかしたら会えるかもしれないんだって」

「アカリらしいな」


イベント自体は昨日から始まっているので、一足先に行ってるらしい。くぅ!先を越された!


「それと、アマネからの情報なんだけど、多くのプレイヤーも既に()()()に行って、軍師になったり先鋒将軍になったりして豊富なアイテムや金貨を手に入れてるから、クロウの腕の見せ所だって」

「お、いいね、向こうもエインヘリアル使えるの?」

「うん、既に向こうにも伝わってるよ。でも戦争ばかりであまり布教はしてないみたい」

「ふーん、じゃあ切り札として使えそうだな」

「じゃ、そゆことだから、許可しちゃいまーす」

「え?あっ、いいの?」

「いいよ、その代わりたまには顔出しに帰ってきてね。後、手料理をいくつか残しておいて、アリアンナと料理長に練習させる」

「え?私も?」


後ろで静かに話を聞いていたアリアンナが驚く。


「うん、じゃあこれに入れておいて」


セシリアは青い魔法陣が刻まれた布袋を取り出す。


「マジックバッグか」

「そそ、<時間停止>と<鮮度保全>の魔法陣付き」

「よし、とびっきり美味しい物を入れておこう」


クロウは手だけを袋に入れて、頭の中でアイテムボックスにアクセスし、次々と料理を入れていく。数分後、


「これくらいでいいだろ」


クロウが改めて手を袋から抜くと、小さな袋はアリアンナの足から腰ほどの高さに膨れ上がっていた。


「じゃあ、セシリア、明日から行ってくるわ」

「了解、ポータルはロゼ街の中央広場にあるから、忘れずにね」

「ありがとう」

「あっ、この部屋は取っておくから、いつでも戻ってきてね」

「うん、お土産とかも持ってくるよ」

「じゃ、またね」


セシリアはバイバイーと手を振って部屋から出ていく。リリィも一礼し、アリアンナも小さく手を振って部屋から出ていった。クロウはそのまま寝巻に着替え、ベットに潜ってログアウトする。そして彼は掲示板やゲーム攻略サイトを見ながら明日の準備を始めた。

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